楽天の小兵が延長戦を制する犠牲フライを打ち上げ、今江監督に初勝利を捧げました。
　今回は、3月31日に行われた公式戦6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。

楽天対西武戦

楽天モバイルパーク宮城

13:00プレイボール

スコア　楽天4×-3西武

スタメン
楽天　　　　　　　　西武
１　一　茂木　　　　１　中　金子
２　二　小深田大翔　２　左　コルデロ
３　右　小郷　　　　３　二　外崎
４　三　浅村　　　　４　一　アギラー
５　指　島内宏　　　５　指　栗山
６　左　阿部寿　　　６　三　ブランドン
７　中　辰己　　　　７　右　若林楽
８　捕　石原彪　　　８　捕　炭谷
９　遊　村林　　　　９　遊　源田
　　投　内　　　　　　　投　松本航

　楽天は内、西武は松本航と共に右腕が今季初先発します。

　試合が動いたのは3回。まず西武が二死から四球、ヒットで一、二塁のチャンスを作ると、この日もコルデロにタイムリーが飛び出し1点を先制。
　さらに次打者・外崎もレフトへのヒットで続くと阿部寿が打球を後逸。この間にランナーが2人帰り、0-3と3点のリードに成功します。

　しかし、直後の3回裏。こちらは二連打で無死一、二塁のチャンスを作ると、小深田大翔がセンターへタイムリーを放ち1点を返します。
　すると、なおも二死になりながらもランナーフルベースで先ほどエラーの阿部寿。2球目を弾き返すと、これが二遊間を抜ける2点タイムリーになります。自身のミスを帳消しにする同点打ですぐさま3-3と試合を振り出しに戻しました。

　その後は松本航が5回3失点、内が6回3失点で降板し、1イニング交代の中継ぎ勝負に。9回では決着がつかず、パリーグでは今シーズン初めての延長戦に入ります。

　雌雄が決したのは11回裏。楽天の先頭・石原彪が四球を決めると、村林が送りバント、茂木がヒットで繋ぎ一死一、三塁に。
　サヨナラのチャンスで、打席にはこの日タイムリーを放っている小深田大翔。3球目でした。外に逃げるシンカーを高く打ち上げると、打球は前進守備のレフトがほぼ動かずに捕れるフライに。三塁ランナーは代走の辰見。金子が捕った瞬間にかけっこがスタート。いいボールが返ってきましたが、若干一塁側に逸れたところを辰見はヘッドスライディング。見事ホームインを決め、試合が終了。楽天がサヨナラ犠牲フライで今季初勝利を挙げました。今江監督は試合後、

　と総括。"ファミリー野球"で前へ進みます。

勝利投手：渡辺翔太（1勝）
敗戦投手：糸川亮太（1敗）

投手リレー
西武：松本航－隅田－佐藤隼－本田圭－アブレイユ－水上由－糸川
楽天：内－酒居－ターリー－則本－宋家豪－渡辺翔

オリックス対ソフトバンク戦

京セラドーム大阪

13:00プレイボール

スコア　オリックス2-5ソフトバンク

スタメン
オリックス　　　　　ソフトバンク
１　二　太田椋　　　１　中　周東
２　中　渡部遼　　　２　遊　今宮
３　左　西川龍　　　３　右　柳田
４　指　セデーニョ　４　一　山川
５　捕　森友　　　　５　左　近藤健
６　一　頓宮　　　　６　三　栗原
７　三　宗　　　　　７　左　ウォーカー
８　右　杉本　　　　８　二　牧原大
９　遊　紅林　　　　９　捕　海野
　　投　田嶋　　　　　　投　スチュワートJr.

