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「#じぶんにいいこと はじめよう」 イベントレポート(前編)

ユニ・チャームから、オーガニックコットン採用の新ラインナップ「ソフィORGANIC®オーガニックコットン」シリーズが誕生。その発売を記念したトークイベントが、5月13日(月)に開催されました。

ゲストとして登壇したのは、生理用品にまつわる固定概念を女性自らの力で変えていくためのブランド「illuminate」を新たに立ち上げたハヤカワ五味さんと、生理週間を軸に女性のバイオリズムに寄り添うブランド「EMILY WEEK」を手がける柿沼あき子さん。

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この二人をお迎えして、同商品のハッシュタグでもある「じぶんにいいこと」をテーマに、生理用品について語り合ってもらいました。


「布ナプ派も安心」、 「ご褒美感がすごい」

——今回のトークショーのために、二人には「ソフィORGANIC®オーガニックコットン」シリーズを事前に試してもらいました。実際に使ってみてどうでしたか?

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ハヤカワ まずパッケージがシンプルでよくないですか?

柿沼 そうですね、これほどシンプルなパッケージは目新しい。

ハヤカワ ベーシックだからこそ、新しいですよね。私はタンポンや月経カップなど体内に入れるタイプの生理用品を使ってるんですけど、正直な話、国内商品って選択肢が極端に少ないんです。だから、ユニ・チャームさんがオーガニックコットンを使用したタンポンを販売してくれたのはすごく嬉しい。しかもすごくふかふかで、うちのベッドよりもいい素材なんじゃないかって思ったくらい(笑)。使い心地はどうでしたか?

柿沼 私は布ナプキンを普段使ってるんですけど、この商品はすごく安心して着用できました。紙ナプキン特有の違和感があまりないし、吸収力も優れていて、漏れの心配もありませんでした。ふわふわ暖かくて肌触りもいいし。

——表面がオーガニックコットンで覆われているので、サラサラ感が保たれるんですよね。ちなみに、ハヤカワさんはTwitterで“股セレブ”と表現していましたよね(笑)。

ハヤカワ もうご褒美感がすごいんですよ。「こんなに素敵なものを着けていいの?」って思っちゃうくらい。すごく良いことをしている気分になれる。

柿沼 生理痛などで気が落ちているときに着けると、明るい気分になりそうですよね。

「ひとつの生理用品ですべてが解決するわけではない」

——現在、Twitterで質問が続々と寄せられています。「周知されていないおすすめの使用方法があれば知りたいです」とのことですが、いかがでしょうか?

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柿沼 私は併用使いをおすすめしています。例えば、経血の量が多いときは紙ナプキン、少ないときは布ナプキンって。いろんなものを組み合わせて自分に最適なものを見つけるといいと思います。

ハヤカワ 靴の考え方に近いですよね。自分の足に完全にフィットするものを見つけるのってなかなか難しいじゃないですか。だから、インソールを入れて調整したりすると思うんですけど、生理用品も考え方は同じ。ひとつの商品で補うのではなく、紙ナプキンの上に使い切りの布ナプキンやシンクロフィットを併用したりするといいと思います。


——では、次に「月経カップのメリット・デメリットについて教えてください」とのことです。ハヤカワさんは普段から月経カップを使用されているそうですが、いかがでしょうか?

ハヤカワ メリットは取り替えの手間が少ないことですね。私、肌に経血が触れるのが苦手で、血が1回でも外に出てくることが許せないんです。それでタンポンを使ってたんですけど、なんだか身体の水分まで吸収される感覚があってなんとかしたいなと思っていました。その点、月経カップはすごく楽。私、実は今日が生理2日目で朝から月経カップを着けているんですけど、まだ1回しか取り替えてないんですよ。もうタンポンに戻れなくなっちゃいましたね。

デメリットは、サイズによって膀胱が圧迫されること。人によってはトイレに行く回数が増えるかもしれません。あと、他の生理用品と比べると値段が高いです。ひとつ3,000円〜4,000円くらい。でも、人によっては生理期間の億劫な気持ちが軽減されると思うので、これはもう相性次第かなと思います。

