見出し画像

投資銀行、コンサルで得たハードスキルがほぼ活かされていない話

はじめに
はじめまして、2024年1月1日にメディカルフォースに入社しました岩渕と申します。会社では静かな立ち位置のため、あまり大勢の方の目に触れるような文章を書いたり情報発信したりするタイプではありません。ただ、入社エントリー執筆は入社時に必ず行わなければいけないタスクということで重い腰を上げて本noteを執筆してみました。
執筆に際してはどのようなテーマで書くべきか非常に悩みました。ただ、メディカルフォースがどんな組織なのかについては他の皆さんが既に書かれているため、筆不精な私が執筆してもしょうがないと感じ、題名の通りの内容を書いていこうと思います。また、本noteで回答したい問いとしては「投資銀行や戦略コンサルで得た経験やスキルはベンチャー企業で活きるのか」になります。私のように新卒でなんとなく激務・高給の企業に入り、なんとなく論理的思考力や構造化能力スキル、クリティカルシンキングを鍛えたものの、長く同じ業界にいるのも違うと感じている方の参考になればと思います。
結論、投資銀行や戦略コンサルで必ず叩き込まれるソフトスキル面はベンチャー企業でもとても役に立ちます。ただ、職種に依るとの前置きはしつつも、ハードスキルに関しては今のところメディカルフォースで活きているところはほとんどないと感じています。

入社してから嫌いになったオブジェクト指向

自己紹介
年齢:1994年生まれ 29歳
好きなこと:刺激、年上への突き上げ、投資、ポーカー、うさぎ
嫌いなこと:事前にアジェンダの用意されていない会議

これまでのキャリアと転職経緯
まず、私のこれまでのキャリアとしては投資銀行や戦略コンサルといった無形商材を扱う企業、通称プロフェッショナルサービスを行ってきました。新卒では某証券会社の投資銀行に入社し、数年に渡って債券の引受業務を経験しています。その当時の感想としては私が個人的にマーケット情報を見ることが好きだったため、入社から最初の2年ほどは業務内容そのものが楽しく、非常に満足していました。ただ、私が所属していた企業はかなりの大企業だったため、それゆえに縦割りでかつ業務が型化されてルーティンワークに近いものが多く、少し私の志向と異なっていました。加えて年次を重ねても業務範囲や責任範囲こそ変わるものの、やっていることはお客さんの資金調達を助ける、ということに帰結してしまうと感じ、最初の転職を決めました。そして「業務範囲を広げるといえば案件によって考えることが異なるコンサルだろう」との安直な考えから戦略系のコンサルティングファームに転職しました。
2社目として経験したコンサルティングファームでは入社1年目は稼働の100%をコンサルタントとして働き、2年目からは1日の稼働の50%はコンサルを残りの50%は自社事業である動物病院グループに経営企画という形で働きました。率直に言って動物病院グループの経営企画のポジションはかなり面白く、新規で動物病院を買収したり、資金調達のために銀行と交渉したり、医療現場の業務効率化を行ったりと幅広く活動できたことはよい経験です。また、ここで初めて事業会社で働くことの面白さ、特に業務範囲が金融業界と異なって多岐に渡ることにやりがいを感じるようになりました。そして私を可愛がっていただいていた動物病院グループの社長が交代になったことを契機に事業会社への転職活動を始めました。

メディカルフォースに入ったきっかけ
転職に際してはエージェントサービスを利用し、個人的に興味のあったヘルスケア領域の企業でかつそれまでの社会人経験が活きそうな企業を数社ほど受けました。正直なところ、メディカルフォースが行っている事業内容に特段の興味があったわけではないのですが、カジュアル面談でかなり頭の回転の速い面接官の方と話せたこと、かつその方がその当時は人事に近しい仕事をやられていたことから「こんなに優秀な人が人事を務めるメディカルフォースという会社は伸びていくに違いない」と感じて内定までいただけました。その後は複数社から内定を頂いたことでどこに進むか迷いましたが、PjM(プロジェクトマネージャー)という決まった期限までに決まった予算で結果を出すポジションで採用していただけた点、内定が出てからの承諾までの魅力的な会食といった点からメディカルフォースに入社を決めました。

