『巨人たちの星』ジェイムズ・P・ホーガン(著)池央耿(訳)
冥王星の彼方から〈巨人たちの星〉のガニメアンの通信が再び届きはじめた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない……それも、もうかなり以前から……!! 5万年前月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、からまったすべての謎の糸玉が、みごとに解きほぐされる。前2作で提示された謎のすべてが見事に解き明かされる。《巨人たちの星》シリーズ第3部。
三部作完結。最後は戦争のお話でちょっと残念かな。最後までほのぼの路線で行ってほしかった。
オカルトなど非科学的なもの全てを、人類を進歩させないための陰謀と言い切るのも寂しい話。そもそもコリエルたちが人類の祖である、という設定もアフリカの黒人が祖であることが認められないからなのかも、と邪推してしまう。私達はほんとうならもっと発展したはずだ。出来なかったのは、多種族の邪魔があったからだ、と言ってるようにしか聞こえない。ちょっと選民思想を感じてしまい、より残念。
なにより、我らがダンチェッカーが全然活躍しないのよね(主人公もだけど)。そこが一番残念。
SFとしては、恒星間VR会議がロマン溢れてよかった。また、情報の大切さを痛感した。フェイクを看破する能力を手放してはいけないね。皆がソースを確認する習慣ができれば、世の中はもっと良くなるのにな、と小説と関係ないことを思ってしまった。
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