柿沼 私も月経カップを使ったことがあるんですけど、慣れるまで少し大変な印象があります。それこそ、はじめて挿入するときに血だらけになってしまって、それがトラウマで使用を敬遠していて。ただ、うまく使ってる方からはすごく楽だという話は聞いています。

ハヤカワ 確かに、はじめて使ったときはすごく怖かったです。特に取り出すときは気合いがいりました。めちゃくちゃ拍子抜けするくらい簡単に取れましたけど(笑)。もしかしたら、タンポンから慣れていくのがいいかもしれないですね。

そもそも膣の構造をわかってないと生理用品を挿入するのってけっこう難しいし。とはいえ、月経カップだけですべてが解決するわけではないので、他の生理用品との組み合わせを試してほしいです。ちなみに、私は布ナプキンをこれまで使ったことがほとんどないのですが、どんな良さがありますか?

柿沼 私は7、8年くらい前までは紙ナプキンを使っていたんですけど、肌に当たるゴワゴワした質感が嫌だったんですね。それと比較すると、布ナプキンは肌感的に紙よりもパンツに素材感が近いので安心感があります。布ナプキンをはじめて使ったときは、生理週間をこんなにポジティブに過ごせるんだって感動しましたから。あと、自分の経血量を気にするようにもなりましたね。それで自分の体を大切しようと考えるようになったんですけど、これは「EMILY WEEK」のコンセプトにつながっています。

ハヤカワ 自分の経血量を知っておくのは大事ですよね。「月経血が多かったら病院に行こう」ってよく言われてますけど、そもそも自分の経血量が平均に比べてどのくらい違うのかわからない人も多いですし。


——最近は月経カップ以外にも、新しい生理用品として生理用ショーツも登場していますよね。これはどういったものなんですか?

ハヤカワ パンツと生理用品のキメラみたいなものですね。私はアメリカの「THINX(シンクス)」というブランドのものを購入して使ってみたんですけど、肌あたりが気になりました。

柿沼 私も履いてみたんですけど、ちょっとゴワゴワしますよね。あと、濡れた水着を着たままで過ごしている感じがして気になりました。しばらくすると乾くんですけど。

ハヤカワ 個人的には生理になりはじめの小学生とかにいいのかなって。その頃って生理用品を持ち歩くことにまだ恥ずかしさもあるだろうし、どうしたらいいのかわからないことも多いと思うので。

——ちなみに、どこで購入できるのでしょうか?

ハヤカワ 日本はまだ代理店がないので、個人で海外サイトから購入するしかないですね。日本円換算で4着1万円くらいだから1着2,500円〜3,000円ですね。

「生理に関する誤解が世の中にはたくさんある」

——さて、いろんな生理用品について紹介してきましたが、ハヤカワさんはYouTubeでタンポンに関する動画もあげていらっしゃいましたよね。

ハヤカワ 個人的にタンポンはめちゃくちゃいいなと思って啓蒙活動をしているんですけど、実はつい最近まで敬遠していたんですよ。中高生の頃に親から「水泳の授業のときにつけなさい」って謎の圧力をかけられていたことがあって、それ以来つけなきゃと思うと心拍数が上がってしまう感じがしたんです。でも、社会人になって仕事で外回りをする機会が増えてきて、生理用品を持ち歩くのが億劫だったので思い切って使ってみたところ、すごく楽で。それからすっかりタンポンユーザーになりました。

——動画を載せたことで反響はありましたか?

