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SIGMA fpはオールドレンズ遊びに最適か?

SIGMA fp購入の決め手は、フルサイズセンサーを実装した軽量コンパクトな本体だったから、でした。その理由は、オールドレンズを本来の画角で楽しみたい。そして、それを手軽に持ち歩きたいから。

同じ用途ならα7を選ぶ人のほうが圧倒的に多いと思います。fp購入時、本体価格はfp(約20万円)、α7III(約18万円)。手振れ補正の有無など性能面も踏まえれば、αを選ばない理由は少ないはず。

でも、フルサイズには(というかα7には)手を出すには至らなかった自分がfpを購入したのは、軽量でコンパクトで、従来の一眼レフカメラを引きずらない割り切ったデザインを良しとしたから。

そんな理由で選んだfpですが果たして、実際にオールドレンズ遊びに最適なカメラだったのか、改めて見つめなおしてみたいと思います。

◎:システムとして軽量コンパクトにまとまる

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購入した理由が理由なのでほぼこれが全て、と言っていいかも。
レンズにもよりますが、概ねMFレンズは軽量で小さい。特にフランジバックの短いMマウントとの組み合わせは感動的。

他のフルサイズミラーレス機も600g台と、レフ機と比べれば十分軽いですが、やはり200gの差、ボディサイズの差は物理的にも心理的にも大きく違う。

α7にしても、EOSR、Z6にしても、やはりそれなりに大きいレンズの使用を想定した本体サイズです。
それらにコンパクトなMFレンズを付けたときの見た目のバランスに、コレジャナイ感を強く感じます。分不相応といいますか。

でもfpとMFレンズの組み合わせは、とてもバランスが良い。
レンズを付けた状態で小ぶりの巾着に包み、さっとバッグに入れて持ち歩くのに臆することのない、そんなサイズ。

オールドレンズを余すことなく楽しめるフルサイズのカメラで、こんな扱いができることが、とても素敵だと思えるのです。

◎:小さくも武骨なオールドレンズの造形にフィットするデザイン

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特にTakumarのようなレンズを装着したときに思うのですが、これが純正なのではと思えるくらい違和感がありません。

M42用マウントアダプター含め、レンズを含めた全体のフォルムに機能美を見出せます。

写真を撮る機能には何ら影響のないポイントですが、レンズを装着して何を撮るでもなくいじくりまわしているだけで、何か幸せな気になれます。

Pentax KP+Limitedレンズにもいえることですが、お外に撮りにかなくても、部屋の中で盆栽しているだけで満足できてしまうという、恐ろしいカメラです。

○:一部ミラーレスで発生するマゼンタ被りは今のところ発生せず

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フランジバックの短いMマウント(特に広角レンズ)で起こりやすい事象とのこと。原因については別のサイトなどにお任せしますが、fpはどうなのか購入前に少し心配していました。

ただ、α7IIIのような裏面照射型センサーのカメラでは緩和されているという情報はあったので、同じく裏面照射型センサーのfpなら大丈夫だろうとは思っていました。

そして、今のところ手持ちのレンズでは周辺に色被りは見受けられません。

ただ、MマウントはNokton Classic 35mmが一番の広角で、手持ち一番の広角はSMC Takumar 28mmでM42マウント。

ですので、本当に安心できるかは今後Mマウントの超広角レンズを使う機会があるまでは、自分では確認できません。

探せばfp+Mマウント広角レンズでレビューしてる方はいらっしゃると思うので、探してみてもいいかもしれませんね(他力本願)。

×:ISOをダイヤルに割り当てられない

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これはちょっと予想外でした。

マニュアルモードではf値 とSS、シャッター優先モードではSSと露出補正、絞り優先モードではf値と露出補正が割り当てられていて、それぞれダイヤルの機能入れ替えは可能。

でも、それ以外の変更はできない。マニュアルモードでは、レンズ側でf値を設定するので、ダイヤルにSSとISOを割り当てたいところですが...

基本的にはISOはメニューから呼び出して設定することになります。背面の「QSボタン」からアクセスできますが、設定まで数回クリックが発生し、こまめに変えるには結構手間です。

そこで、現時点ではISOオート設定+シャッター優先モードを使うことで妥協しています。

MFレンズということでf値は強制的に操作できるので、SSを設定した後は露出補正で明るさを調整。ISOはその結果次第、というPentaxでいうTAvモードに近い使い方。

妥協と言いつつもISOオートなので楽といえば楽。今後の機能追加でダイヤルにISOを設定できるようになっても、もしかしたら露出補正のままかも。

でも、選択の自由はあってしかるべきだと思う。

キットレンズの45mmにも絞り環がついているのだから、それくらいできていいと思うんですけどね。

ちなみにキットレンズでは、シャッター優先モードでレンズの絞り環は機能しません。電磁絞り方式だからか強制的にf値を変えられないので、MFレンズのような使い方はできないのです。この仕様は正直納得できない。

ということで、現時点ではfpで物理的にISOを含めたマニュアル操作をしたい方は注意が必要です。ファームウェアアップデートに期待しましょう。

△:やっぱり液晶モニターのティルトは欲しい

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ティルト(もしくはバリアングル)のない背面液晶による、MFレンズでのローアングル撮影が結構大変、ということをfpに教わりました。

寝ころべるところであれば問題ないのですが、それがはばかられるような環境では、場合によっては諦めざるを得ないことも多い。

物理的な手振れ補正が無いことも、フラッシュ使用時のシャッタースピードは1/15が限界なこと(RAW撮影時)も事前にわかっていた仕様として受け入れられていますが、モニターについてだけはfp運用後に改めてティルトできないデメリットを痛感。

機動性あふれるシステムなだけに、ローアングルも手軽に撮れたら尚良かったなー、と。

動画撮影用のヒートシンクの代わりにティルトできるfpが発売されたら、即買い替えてしまうかもしれない。

結論:SIGMA fpは自分にとっては十分遊べる素敵なカメラ

fpはオールドレンズ遊びに使えるかというテーマなので、そこに影響する部分に絞って評価しました。

自分にとっては軽量コンパクトであることが、残念ポイントを十分補って余るメリットになっています。というか現状他のカメラを選びようがないのですが。

α7のサイズや重量、デザインが許容範囲なら、手振れ補正もある、アクセサリーも豊富、ティルトできる、マウントアダプターも選び放題、etc...と明らかに最適解はαです。

でも、サイズやデザインがどうしても妥協できないのよという方や、すでにメインのカメラがあるから遊びの一台が欲しいという方は、ぜひSIGMA fpで遊んでみることをお勧めします。以上でした。

よろしければ次回もご覧ください。では~

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