井上陽水 50th @高崎芸術劇場

二度目の祝賀会(???)に参加。
なぜか高崎(海はない)

前回と全く違うんですよ????
軸は同じなんだけど、選曲や間合いが違うんですよ???
劇場の音響がいい!!!!席もよく見えるしキレイ。
前回気づかなかったところと今回初遭遇のものをメモ。

「Make-up Shadow」ドラムスのプレイが圧倒的。パワーがある。一瞬たりとも気が抜けない。

「移動電話」がはじめの驚き。挨拶ってことなのかな。音響ほんと素晴らしくて、なんというかクリアさがすごい。各楽器のパート聞き取れるのはもちろん響き合いもバツグンでは??(個人の感想です。)今の陽水はギターをこう操るのか〜と興味津々。『永遠のシュール』収録曲はかなり好きなので、何かの機会にもっと聞きたいなぁ。「土曜日は晴れた」とか「目が覚めたら」とか。爽やかに歌い上げる陽水。コーラスのお二人の透き通るような声がよく乗っている。

「なぜか上海」海がないから、海の歌を歌う人は少ないんじゃないか、という選曲。素晴らしいセンス。なんてことなの。アレンジは原曲準拠、それだけ出来上がった曲ということかな。今まで聞き過ごしていたけど、サビに入る直前で一瞬静かになって、雲が晴れるようにリズムとメロディーが展開していくのがすごい。

「カナリア」イントロからまったくわからなかった。こんなスリリングで怪しいアレンジに!?陽水の曲は夜、闇を感じる曲が多いなぁと思う。昼の音楽というよりは、深い夜の音楽という感じ。ドラムとベースが効いていて、三拍子のリズムなのに踊らされるとアブない感じよ〜。

「いっそ、セレナーデ」酒のCM曲として締切間際に作って…というエピソードは初耳。歌詞の展開にあわせて発声、発音を変えていることにはっきり気がついた。ドラマがある。

「帰れない二人」照明の演出。前回気づかなかったけど、楽器が増えるにつれスポットライトが点灯していく、というシンプルな演出。あんまりにも自然で、かつ曲の風景を成立させている。

(どこのタイミングか忘れたけど)合間に「たいくつ」を歌ってた。こんな曲すごいよねーと。普通の曲が書けなくなっちゃった、と。50周年はやっぱり創作と苦悩の歴史なんだなぁ。わたしらには知る由もない背景がたくさんあるんだろう…。

後半のメドレー。「とまどうペリカン」のピアノのドラマづくりものすごい。胸に迫るような情景。

「最後のニュース」イントロが聞こえた瞬間に涙腺が緩んでしまった。なんというか、人生の終わりに自分は何を思うか、大切な人との別れに何を思うか、そういうことを否応なしに直感させられてしまう。こんな曲が生まれた時代に生きていることを心から苦しくて、悲しくて、切なくてそして美しいと思った。

「氷の世界」何度聞いてもよい。生気がみなぎっている。会場全体が一つの音楽になる感じ。こんなに踊れる曲なんだ!?って気づいた。すごく好き。

アンコール。
「御免」!?なんというかこれを持ってくる引き出しの多さ、そしてこれを作ってからの年月に感服。いやーーーー楽しい!!なんにもないけどって、ありてありすぎますでしょう。私にしてみたらもう贅沢すぎる…!!

「夢の中へ」陽水どんどん前へ来る。ファンサービスがすごい。こんなに歩き回ってもらっていいの!?楽しい!!!!

「結詞」これが出てくるとは…。あまりに儚くて言葉を失ってしまう。言葉のひとつひとつがピアノのこぼれるような音と絡んで、やがてバンド全体も静かに終わる…。「傘がない」の迫力とはちがう、いままさに眠りにつく人を見つめるような、息もつかせずただ見つめるという感じ。

毎回興奮の冷めないうちに書くのでどうしても言葉にしきれないけど、最高すぎる。
50周年のステージを見てなお、この人の未来の作品をもっと追いかけたいと思わせる魅力。魅力というか魔力。この人を知ってしまったからには、私はずーーーっとこの人を知らない自分には戻れないんだよねぇ。
トリビュートも出ることだし、もっと多くの人にこの世界を覗いてみてほしいなぁ、とわたしは思うわけよ。日本の音楽っていう庭にはこんなにも大きな一角があるんだなぁ、みたいなこと。

今回で確信したのは、陽水はバンドと「うた」っていう属性の違いを「詩」「音としての声」っていうものを限りなく近づけてひとつの音楽にしてるってこと!
言葉遊びに注目されがちだけど、本人狙ってやってるというか試行錯誤のうちに落ち着いたところが今の音楽の一つの流れになっているっていうのはあるんじゃない???
歌謡曲ほど詞が強くなく、英語詞もほぼ一般化して、サウンドの可能性は限りなく広がって、もはや日本語のポップスもグローバルに評価される時代が(ついに)来てるんですよ。
いやあわたしは言い過ぎだとは思わないわー。意味がなくても陽水の音楽には「ある」。聞かないとワカンナイし、聞くとくせになる。だからこそ陽水はいまの日本の音楽そのものなんじゃない!???って。
「MUSIC PLAY」がたまたまシャッフルしてて流れてきたのでそんな考えがまとまった。

とにかく50周年最高!!!!!わたしの初陽水と今年の陽水納めは無事終了した〜〜!!
すべてが美しいのでちょーーーっと覗いてみてね。