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#ALLFOR916 この日のために1年をかけて安室奈美恵さんにサヨナラをした

2018年9月16日、安室奈美恵さんの引退日を私は沖縄・宜野湾海浜公園で迎えた。

引退日は、安室さんの曲をBGMに行われる花火ショーが開催され、空いっぱいに広がる花火を涙することなく笑顔で見ることができた。

安室さんの引退を、笑って送り出せるよう、悲しみに振り回されないように、この日のために1年を過ごしてきた。

好きになったきっかけ

きっかけは10年前の31歳のとき。たまたまコンビニで流れていた安室ちゃんの曲に惹かれてYoutubeで検索をしたらものすごいかっこいい人がそこにいて、歌って踊る安室ちゃんの姿を一目見たくて人生初のファンクラブに入会した。

高校生の時にアムラーブームを迎えたものの、どちらかと言えばアムラーの人たちには苦手意識があって、センター街よりもパルコが好きだった。

そんな私が十数年の時を経て、安室さんのファンになってまず最初にやったことがロングブーツを買って髪の毛の伸ばすことだった。いい年して女性っ気がない自分にコンプレックスがあったから、せっかく美の巨人のような人を好きになったのだから見た目から変えていこうと意気込んだもののやっぱり性に合っていなくてすぐに諦めた。

歌って踊る安室さんを好きになり、知れば知るほど人としての強さに惹かれていった。

何故、最愛の肉親を亡くしてもなおこんなにもしなやかに強くいられるのだろうか。言葉にしてしまうと物凄く安易になってしまいそうでそれが嫌でこのことを公言することはしなかった。安室さんを見ながら、私はなんでこんな風に強くなれなかったのだろうかと考えた。死別を理由になんてしたくなかったけれど、何をやっても長続きしない頭でっかちなダメな人間で何も努力ができない自分自身がいつも嫌いだった。だからこの人の強さを知りたかった。私も強くなりたいとそう願った。

文章を書き始める

昔から文章を書くのが好きで、安室さんのことも好きすぎるからその思いを言葉にしたくて安室さんの情報を発信するブログやTwitterアカウントを運用し始めた。気づいたら、毎年行われるライブツアーへ十数回訪れるようになり、ライブへ行ったら必ずライブレポを書き、誰よりも先に安室さんの情報を発信した。

安室さんの音楽・ライブに触れるのと同じぐらいに、安室さんについて文章を書くのが楽しかった。ライブでどんな風に歌ったのかどんな顔して笑ったのかどんな風に歌詞を間違えたのか。詳細に記憶しそれを思い浮かべニヤニヤしながらライブレポートを書いた。

安室さんは一つのツアー内で曲目が変わることはあまりないので、同じライブに何度も行って何が楽しいの?と言われるけれど、毎回毎回安室さんは同じじゃない。いつも踊るところなのに踊らなくて、なんでそこ踊らんのだ!とイラッとしたり、いつも普通に歌うところでニコッと笑って悶絶させられたり、歌詞を間違えて笑ってごまかしたり、いつもより手を降ってくれる回数が多かったり少ないで私が行くときに少ないとなんで?!?!ってなったり。

体調の悪いときだってあった。お腹を抑え辛そうに前かがみになりながら歌ってる姿、ターンをしたときのほんの一瞬、ものすごい辛そうな顔を目にしたとき涙したこともあった。でも、次にライブに行くと何事もなかったように調子を戻してくる。小さな修正・調整を何度となく繰り返し、そして、ライブ回数をこなすにつれてどんどん調子を上げていき初日と最終日のパフォーマンスがガラリと変わる。

安室さんはライブで全然喋らないけれど、でも毎回こんな風に違う姿を見せてくれるから私たちファンは色々な安室さんを知っているし、どんなことがあろうと何百回も行ったライブに対するモチベーションの高さとパフォーマンスにいつも圧倒された。

「自分らしく、今日の精一杯を」

安室さんは以前ツアー中に限定ブログを開設していて、思うようにライブができなかったときのことをこのように綴っていた。

思うことは色々あります。
良いliveの時も、悪いliveの時も全て私なのです。
特に思うようにliveができなかった時は、現実を受け入れるのに時間がかかってしまったりもします。