入社後に行っている業務
前述の通り、メディカルフォースにはPjMとして内定をいただいたものの、いざ入社しているとなんとそのようなポジションは消滅しており、ひとまずPdM(プロダクトマネージャー)という自社のプロダクトの開発を行うポジションに補助的に入り、プロダクト理解を深めることとなりました。
ただ、私が入社してから暇そうにしていたのが良くなかったのか、はたまた組織の形を変更するタイミングとたまたま合致したからなのかわかりませんがあっという間に正式にPdMに就任させていただきました。かつ、消滅したはずの幻のPjMとしても振舞っており、今のプロダクトに足りていない開発するために外部の業者と連携するための調整を行ったり、他社と連携してプロダクトをクリニックさんに訴求するための営業戦略推進を行ったりと幅広い業務を行わせていただいています。もっとも、これらの業務はあくまで2024年1月末時点で行っている業務のため、2月に入ったらまた違うポジションで働いている可能性も大いにあり得ます。そのため、日々会社のポータルサイトで自分の所属組織のページでF5キーを叩いき、急なポジション替えが発生していないかを確認しています。

いまだによくわからない会話が繰り広げられるリファイメント

今までの社会人経験が活きている部分
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題に入ります。Noteの最初に話題にあげた「投資銀行や戦略コンサルのような企業で得た経験やスキルはベンチャー企業で活きるのか」という問いに対する答えとしてまずハードスキルから行きましょう。ずばり、今までの社会人経験で得たハードスキルがメディカルフォースで活きている気はあまりしません。メディカルフォースに入社してからも当たり前ですが進捗管理や議事録作成をすることがあるため、Excelでタスク管理を、Wordで議事録作成を行っていたところ、「それってnotionでできますよ」や「せめてスプレッドシートでやってください」といった叱咤激励の言葉を頂いております。また、業務上で財務モデリングのように精緻なExcelを作成する場面もないことに加え、コンサルで教え込まれる構造化した議事録作成も特に求められている感覚は無く、ただの自己満で構造化しているにすぎません。そのため、残念なことにドキュメンテーションスキルはベンチャー企業では全く活きません。
ただ、ソフトスキル面では今までの経験が役立つ場面がしばしばあります。特に3つが役立っていると感じているので記載すると
①    結果を出すというマインド
②    徹底的な報連相
③    キャッチアップ能力
の3点は特に役立っていると感じます。
まず、最も役立っているのは結果(成果)を残し続けるというマインドです。少し業界の説明をすると投資銀行も戦略コンサルも個々人が案件を獲得、ないしは継続できているかが明確なKPIになっている業界です。特に戦略コンサルはクライアントと毎日のコミュニケーションを通じて信頼を勝ち取っていく職種のため、1日単位で成果を生まなければいけません。こういったマインドは資金力が莫大なわけではなく、常に残り資金を意識しながら結果を出し続ける必要のあるベンチャー企業にフィットしたマインドで働けていると感じています。
2つ目に投資銀行時代に叩き込まれた「徹底的な報連相」も今の職場で活きている部分だと思います。投資銀行も戦略コンサルも案件を切られてしまいそう、とれると思った案件が取れなさそうなリスクを少しでも感じた際には上司に対してすぐに報告をする必要があります。また、投資銀行ではマーケット情報のような部全体で知るべき内容は極力、報告することが推奨されていましたし、戦略コンサルでは別の案件の提案に繋がりそうな情報もつぶさに報告するように言われてきました。一方でメディカルフォースではデイリースクラムという形で15分程度の時間の中で進捗やリスクを報告するための場が毎朝、設けられてはいるものの、その枠では収まらないほどの変化が日々、発生しているように個人的には感じています。そのため、会議以外の場でも仕事に関係する人に対して当たり前に報連相をできている(つもり)状況ではありますが、これは今までの社会人経験が活きている場面だと感じます。
そして最後となる3つ目はコンサル業界で得たキャッチアップ能力の高さが活きていると考えています。コンサルは短いプロジェクトですと1か月程度で案件が終わってしまうため、その短期間でどれだけ案件を理解できるかが重要となります。当たり前ですが最初は会議で何が話されているかわからない状況から始まるわけですが、その際にわからなかった用語をつぶさに調べることや積極的に質問をすることなど、コンサルでは当たり前のことが日々、状況や自分のタスクが変わっていくベンチャー企業ではとても活きているように思います。