　オリックスは左腕の田嶋、ソフトバンクは右投外国人のスチュワートＪｒ．が先発します。

　ストレート主体で攻める田嶋と、変化球主軸に組み立てるスチュワートＪｒ．。異なるタイプの投球をする両者の我慢比べは4回まで続きました。
　先に点を取ったのはソフトバンク。5回一死走者無しでウォーカーが打席に入ると、田嶋のど真ん中に来たストレートを一閃。高く打球はセンターが見上げるだけになり、ソロホームランで先制。

　と、笑顔で振り返った新助っ人でした。

　オリックスもすかさず反撃。1点を先制された直後の5回裏に連続四球で無死一、三塁のチャンスを作ると、宗の犠牲フライで同点に。
　さらに8回にはソフトバンク・藤井皓から宗が四球を選ぶと、続く杉本が4球目を捉えライトへタイムリーツーベースを放ち、追加点を挙げました。

　しかし、それをソフトバンクの強力打線が上回りました。まだ1-1だった7回に一死一塁から栗原、ウォーカーの連続タイムリーで2点を勝ち越すと、8回には一塁ランナー・周東が快足を飛ばして長駆ホームイン。今宮のツーベースに打点をつけます。
　裏の守備では1点を失い2-4と詰め寄られましたが、9回には栗原の犠牲フライでダメ押し。最後はＲ．オスナが3人で攻撃を断ち切り、ソフトバンクが2-5で勝利。開幕カード勝ち越しに成功しています。

勝利投手：津森宥紀（1勝）
敗戦投手：小木田敦也（1敗）
セーブ：Ｒ．オスナ（2Ｓ）
本塁打
ソフトバンク：ウォーカー1号ソロ

投手リレー
ソフトバンク：スチュワートＪｒ．－津森－松本裕－藤井皓－Ｒ．オスナ
オリックス：田嶋－吉田輝－小木田－山田修－髙島

ヤクルト対中日戦

明治神宮野球場

13:30プレイボール

スコア　ヤクルト5-2中日

スタメン
ヤクルト　　　　　　中日
１　中　塩見　　　　１　左　カリステ
２　右　西川遥　　　２　中　上林
３　一　Ｊ．オスナ　３　右　細川成
４　三　村上宗　　　４　一　中田翔
５　左　サンタナ　　５　三　高橋周
６　二　武岡　　　　６　二　田中幹
７　捕　中村悠　　　７　捕　宇佐見
８　遊　長岡　　　　８　遊　Ｃ．ロドリゲス
９　投　ヤフーレ　　９　投　メヒア

　ヤクルトは来日初先発のヤフーレ、中日は来日2年目のメヒアが先発します。

　中日は試合開始直後にリクエスト権を使い切ってしまう珍事。1回裏一死で西川遥が叩きつけた打球がセカンドへの内野安打となると、これを立浪監督はリクエスト。しかし、判定変わらずセーフで試合続行となりました。
　さらに、そのすぐ後の村上宗のファーストへの内野安打は選手からのアピールもあり、指揮官は両手をまたも四角く描きます。しかしこれもリクエスト失敗となり、試合開始から1つアウト取っただけでリクエストが消滅しました。

　イレギュラーなことが起こりながらも、初回から一死満塁のチャンスを得たヤクルト。これを活かしサンタナがライト前に先制タイムリーを落とすと、中村悠も2点タイムリーで続き、3-0と主導権を握りました。
　援護を得た先発・ヤフーレは、オープン戦で慣れた神宮で好投。3回まで無失点ピッチングを続けると、4回に中田翔から被弾したものの、最小失点に防ぎます。6回の無死満塁のピンチも1失点で凌ぎ、6回2失点で降板した右腕。後に託します。

　ヤフーレから2点を返した中日ですが、5回に塩見にソロホームランを打たれると、4-2で迎えた7回にも二死三塁から西川遥にこの日2本目の内野安打を許し5失点目。
　8、9回はランナーこそ出したものの、清水昇と星の前に点を追加することは叶わず。5-2でヤクルトが勝利し、2勝1分と開幕カードを負け無しで乗り切りました。また、ヤフーレは6回6安打、4奪三振、2失点で来日初勝利。

