逃走一年

一年以上積もっていた怒りの感情が、最近溶けてきた気がしている。

前職のイザコザからずっと腹部の中心に真っ黒な感情が溜まっていた。普段はどうというコトはないのだけど、ふとした瞬間にその扉が開いて、真っ黒な感情が噴出する。そんな感じ。

お酒に逃げ、外見の変化に逃げ、創作から逃げ、あらゆるものから逃げた一年だった。

僕は一度何かを始めるとそこそこ長い。大学のバイトは1年から卒業までずっと同じだったし、新卒の会社も10年以上居た。サッカーも小学生の頃からはじめ、フットサルに形を変えて今も続けている。継続するコトをあまり苦に感じるコトはない。

そういった意味では、肝心な場面では逃げてこなかった気がする。

もちろん及び腰になるコトも逃げてしまいたいコトもたくさんあった。でも最終的には逃げなかった。そして今回、初めて逃げた。めちゃくちゃ気持ち良かった。過去最高のストレスに晒された後、初めてその開放感に色めきだった。仕事をやめた1週間後に思いつきで出雲まで行ったけど、そういう突発的な行動に移ったのも、その開放感によるところが大きい。

とにかく自分を甘やかして、逃げて、逃げて、逃げた一年だった。

結果論だけど、今なら「これで良かった」と思える。自分の負の感情をどうにか溶かすまでに、確かに時間は必要だったのだと。そうやって重ねた逃走が、やっと報われたのだと。これは自分への最後の甘やかしだ。

逃げて良かった。と。

あとは向けた背をひるがえして、人生の反撃に転じるだけさ。

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