見出し画像

名作家具@1「アントチェア」

毎日のくつろぎや仕事、食事の時間に欠かせない椅子。
その存在は単なる座るためのものではなく、私たちの生活に深く関わっています。
長く愛される名作椅子の中から1つ取り上げ、紹介していこうと思います。
 
デザインの成り立ちや、どんな人物が考えたのかを知ると、
その椅子に込められた思いを理解でき、椅子選びがさらに楽しくなるはずです。
この記事が皆さんの家具選びの参考になれと嬉しいです。


今回は アルネ・ヤコブセン(Arme Jacobsen)作

「アントチェア」

についてです。


アントチェア

アントチェア3101 アッシュ、ブラック


制作年:1952年
デザイン:アルネ・ヤコブセン(Arme Jacobsen)
制作:フリッツ・ハンセン
重量:3.4kg
H:810mm
SH:460mm 
W:520mm
D:480mm


「アントチェア」は元々、ヤコブセン自身が設計したコペンハーゲンの製薬会社、ノボ・ノルディスク社の社員食堂用にデザインされた椅子です。
9層の薄い板で構成された成形合板を用いて、
座と背を一体型として作られた初めての椅子。
背もたれの特徴的なくびれたフォルムがまるで蟻(アント)のようだ、ということから「アントチェア」と呼ばれるようになりました。
日本ではしばしば「アリンコチェア」と呼ばれることもあります。
現在、3本脚と4本脚の2種類のタイプがありますが
当初は3本の脚部と、座った人の脚の5点で安定感のある座り心地を実現するという、コンセプトのデザイでした。より安定感の高い4本脚のモデルも限定的に販売されていましたが、ヤコブセンが亡くなった後の1971年から通常販売されるようになりました。

3本脚モデル
4本脚モデル

ミニマルな形・素材によって構成された美しいフォルムで今なお世界中で愛されている、デンマークを代表する家具となっています。



アルネ・ヤコブセン(Arme Jacobsen)

1902年、デンマーク・コペンハーゲン生まれの建築家。
コペンハーゲン工芸学校、デンマーク王立美術学院でデザイン・建築を学びました。
卒業後は、オーフス市庁舎、SASロイヤルホテル等、数々の設計を手がけました。
建物だけでなく、家具・照明器具・カトラリー・ファブリックなどまで
トータルデザインを手掛け、「アントチェア」「エッグチェア」
「スワンチェア」など多くのプロダクトデザインも。
ヤコブセンの生み出したデザインは今日でも人々に愛され、
北欧モダニズムの祖とも言われています。


フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)

1872年、デンマークの家具職人フリッツ・ハンセンが開いた家具パーツの下請け工房が始まり。1885年に家具制作会社を立ち上げ現在まで多くのデザイナーとともに、数々の名作家具を世に送り出しています。


終わりに

今回は「アントチェア」をご紹介しました。
ただ美しいな~と思うだけでなく、どんな人がデザインしたのかを知ることで家具選びはさらに楽しくなるはずです。
これを機に、自分の好みに合った理想の椅子を見つけ、日常のくつろぎや仕事の時間をより良いものにしていただければ幸いです。





よろしければサポートをお願いします!