そんな時はいつも自分に言い聞かせます、
『自分らしく、今日の精一杯を』って。良い意味でも、悪い意味でもliveは生ものです。

良い時は嬉しいし、悪い時は落ち込みます。
そんな『live』というものに私は魅力を感じているのです。

2009年5月3日 BEST non FICTION ブログ

このとき、ライブに行ったことなければまだファンでもなかったけれど、知りたかった安室さんの強さは、どんな事があっても時間がかかってもいいから自分のことを受け入れることなのかも知れないとこの文章を読んだときに思った。

「自分らしく、今日の精一杯を」が私の座右の銘になった。

引退発表後の様々なできごと

そんな安室さんをずっと見ていたかった。
でも2017年、安室さんは40歳の誕生日に1年後に引退をすると発表した。いつかこんな風に突然言われることは覚悟していたけど、それはもっともっとずっと後のことだと思っていた。

そのニュースを知ったとき驚きすぎて今自分がどこにいるのかどこを歩いているのか一瞬見失った。戸惑いや悲しみがあふれる中、何故1年前の発表なのか、その意味を私はちゃんと受け取らなければいけない。1年後の、2018年9月16日までの限られた時間の中で、安室さんのことをちゃんと整理しなければ。そして、最後の日を自分らしく過ごせるよう、それだけを心に刻んだ。

引退を知った数日後、私はこんなことをブログに書いていた。

悲しんでいる暇なんてないんだよね。
安室さんのことで悲しい気持ちにさせられても、それを救い上げてくれるのも結局安室さんしかいない。他で埋めようと思って、忘れることはできても埋めることはその人自身のことでしか埋まらない。

でも決して埋まることない喪失感を1年かけて、さらにその先もちゃんと受け止めていられるように今を楽しんでいきたい。
安室さんは、自分とファンとの思い出がひとつでも多くできますようにと願ってくれているから、私もたくさん思い出を作っていくよ。

安室さんからマスコミの方へコメントを発表、と、新曲「Finally」がNEWSZEROのテーマ曲に決定ヽ( ̄▽ ̄)ノ - Twitterボットはディーバの夢を見るか

心の整理と安室さんとの思い出をつくるために与えられた1年間は様々な事があった。心かき乱されることも多く、出来事としてもっとあったけれど長いので省略(グッズ発売x10回とかそういうの)

2017年
9月16、17日:沖縄25周年ライブ
9月20日:引退を発表
9月21日:ベストアルバム「Finally」発売決定
9月26日:マスコミに対してのコメント(取材に対しての自粛依頼)
9月26日:NEWSZEROのテーマ曲「Finally」決定
9月28日:ファンクラブ終了日のお知らせ
9月28.29日:HuluCMに出演、新曲「Do It For Love」解禁
10月1日:アニメ、ワンピースの主題歌「Hope」放送
10月1日:Huluにてドキュメント第1話とCMドキュメント放送、webのみCM放送
10月2日:NEWSZEROのテーマ曲「Finally」放送
10月6日:HuluCMがテレビで放送
10月17日:ドラマ、監獄のお姫様の主題歌「Showtime」放送
10月18日:ドコモとのタイアップ,TVCM出演決定
10月22日:WOWOWにて沖縄25周年ライブ放送
11月3日:huluにて、密着ドキュメントの放送決定
11月6日:セブン-イレブンTVCM決定
11月8日:ベストアルバム「Finally」発売
11月13日 :ツアー日程が発表
11月23日 :NHKに出演
12月31日 :紅白歌合戦出場

2018年

1月31日 :福岡で看板まつり(x2回)
2月10日 :「ONE PIECE」コラボ
3月10日:コンタクトレンズブランド「ReVIA」TVCM
3月16日:フォトブック「GIFT」予約開始
4月10日:H&Mコラボ (x2回)
4月19日:KOSÉ企業メッセージCM出演決定
4月26日:フォトブック「GIFT」発売
5月14日:安室奈美恵飛行機「AMURO JET」運航開始
6月20日:KOSÉ新CM全国放送スタート!とコラボ商品「アイカラーパレット NA」発売
7月26日:安室奈美恵の軌跡を辿る“最後の空間”「namie amuro Final Space」開催
7月27日:引退日に沖縄県にてイベント開催決定
7月29日:世界の果てまでイッテQ!」に出演決定
8月18日:ファンの想いを届けるプロジェクト「#ALLFOR916」が始動
8月20日:ラジオ出演決定
8月26日:9月15日(土)ラストライブ開催決定
8月29日:ラストライブDVD&Blu-ray発売、渋谷で看板祭り
9月9日:『安室奈美恵 ファッション総選挙BEST 50』 「AbemaTV」で放送
9月15日:前夜祭ライブ
9月16日:引退

