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【コラム】防災の日に考える。物資としての生理用品

9月1日(日)は防災の日。1年に1度、家庭の防災グッズや、地域ごとの避難所マップなどを確認するのに良い機会です。

ユニ・チャームも、被災地に自社製品を送るなどの支援活動を行なってきました。

災害時に女性を悩ませるのが、生理に関連すること。その一方で、被災地に生理用品が届かない、もしくは希望を言い出しづらい……という女性の声も。

「下着が洗えず、においなども気になった。パンティライナーの物資支援がありがたかった。」
「被災直後に生理になってしまったが、ナプキンの希望を言い出しにくかった。」

(女性に必要な防災|マイスタイル防災 ユニ・チャーム: http://www.unicharm.co.jp/csr-eco/mystylebosai/woman/index.html)

災害後のライフラインが整わない時期に、若年女性が初潮を迎える場合もあります。緊急時、わたしたちはこの問題にどう向き合うべきなのでしょうか。「災害復興法学」を掲げ、大学でも教鞭をとられている弁護士・岡本正さんにお話を聞きました。

岡本 正(おかもと ただし)
弁護士・博士(法学)・マンション管理士・医療経営士・防災士。銀座パートナーズ法律事務所パートナー。
1979年生まれ。神奈川県鎌倉市出身。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2003年弁護士登録。内閣府行政刷新会議事務局上席政策調査員として出向中に東日本大震災が発生。日弁連災害対策本部室長を兼任し復興政策に関与。経験をもとに「災害復興法学」を創設。岩手県地域防災研究センター客員教授をはじめ、慶應義塾大学法科大学院、同大学院システムデザイン・マネジメント研究科、同法学部、青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻等で講師を務める。

──弁護士として、防災に関わり出した経緯を教えてください。

岡本 きっかけは、内閣府に出向している最中に3.11が起きたことでした。弁護士としてやれることは何だろうと考えたときに、被災した人たちが求める支援に応えることではないかと。そのあとの人生のために、法や言葉で役にたてればと。以来、防災や復興に携わっています。

──多くの女性にとって、生理用品は不可欠な日用品です。一方、避難所などの緊急事態ではないがしろにされがちだと言われています。

岡本 避難所のイメージって、いまだに体育館の床に雑魚寝、プライバシーのない生活……というものですよね。それを変えよう、避難所も普段の生活に近い環境を当たり前に用意しよう、という動きはあるんです。

スフィア・プロジェクトをご存知でしょうか。災害援助等の質を向上させ、最低限の生活水準を保つために生まれた世界的な計画です。


ところで、突然ですが、災害時に避難所の開設や物資支援が行われていくのはなんでだと思いますか? それは、もともと法律で決まっているからなんです。「災害救助法」と言う法律です。大災害が起きた場合は政府が法律の適用を決定し、避難所の開設や物資支援の根拠となるのです。

──行き当たりばったりでやってるわけじゃないんですね。

岡本 はい。先ほどの「生理用品を物資として認めてもらうには」ですが、私としてはこの法律や、それを受けて作成されている「避難所運営ガイドライン」を根拠に声をあげることをおすすめしたいと思います。

避難所の運営をする責任者の方はどうしても男性になりがちです。衣食住を優先する結果、女性にとって当たり前なことのケアが薄くなる場合もあります。そこで、女性の方だけが不利益にならないよう、内閣府が作成した「避難所運営ガイドライン」では女性の視点を取り入れており、この中で「生理用品を用意しよう」という項目がはっきりとあるのです。

引用元:http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/index.html
     『避難所運営ガイドライン』 女性子供への配慮

国や自治体に対して、「女性しか使わないから贅沢品」なんて臆することなく、水や食料と同じ必需品なんだと声をあげることをおすすめしたいです。

政府(内閣府)の「避難所運営ガイドライン」が備蓄すべきものとして明確に女性用品をあげているという事実を、ぜひ誰もが予め知っておいてほしいと思います。災害救助法や「避難所運営ガイドライン」を知らずにいたということがないようにしてほしいのです。

* * *

「被災しても、ふだんと変わらない生活のために声をあげることは権利」。力強く語ってくださった岡本さんのお話にあったように、日用品として生理用品が必要であることを企業からも発信していくべきだと感じました。

同時に、生理用品だけでなく、自分の住んでいる地域が、こういった点まできちんと準備をしてくれているのかどうか、確認してみると良いかもしれません。もちろん個人レベルでできる防災として、日頃からナプキンや生理用ショーツを備えておくことをおすすめします。

「東京防災」の中では、災害時の衛生関連の「知恵」や「工夫」が紹介されています。

《もしもマニュアル 衛生》
※あくまで緊急・非常時の対処法の紹介となります。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/006/390/04/04-02.pdf


またユニ・チャームのサイトでも、防災の基礎知識をご紹介しています。


(イラスト:荒木智子)

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