ハヤカワ ちょっと違うかもしれないんですけど、驚いたことがふたつあって。ひとつは「これまで12時間は使ってました」とか「1日中着けてます」とコメントがあって危ないなと。タンポンって8時間くらいが交換の目安なんですけど、それを超えて使っていると膣の中にいる常在菌が悪さをして「トキシック・ショック症候群」という病気になったりすることがあるので。なかには足を切断しなきゃいけなくなった人もいるから気をつけてほしいです。

もうひとつ驚いたのが、アプリケーターというタンポンを挿入するためのツールも一緒に入れておくと勘違いしている人がいること。そういう正しい情報を知らないことから問題が生じるケースが多い気がします。

——聞くところによると、タンポンにアプリケーターが付いているのは日本独特らしいですね。

ハヤカワ これは友人に聞いた話なんですけど、環境問題への配慮からアプリケーターではなく指サックとか棒で入れるのがメジャーみたいですね。

柿沼 先ほど話題に出たTHINXから使い回し用のアプリケーターが発売されたりしていて、そういうところへのエコ意識はすごく高いですよね。

ハヤカワ それにアメリカってタンポンがすごくメジャーで、確か女性全体の6割くらいが使ってるのかな。それが日本だと1割くらいしかいないんですよね。(注:北米で8割、日本で3割)多分、使い方自体がよくわからないからだと思うんですけど。そういうところも少しずつ変えていきたいですよね。


「生理を日常のもの、ファッション感覚に」(柿沼)

——では、質疑応答に入る前に今後の展望についてお聞きしたいと思います。柿沼さんは「EMILY WEEK」をどのようにしていく予定なのでしょうか?

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柿沼 私はファッションブランドから「EMILY WEEK」が出されていることがすごく大切だと思っているんですね。というのも、1990年代にベネトンがコンドームを発売するようになったんですけど、それが当時の私にはすごく衝撃的で。生理用品に関してもファッションブランドが出すことによって、もっと日常的なものになると思うし、ファッション感覚で楽しめるようになるのかなって。

特に「EMILY WEEK」は生理周期を軸に4週間のバイオリズムに合わせて商品をつくっているので、もっと日常に取り入れられるようにしていきたいなと思っています。あと、志を同じにしている企業やブランドとのコラボレーションも今後は実現していきたいですね。

——ハヤカワさんの「illuminate」はどうでしょうか?

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ハヤカワ 新しく立ち上げた「illuminate」というブランドでは、ものをつくるだけではなく、企業と組んだりしながらさまざまな施策を考えていきたいと思っています。そのひとつとして、6月半ばに生理用品のポップアップストアを表参道にある青山ブックセンターで開催することが決まりました。生理用品の歴史や私たちが置かれている社会的背景について知ることができる本を30冊くらい置かせてもらって、生理用品と一緒に購入できるようにしようと思っています。詳細についてはTwitterアカウント(@illuminate_pjt)でお知らせしていくので、良かったらフォローしてください。

「新プロジェクト、はじまります」(ハヤカワ)

——そして、もうひとつお知らせがあるそうですね。

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ハヤカワ はい。今日のトークショーを主催しているユニ・チャームさんにご協力いただいて、「NoBagForMe」というプロジェクトをはじめることになりました。これまで生理用品を薬局とかコンビニで購入すると、中身が見えない袋に入れられていたと思うんです。でも、私たちにとって生活必需品であるものを隠される必要ってあるのかなって。しかも、「袋に入れられる=人に見せちゃいけないもの」という刷り込みを知らず知らずのうちにされて、それが結果としてパートナーと性について話せないとか、生理痛について会社に相談できないとか、さまざまな問題につながっている気がするんです。そういう部分を当事者である私たち女性から変えていけたらと考えています。

——このプロジェクトはハヤカワさん以外にもメンバーがいるんですよね。

ハヤカワ はい。しおたんこと塩谷舞ちゃん、『臨死!!江古田ちゃん』の作者として知られる瀧波ユカリさん、あと大人の事情でまだ言えないんですけど他に2名いて、私を含めた5人で活動していきます。生理用品に関する悩みや意見って尽きないと思うんですけど、そういうものを吸い上げて私たちなりに解釈して形にしていきたいなと思っています。


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——具体的に動き出しているのでしょうか?

ハヤカワ ユニ・チャームさんの生理用品を利用して「#NoBagForMe」と言えるようなパッケージをデザインします。今年の冬には発売できるようにしたいと思ってるので、引き続き見守ってもらえると嬉しいです。

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盛り上がった質疑応答は後編に。そして、プロジェクトについては近々に発表を予定しています。楽しみにお待ちください!

(構成:村上広大




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