様々な出来事のたびに嬉しさと悲しみの両極端に気持ちが揺さぶられる。それだけでなく、ファンの中で争奪戦やときには論争が巻き起こるからそこにも気持ちが引っ張られる。だからその都度気持ちを内側に溜め込まず日記に思うがままに書き散らし、荒ぶる気持ちが過ぎ去るのを静かに待った。

引退までの1年間:文章を書く

悲しみにだけに暮れないようブログや日記を書き続けた。新しいニュースがあれば大喚起でワクワクしてブログを書いていたけれど、もうそんな気持ちだけで文章を書くことはできず、いつも嬉しさと悲しさのあいだで右往左往し、日記には感情むき出しになっているものばかりで今読んでもちょっと泣いてしまいそうになる。

でも、引退まであと100日を迎えたとき心境は少し変化をした。

AbemaTVで「安室奈美恵さん引退の瞬間までの大切な時間を刻む、スペシャルカウントダウンプロジェクト。」が始まった時のこと、終わりのカウントダウンだなんて辛すぎるからヤメレと思ったけどすぐに気持ちの切り替わりがあり、当時こんなことを書いた。

最初見たときは、んだよこのカウントダウンは!
「引退の瞬間までの大切な時間を刻む」と言っているけど、そんなのわざわざ言われなくても分かってるし、カウントダウンって何かが始まるときに行うワクワクドキドキを高めるツールだろ!終わりに使うだなんてぐぬぬぬぬ....。

なんて気持ちになったんだけども、でもそれは私の立場からであって安室さんからしてみたら新しい人生の門出なんだと気づいたら、終わりのカウントダウンが始まりのカウントダウンに見えてきた。

安室さんは以前から、「引退は前向き」や数日前のニュースウォッチ9で「25年のピリオドは打つけど、止まっているわけではなくそのあとも冒険」だと話していたんだから、そろそろ意識を逆転させても良いころなのかも。

安室さんの新しい人生の幕開けまであと100日 - Twitterボットはディーバの夢を見るか

iPhoneアプリに入れていたカウントダウンアプリ(終わりのカウントダウンにイラッとしたもののアプリにはこっそりいれていた)の表示もこの日に変更した。

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自然に気持ちの切り替えができてきたのも、文章を書き続け気持ちを整理していったからだと強く思う。

引退までの1年間:気がついた大切なこと

ファンというものが自分も含めて嫌になっていった1年間、でも私がいわばオタクと呼ばれるほどに好きになってしまったの要因の1つは、ファン友だちができたことが大きかった。

毎日毎日SNSを通じて安室さんの話題で大笑いしあい、ライブツアーが始まれば各地にいる友だちたちと集合をし一緒にライブに行ったり終わったら盛大にライブ話に花を咲かせ、会社の人にはいつもニヤニヤしてるよねって言われるほどに毎日がお祭り騒ぎのように楽しかった。

ふとそんな日々を振り返ったときに、毎日楽しいだけで生きていていいんだって思った瞬間があった。父親が亡くなってから数十年の間、生きるとか死ぬとかそんなことばかり考えていた日々が、安室さんだけの毎日になってから一切考えなくなっていた。仕事を転々としてたことにずっと憤りを感じていたのに、毎年ライブツアーに行くようになってから今の今まで仕事を辞めていない。辞めたらライブに行けなくなってしまうその一心だった。

やりがいとか社会問題に取り組むとか、いわば宿命的な仕事をいつの日か私は探していたのかもしれない。だからずっとそれが見つけられなくて職を転々をしていたけれど、でも遊びのためだけに仕事を辞めなかった自分と出会えて、かなり遠回りをしたけれどやっと人生の転機が訪れた。

そして、何も長続きがしなかった私が、安室さんのことを綴ったブログを7年間続けられることができた。ライブレポも最新ニュースも一度も欠かさずにブログに記していった。コンテンツが増えるにつれてアクセス解析をして導線を増やすなど日々PDCAを回しながら改善を行い、気づけばブログのアクセスが月間15万PVやTwitterのフォロワーが1.3万ほどに成長していった。