今までの経験が邪魔になっている部分
ここまでは投資銀行や戦略コンサルで得たスキルでプラスの面ばかりを話してきましたが、一方でそういった業界を経験したことでマイナスになっている点についても簡単にご紹介します。
具体的に感じていることは1つだけなのですが、それは「どうしても自分のスコープを明確にしたくなってしまう」という点です。これはコンサル経験が長ければ長いほど出てしまう癖だと思いますが、そこまでコンサル歴の長くない私でさえ出してしまう悪癖です。もう少し詳細に説明するとコンサルの働き方の鉄則としてクライアントがどんなアウトプットをいつまでに欲しがっているかを把握し、その期待値を超えているものをアウトプットとして出すという考え方があります。私の場合もメディカルフォースに入ってからも自分の期待役割であったり、いつまでに何をやるべきかであったりといった点を最初は把握したくなっていました。ただ、会社の戦略であったり、緊急度が高いタスクが差し込まれたりすることが日常茶飯事なため、何をいつまでにするという期限を切ってもすぐに変更されることがほとんどです。また、適切に自身のスコープを切り分けられたとしてもそれでは自身のスコープ外のことをやらないマインドになってしまいがちです。そのため、あくまで自分のやる気をださせる意味で期限を切るのはいいと思いますが、基本的には自分のやる気や体力が常識的な範囲で持続するまでは優先順位の高いものをつぶしていくマインドのほうがベンチャー企業には適していると感じています。

役員による熱血指導(読めない)

ベンチャー企業に入ってよかったと感じること
最後に、メディカルフォースに入社して私が感じている転職してよかったことを簡単にまとめさせていただきます。

①     社内ではなく、社外に向いて仕事ができる
今まで私が所属してきた企業はある程度の規模があったことから会社の目標も規模の拡大よりも維持、ないしは後退しないことを主眼に置いていた感覚があります。そのため、社員も自身の社内での昇進や出世争いにベクトルが向いている方が多い印象でした。その一方でメディカルフォースは会社のステージの関係もあって急成長を目指していますし、所属している社員も自分の評価ではなく、会社の成長にどれだけ寄与できるかを考えているケースが多いように感じます。結果として「会社をいかに大きくするか」ということに対して一体感があると感じています。
②     上流部分から企業の成長に寄与できそう
メディカルフォースで任されているPdM、PjMというポジションでは主にサービスの開発に結び付く活動を行っているため、上手くいけばサービスの質が向上し、そのサービスを基にセールスの方々が契約をとってくるという、工程で言えば上流部分を担当できています。まだ明確に目に見える形で何かを行ったわけではないので「できそう」という表現に留めますが、個人的には上流を担当できることにやりがいを感じています。
③     刺激が多い
ここまででご紹介した通り、私が採用された際に存在したPjMというポジション消滅と復活、そしてPdMへの兼務を含めて入社前からは想像していなかったようなことが多々、発生しています。また、急遽開発チームの運用であったり名称が変わったりと予期しないことが毎日のように発生しています。私の好きなこと欄にも記載したように、刺激が多い点を人的には楽しんでいます。

④       業務の幅の多さ
刺激の多さの中に内包される要素な気もしますが、業務の幅が広いことで日々、知らないことを検索エンジンで調べることが日常になっています。知識欲は無くはないほうなのでわからないことを調べることで知識欲が満たされている点も私の志向にはマッチしていました。

⑤     クイックウィンのマインドが歓迎される
これは完全に性格の問題だと思いますが、30%や50%の状態で一旦のアウトプットを提出し、数を重ねてブラッシュアップしていくタイプの私にとってはベンチャー企業のようなクイックウィンの環境は向いている気がします。一方で100%のものを目指して丁寧に作成することが好きな方は大企業のほうが絶対に良いと思います。

まとめ
つらつらと私の頭の中にあった内容を言語化しただけのノートだったため、読みづらい文章になってしまったとの自覚がありますが、ある程度の分量を書くことはできたのではないでしょうか。
全体のまとめとしてはプロフェッショナルサービス畑出身の方はベンチャー企業で活躍できる素地は必ずといっていいほど備えてらっしゃると思います。
ただ、ベンチャー企業に向いている、向いていないの基準はその方が仕事に対してどんな志向性を持っているかとどんなソフトスキルを発揮したいかが重要だと思います。
プロフェッショナルサービス出身の方がベンチャー企業に入った場合は必ずといっていいほど給与も、社会的信用も下がります。
それでも本noteを読んで少しでもメディカルフォース、ひいてはベンチャー企業に興味を持たれた方は是非、カジュアル面談を申し込んでいただけますと幸いです。その際に私が何のポジションになっているのか、例えば広報に配置転換になっている可能性も多分にありますが、お話しできればと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?