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生ひ立ちの歌

生ひ立ちの歌

   Ⅰ

    幼 年 時
私の上に降る雪は
真綿のようでありました

    少 年 時
私の上に降る雪は
霙のようでありました

    十七〜十九
私の上に降る雪は
霰のように散りました

    二十〜二十二
私の上に降る雪は
雹であるかと思われた

    二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました

    二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……

   Ⅱ

私の上に降る雪は
花びらのように降ってきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました

私の上に降る雪は
熱い額に落ちもくる
涙のようでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、
神様に
長生きしたいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞潔でありました

生ひ立ちの歌 中原中也


わたしは詩がわかるような男ではないけども、いちばん好きな詩です。


大学生のころ、先日記事にした春日狂想と生ひ立ちの歌を題材にして、わたしはゼミで発表しました。

あの頃、大事な誰かや近い人が死んだ体験などしてなかったのに、なぜ人間の生死に魅かれたのだろうか。


雑な結論だとなんとなーくロックっぽかったんやろうな、中原中也が。



ということで、
もう20数年前のことになってしまったけども、
在りし日の俺とオトシマエをつけてやるぜ!


という、ちょっとした永ちゃん気分で初の朗読イベントに挑戦しようと思います。朗読は素人なので、結局のところ、わたしはロックに頼ります。



そんなこんなでおかげさまで、3/29(金)朗読イベントはソールドアウトとなりました。


がんばってがんばります!!



次は3/31(日)

一切、朗読しません。
歌います!





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