ネット記事で、こんな題材で書いてある文章を見つけた。長年勤めた職場を退職した後に、転職を繰り返す人が増えているらしい。それを読んで私も近い将来そうなりそうだなと感じていたので、興味深くその記事を読んだ。

どうしても長く居た職場と今を比べてしまうからだそうだ。そして自身のプライドの高さと仕事の出来不出来にも関係しているとの事。

ああ……私にも当てはまるのではないだろうか。と、ぽりぽり木の実を食べながら思う。

居場所を求めて転職したが、(その他にも理由があるが)未だに宙ぶらりんだし、明らかな方向性や、やる気みたいなものが失われている気がする。そのかわりに得たものは心の余裕と負担が少ない毎日だ。私がいきいきと働ける時間もそんなに長くは無い中で、何を見据え選んで行けば良いのだろうか。

今日、以前の職場の関係者とすれ違った。多分向こうは気づいていて、しかし私には気がつかないように見えた。私は全く気がつかずに居たが、怒りみたいなものを持つ人間の気配に気がついて横を見た。するとその人がその場を立ち去っていくところだった。

象徴的な出来事だなと思った。どうやら私は人を知らず知らずに怒らせてしまう生き物らしい。その人ともはじめは関係が良好だった。けれども、ことのはじめは他者の言葉や自身とは関係の無い何かが引き金になり、その次にはボタンがどんどん掛け違えられるように上手くいかなくなっていった。それもそうなるようになっていたのかもしれないし、もしかしたらそれは必然だったのかもしれない。相性ってそういう事なのかもしれない。

私は、あまり人には嫌われないタイプではあると自負しているが、嫌われたら振り幅が果てしなく遠くの手の届かない方へと行ってしまう事を今日改めて感じた。

ああ、今のやるせない気持ちはきっと、自分への問題提起だ。きっとこれから自分自身に起こる事への予兆みたいなものだ。

ある女優さんが「悩んでいる人ってたいていの場合、自分から動いていないのよね」と、言っていたのを思い出した。

動かなきゃいけない。そうしたら何かが見えてくるのかもしれない。私にはそれが足りないのかもしれないな。

そう思いながら再びぽりぽりと、木の実を食べた。