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【大学マッチレポート】駒澤vs立正 意地を見せた駒大3年三銃士!彼らなりの「駒大らしさ」を見た

1部初昇格で王者を破った立正大と、昨年に結果を残しながら開幕戦を大敗した駒大。単なる実力では語れない戦いが2節から繰り広げられた。試合は立正大が先制点を奪いながらも、ファイナルスコアでは2−1で駒大が逆転勝利を収めた。

駒大は開幕節からスタメンを2人変更。こう見ると大きく顔ぶれの変化はないが、配置は大きく入れ替えた。好調のMF加々美文斗(4年/鎮西高)は初のスタメン入り。高校時代にFWとして母校の選手権ベスト8に貢献したDF深見侑生(4年/駒大高)は持つ攻撃センスを買われて左のサイドハーフで起用となった。

立正大は前節を映像で見る以外は初見のチームだったので、正直読めない点ばかり。開幕戦でゴラッソを叩き込んだMF梅村豪(3年/清水ユース)はこの日もチャンスメイカーを務めていた。全体的に肉厚な選手が多く、しっかり鍛えられているというイメージだった。

○3バックや2シャドーへの対応力が課題に

試合は8分に動く。梅村のパスをペナルティエリア右で受けたMF平松昇(3年/清水ユース)が鋭い切り返しで駒大DF をかわし、枠の左に巧みなシュートを突き刺した。この時間帯は駒大が簡単に立正大の2シャドーに縦パスを供給させてしまっていたため、梅村が自由に動き回っていた点は否めない。

4−4−2のフォーメーションを採る駒大にとって、最終ラインとボランチの間に入る縦パスはケアが必須。この日は縦パスの受け手が2人もいたため、比較的簡単に通されてしまっていた。攻撃面でも相手が5バック気味で構えてくるのに対し、攻めのパターンが単調になってしまった。

○駒大に火を付けたのは米田大介

結局駒大は前半に立正大ゴールを破れず、0−1のビハインドで終えることとなる。しかし、ここから意地を見せる駒大イレブン。まず、守備は明らかに立正の好きな形を封じていた。縦パスに対してボランチが厳しくチェックし、FWの裏抜けに対してもDF猪俣主真(2年/三浦学苑)が抜群の対応でシャットアウトした。

攻撃陣は60分に米田大介(3年/浦和東)を投入で一気呵成の猛攻を開始。投入1分後にその米田がクロスに反応し、ドフリーの状態からダイビングヘッドで合わせる。ここはクロスバーに弾かれるが、ここに猪突猛進に突っ込んだのはMF薬真寺孝弥(3年/長崎総科大附)だった。ゴリ押しで枠内にねじ込んで同点に追いつく。さらに、67分には逆転弾をゲット。右から上がった薬真寺のクロスが相手の密集地帯からファーサイドへ流れると、DF真下瑞都(3年/矢板中央)が無人のゴールへ流し込んだ


(米田(中央)は試合後に充実した表情を浮かべた)

2得点に絡んだのは米田、薬真寺、真下の3年生トリオ。中でも米田は今季からスタメンに定着しながらもなかなか持ち味が出せずにいた。この日は公式戦4戦目にして初のベンチスタート。頭から飛び込んだ場面には彼の魂が確かに宿っていた。昨季からレギュラーの薬真寺と真下もアベックゴールで勝利を手繰り寄せたが、労を惜しまないハードワークで自分の持てる力を遺憾なく発揮した。


(真下はDFながら2試合連続で得点に絡んだ)

○駒大の男として魂を込めた

上記に3年生を取り上げたが、この試合は誰をピックアップすれば良いか迷うほどの好パフォーマンスを全員が見せていた

特筆するべきは初めてサイドハーフとして起用された深見侑生。とにかく走って走って走りまくっていた。トラッキングデータを計測したら恐るべき数値が出ているはず。前節は失点に絡むシーンもあったからかか、今節はマグロのように休むことなく走り続けた。

開幕からの連敗だけは避けたかった駒大にとって、この1勝が持つ意味は大きい。試合終了のホイッスルを聞くやいなや、全員が獅子の如き雄叫びで勝利を祝った。

ようやくリスタートを切った2019年の駒大。次節は1週空いて桐蔭大と対戦する。MFイサカゼイン(4年/桐光学園)やDF眞鍋旭輝(4年/大津高)といった選抜クラスを要する強豪。私個人的にも今季注目のチームである。昨季手を焼いたDFW菅原圭介(FW登録でありながらDFとして出場したためこの表記)が卒業していることが唯一の助けだが、新人戦2連覇と全く侮れない。ようやくの初勝利を喜ぶだけでなく、ここで連勝をしなくては意味がない。どんなチームが相手でも臆せず戦えるか、まだまだ駒大から目が離せない。

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