昔から持ち合わせていた好奇心・探究心を膨らませながら安室さんのことを見て・調べて・書いてを繰り返し、時間をかけて書いていったブログは多くの人に見てもらえるようにもなり、初めて人に認められたように思え、大嫌いだった自分自身を徐々に好きになっていくのを感じた。

引退までの1年間:声が好きだからFinallyを聴き続けた

安室さんの歌声が物凄く好きで声だけ抽出してアカペラを作ってしまうほど。
最後に発売されたアルバム「Finally」は昔の楽曲を全て歌い直し+新曲6曲が収録されており、アルバムと同タイトルである「Finally」は引退と大きく紐づく楽曲であり歌詞がそれを物語っている。

Finally, I can stop dreaming
願い続けた日が
ついに今スタートを切ったの
Finally, I can stop wishing
モノクロの世界が
この瞬間 色づいてゆく

今ここに立つステージで
新しいストーリーが始まる

安室奈美恵 Finally 歌詞

「I can stop dreaming」夢を見ることをやめることができる。いわば夢は叶い、そして新しい道へ進んでゆくと宣言をした。

安室さんは、この曲を作るにあたり「曲だけ聴くと切ない感じだけれども、切ないものに引きづられるのではなく前向きな明るい楽曲にしたい」と話していたけれど、一体どうやってこれを前向きで聴けるようになるというのだ。初めて聴いたとき、動悸がして涙が止まらなくて頭が痛くて、ほんとに、安室さんはいなくなってしまうと嗚咽が出るほどに泣いてしまった。

でもそれと同時に、この声が今までで一番好きなこともわかってしまった。悲しくて聴けない、でも声が好き。こんな矛盾をずっと抱えるなんて耐えられない。だから泣かなくなるまでずっと聴こうと決めた。何度も何度も繰り返し聴くことで悲しみ緩和し声に集中して聴けるようになるまでどれぐらいかかったのだろうか。発売されてから4か月後、ライブで初めて聴いたとき一度だけ涙したり、たまに安室さんのことを思い出して涙出そうになることはあっても当時の動揺はもうない。

安室さんの声の聴き比べが大好きな私は、幸いなことに最後のツアー映像は全都市(東京x2・大阪・名古屋・福岡・北海道)分を発売してくれたから、CD音源+ライブ音源6つを聴き比べて、どの公演のFinallyか言い当てることができるまでになった。

引退までの1年間:旅に出た

安室さんのファンのになってからたくさんの旅行し、たくさんの出会いをした。
だから最後に、各地で行われる衣装展を見に行き、ファン友だちに会い行こうと決めた。平成最後の夏休みに平成の歌姫を巡る私のファイナルツアー。

安室さんのファンになる前から旅が好きで、特に移動が好き。目的地に到着してしまうのがもったいない。
ファンになってから各地へライブに行くことが毎回楽しみで、ライブ日程が発表されるとどこへ遠征へ行くか、どうやって行くかを考えるところからツアーはスタートしていた。ただ、使ってるブログシステムbloggerはスマホでの更新が非常に使いにくい。それを解消したくて久しぶりにnoteを使って旅日記を書いていくことにした。

引退までの1年間:沖縄旅は母と一緒

引退日は沖縄で迎えよう。引退日の詳細が出る前に決めた。
家にいたらそわそわしてしまい、何も手が付けられなくなりインターネットやテレビばかりになるのだけは避けたかった。

そして、沖縄へは母と一緒に行った。
安室さんが引退を発表する半年ぐらいまえに兄が亡くなり、20年近く別々で暮らしていた母と同居をしはじめていた。沖縄に一度は行ってみたいと話していた母に親孝行もできるし、一緒にいれば悲しみに暮れすぎずに過ごせるという一石二鳥感。

一緒に旅行だなんて5年ぶりで、いろいろなところに行けてとても楽しかった。引退日の花火も一緒に見るはずだったけれど、体調を崩してしまったので花火は一人で見ることになった。

引退までの1年間:引退日前夜のラストライブ

引退日前夜の9月15日。ラストライブが行われると直前に発表されたけれど、私は行くことができなかった。ライブ中は音漏れをしている人たちのツイートを見ながら宿で過ごした。

思っていた以上に寂しさはなく、行きたかったという気持ちもなかった。最後のツアーの最終日に行けたことと、もう何があっても取り乱したくないという強い意志がそうさせたのかも知れない。

