知らぬ存ぜぬはお前だけ

飲んできた(いつもだろ)。

コミケなどのイベントの度に来てくれる同学年の人達がおり、毎回のように「今度飲みに行きましょうね」と言っては口約束で終わるというパターンを繰り返してきた。

この手の「今度飲みに行きましょう」。僕は決して社交辞令で言っているわけではなく、本気で今後飲みに行きましょうと言っている。のだけど、イベントに忙殺された後に残る疲労と達成感に紛れていつの間にかその機会を失ってきた。

今度こそ本当に行きましょうというコトになり、コミケが終わってすぐにDMをした。そして日程を調整して、やっと飲みに行く予定を立てた。ものすごい余談だが、移動中に「嵐が活動休止」の速報が入ってきて店中がその話題で持ち切りになっていた。

計5人で飲みに行ったんだけど、じゃあどんな人達かと言うと、いわゆるドルオタだ。

ドルオタさん達が推しているアイドルさんに、僕の曲を歌ってもらったのがきっかけで交流が生まれた。ありがたいコトに、アイドルさんのファンなのに僕ら裏方のやっているコトにも興味を持ってくれて、イベントに来てくれるのだ。

そして僕がやめた仕事は、その事務所の関連業務だった。

ここぞとばかりにあれこれ話したのだけど、どうやらドルオタさん達から見ても「あそこはヤバいところだから…」という認識があるらしかった。敏感なファンならそういう不穏な空気や運営の悪さを現場(つまりライブ会場)やそれ以外でも感じるらしく、むしろ僕が拍子抜けした。

見ている人はちゃんと見ていて、運営批判も辞さない姿勢でいるというのは素晴らしいコトだと思う。全てはそこに所属しているアイドルのためであるという、一貫した心持ちがあるからだ。逆を返せば、そういうファンをないがしろにするような運営はあってはならないと思うし、組織の在り方が問われる話でもあると思う。その辺りのバランス感覚が、さすがベテランのドルオタ勢。すごかった。

むしろ僕の方が色々と興味深い話を聞かせてもらった。

つまりこういう現場の声を拾えないような状況のままやってきてしまっているのは大問題で、それに気づいていないというのであれば運営は無能という以外何もない。実際無能だと僕は思っている。周りも気付いている。それに気付いてないのは当人だけというのは滑稽という他はない。

今もいくつかアイドルさんの案件を頂いているのだけど、ファン、アイドルさん、どちらにも失礼のない仕事をしたいと思った。

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