『タイタン・プロジェクト』A・G・リドル(著)友廣純(訳)
作家のハーパーが乗ったロンドン行き三〇五便が墜落した。彼女と生き残った飛行機の乗客たちは助け合って救助を待つが、捜索隊はいっこうに現われない。それもそのはず、そこは人類が消えてしまった未来だったのだ! どうやらここは、ハーパーらが関わることになる全人類的大プロジェクトが実現したタイムラインらしい。なぜハーパーたちはここに連れてこられ、人類はどこに消えたのか?謎と興奮のタイムトラベルSF!
タイタンという名前で宇宙SFかと思いきや、いきなり飛行機が墜落しサバイバルが始まる。しかし通信もできなければ救助も来ない。人類はどうなってしまったのか?とドキドキしながら読むと、実は未来に墜落してましたというタイムトラベルSF。昔NHKでやっていたランゴリアーズという海外ドラマを思い出す。
スピーディーで手に汗握る展開、アクション、どれも映画的でエンタメ度抜群。だれか説明して!というヒキの状況が延々と続き読者を引きつける。脚本にテクニックを感じる。
しかし、このじれったさはエピローグまで続き、地味にストレス。ラストは切れ味が欲しかった。
ただ、エピローグで、この本こそがタイタン・プロジェクトなんだ、という繋がりは良かった。ちょっと感動したが、原題は別だった…。しかし、こういうのは訳者の腕だろう。
ちなみに、SF的説得力はほぼゼロなので、ハードSFを期待する人には向かない。というかSFを期待したら駄目。エンタメだけに集中すること。
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