駒澤筑波

【大学マッチレポート】駒澤×筑波 駒大守備陣にあった明確な穴。駒澤人なら前を向け!

…12位 駒澤大学。

いくら開幕戦後の順位表とはいえ、最下位のダメージは大きい。試合も1−5で筑波大に完敗。いきなり荒波に揉まれる船出となった。

○先制パンチは突然に

駒大は天皇杯予選を戦った11人を先発のピッチへに送り出した。DF星キョーワァン(4年/矢板中央高)やFW高橋潤哉(4年/山形ユース)ら主力が順当に名を連ねる。対する筑波大はルーキーのFW森海渡(1年/柏U-18)を先発に抜擢。J内定組の三笘薫(4年/川崎U-18)、高嶺朋樹(4年/札幌U-18)、山川哲史(4年/神戸U-18)もそろい踏みした。

試合は開始直後から動く。テンプレのような文言だが、まさにそうだった。前半3分に右サイドの敵陣中央から駒大がスローインを得ると、スローワーのDF真下瑞都(3年/矢板中央高)が得意のロングスローを披露。特に風が強く吹いてはいなかったが、ボールは一気にペナルティエリア左まで一直線。これに反応したMF荒木駿太(2年/長崎総科大附高)が押し込んで先制点を得る。

(先制点を奪ったのは荒木(背番号7))

幸先のいい先制パンチに駒大陣営はノリノリ。球際のバトルやセカンドボールの回収など、チームとして目指す形を徹底した序盤戦だった。

○なぜ5点も叩き込まれたのか

しかし、次第に守備陣に明確な穴が生まれて主導権は一気に筑波大サイドへ転ぶこととなる。筑波大が左サイドの三笘にボールを預けると、繊細なタッチのドリブルで中央へカットイン。DFがこれに釣られてしまい、左サイドのスペースがガラ空き。そこにサイドバックのDF山原怜音(2年/JFAアカデミー)がフリーで走りこんでピンチを招く場面が散見された。このスペースを筑波大に与えてしまったことが決定的な失点の要因だ。中盤のマークも甘くなり、キーマンの高嶺が自由に動き回れる形が自然と作られた。

すると、同30分には高嶺の絶妙なロングフィードに森が抜け出す。ペナルティエリア後方で見事に収めると、GKとDFの連携ミスを誘って同点弾をゲット。前半終了間際にはシュートのこぼれ球を再び森が押し込み、あっという間に逆転した。

後半も筑波の左サイド攻撃に駒大守備陣が対応できず、三笘と森を中心に防戦一方の展開に。トップ下の加藤匠人(2年/柏U-18)もDFとボランチの間で縦パスを受け、相手の脅威となり続けた。結果、筑波は69分までに3点を上積みし、森はデビュー戦でハットトリックを達成した。

駒大は58分に投入したMF加々美文斗(4年/鎮西高)が持ち前のハッスルを武器に前線で奮闘。クロスバー直撃のループシュートやダイビングヘッドでゴールを狙うなど気を吐いた。FW森本ヒマン(3年/矢板中央高)の投入後はロングボールのターゲットが増え、空中戦で優位に立つ。しかし、フィニッシュの精度を欠いて追い上げることはできなかった。

(森本ヒマンは空中戦で圧倒的な勝率を誇った)

正直、5点で終わってよかったという見方もある。加藤が相手の間でボールを受けるようになってからは駒大のディフェンスラインが乱れ、ダイアゴナルに走りこまれる場面も目立った。試合後の選手たちの表情は、もはや空虚とも取れるほどの悔しさに打ちひしがれていた。

○駒澤人であれ

駒大はこの結果を背負いながら、いち早く改善に向かわなくてはいけない。次節は開幕戦で前年覇者の早大を撃破し、勢いに乗る立正大。相手は1部昇格してすぐに結果を出し、怖いもの知らずといっても過言ではないだろう。

しかし、それでズルズルと下がって行く駒大ではないことは誰もがわかっているはず。駒澤人であれば必ず前を向けると信じている。現に、エースの高橋や空中戦で強さを見せた森本ら攻撃陣の調子は見る限り悪くない。むしろ、体のキレは日々増している。守備陣も課題さえ修正すれば、能力や経験は関東トップクラスのメンバーが揃っている。ただの感情論ではなく、ここから結果を出せるチーム構成になっているのだ駒澤人なら、仲間を信じて目指すサッカーを徹底することが必須。この敗戦を「そういえば、そんなこともあった」と笑えるのは、目に見える結果を出してからだ。次節からの巻き返しに期待したい。

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