でも、引退から1年後のつい最近、ラストライブに行けた友だちと話をしていたとき不意に涙がこみ上げてきて「私だってライブに行きたかった。こんなに好きになのになんで行けなかったんだ!」と号泣した。自分でもびっくりした。もしかしたら私は、諦めの境地の悲しみに触れると無自覚に強固な蓋をして感情を封印してしまうのかもしれないと気が付いた。いきなり号泣してしまったので友達たちにはやや申し訳なく思ったけれど、この気持ちを引退前に発動しなくてほんと良かった。

引退日、2018年9月16日

午前中、母とアメリカンビレッジに行って海に行った。浜辺を裸足で一緒に歩くだなんてきっと子供のころぶりだ。危ないから手をつないであげたりして、昔はとはまるで逆。

夕方近くに花火会場の宜野湾海浜公園へ。

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会場に入ったら物凄い人でどこに座るか考えていたら、

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気づいたら一番前まで来ていた。
前過ぎてどう見えるのか皆目見当もつかなかったけれど、花火の全容はHuluで放送されるから、でっかく安室さんの声を堪能しようとスピーカーの前に座った。

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思っていた以上に花火の全容がさっぱりわからない位置だった。

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でも、星雲を見ているかのような景色が広がることもあったり、何よりも身体中で安室さんの声を体感できたことが、声が好きな私にとってもっとも「私らしい」日だった。

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人生の分岐点

私は、安室さんのファンになったことで人生が変わった。

多くの人に出会えたこと。
旅行へたくさん行けたこと。
見る・調べる・書くを掘り下げれたこと。
好奇心・探究心を開花できたこと。
書いた文章を多くの人に読んでもらえたこと。
嫌いだった自分を好きになれたこと。
自分自身を見つめられたこと。

安室さんから学んだことのなかでもっとも影響を与えてくれたのが継続する力と、今を生きること。

安室さんは生涯通算716公演もライブを遂行し、その間体調を壊すことはあったものの、中止したのは2回のみ。1年ごとにツアーは行われ、1ツアーで多い時は100公演をこなす安室さんのライブは2時間ノンストップで行われる。

そんなスケジュールを25年間も行えている所以はなんなのかと考えたときに、それは毎日毎日、目の前のことをひとつひとつきちんとこなして生きているからであり、日々の積み重ねでしかこのステージは完成されないという実感だった。ライブを行うためだけに、安室さんはきっといま目の前にことに日々集中しているのだということを感じた。

そんな安室さんを見て、同じことを、同じ人にはなれないけれど、でも安室さんのようになりたいと思った。ファンになった当初、安室さんの強さを知りたいと思ったように、過去でも未来でもなく、今をちゃんと見て生きれるようになりたいと思い続けた。上手くできているかまだわからないけれど、でも安室さんのファンになる前よりはずっと今を生きている実感がある。多分、たくさんの文章を書いたブログがその後押しをしてくれたと思う。

自分の人生を取り戻す

引退をしてしまう悲しみの反面、安室さんが引退発表をしなければ、自分にとっての安室さんについての深掘りを強くしなかったかもしれない。もしあのとき引退せずにい続けたとしたら、ずっと安室さんという存在に引っ張られ、新しい情報・楽曲が発表される度に右往左往し、自分の人生に対して心底考えること先延ばしにしていたかもしれない。

安室さんは人生を変えてくれたけど、でも安室さんに引っ張られる人生も歩みたくない。引退を通して私を新たな道へと進ませてくれる。そんな気持ちを確固としていった。

引退後1年が経過した今、相変わらず毎日安室さんの音楽を聴いているし、生きる指標として私の傍らに安室さんはいつもいる。

安室さんは最後のツアーでこんな言葉を残している。

いち音楽ファンとして皆さんの素晴らしい毎日の中に、素晴らしい音楽が常にあふれているよう、心からそう願っています。これからもすてきな音楽にたくさん、たくさんぜひ出会ってください。25年間、ありがとうございました。

この言葉にアンサーを返して、#いまから推しのアーティスト語らせて の文章を終えようと思う。

私の素晴らしい毎日の中に、素晴らしい音楽の一部として安室さんの音楽が常に溢れています。これからも素敵な安室さんの音楽に触れてたくさんたくさん新しい気持ちに出会っていきます。ファンになって10年、いままでありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたサポートをどのように活用できるかまだわからないです・・・。決まるまで置いておこうと思います。