　と、最後には日本語で挨拶しながらファンへ感謝を伝えた"ペコちゃん"でした。

勝利投手：ヤフーレ（1勝）
敗戦投手：メヒア（1敗）
セーブ：星知弥（1Ｓ）
本塁打
中日：中田翔2号ソロ
ヤクルト：塩見泰隆1号ソロ

投手リレー
中日：メヒア－祖父江－橋本侑－梅野雄
ヤクルト：ヤフーレ－石山－清水昇－星

巨人対阪神戦

東京ドーム

14:00プレイボール

スコア　巨人0-5阪神

スタメン
巨人　　　　　　　阪神
１　中　佐々木俊　１　中　近本
２　遊　門脇　　　２　二　中野
３　左　長野　　　３　右　森下翔
４　一　岡本和　　４　一　大山
５　三　坂本勇人　５　三　佐藤輝
６　捕　大城卓　　６　左　前川
７　右　丸　　　　７　捕　梅野隆
８　二　吉川尚　　８　遊　木浪
９　投　高橋礼　　９　投　才木浩

　巨人は高橋礼が移籍後初先発、阪神は才木浩が先発します。

　地面スレスレから独特の球筋を描く高橋礼と、2階から叩きつけるように投げ下ろす才木浩。毛色の異なる投手同士の対決は、結論から言えば決着つかず終わりました。
巨人・高橋礼は四球こそ2つありましたが、打たれたヒットは梅野隆からの1本のみ。6回1安打、1奪三振、2四球、無失点で交代となりました。
　一方、阪神・才木浩は3、4、6回にピンチを招きながらも全て退ける粘り強いピッチング披露。特に3、4回はランナーを全ての塁に置きましたが、それでも失点せず、6回4安打、3奪三振、5四球、無失点で御役御免となりました。

　ここまで無失点で来ているとはいえ、開幕からまだ1点も入っていない阪神。ベンチには暗いムードが漂っていました。しかし、そんな雰囲気もぶち壊す快音がドームにこだましました。
　0-0で迎えた8回表、阪神は中川皓から2本のヒットで二死一、三塁のチャンスを作ります。ここで打席には森下翔。その初球でした。外に逃げるシュートを引っ張ると、打球は左中間スタンド最前列に飛び込む先制スリーランに。

　と、若虎は笑顔で胸を張りました。

　阪神は勢いに乗り、9回にも小幡のソロホームランなどで2点を追加。0-5とリードを広げると、9回は岩崎がわずか8球で3つアウトを取り試合終了。
阪神が開幕26イニングス目で初めて得点を取り、巨人に完封勝ちしました。

勝利投手：桐敷拓馬（1勝）
敗戦投手：中川皓太（1敗）
本塁打
阪神：森下翔太1号スリーラン
　　　小幡竜平1号ソロ

投手リレー
阪神：才木浩－桐敷－ゲラ－岩崎
巨人：高橋礼－バルドナード－中川皓－ケラー－松井颯

DeNA対広島戦

横浜スタジアム

14:00プレイボール

スコア　DeNA1-5広島

スタメン
ＤｅＮＡ　　　　　　　広島
１　右　度会　　　　　１　中　野間
２　一　オースティン　２　三　田中広
３　左　佐野恵　　　　３　遊　小園海
４　二　牧　　　　　　４　一　堂林
５　三　宮﨑　　　　　５　左　秋山翔
６　中　梶原　　　　　６　捕　坂倉
７　捕　伊藤光　　　　７　右　田村俊
８　遊　石上　　　　　８　二　菊池
９　投　大貫　　　　　９　投　アドゥワ

　DeNAは大貫、広島はアドゥワと右腕同士が今季初先発での対戦となりました。

　先制したのはDeNA。初回から長打と四球で二死一、三塁のチャンスを作ると、5番・宮﨑が外角のボールを上手く流し、一、二塁間を抜けるタイムリーツーベースに。しかし、その後なおも満塁のチャンスがありましたが、さらなる追加点はありませんでした。

　しかし、三連敗はなんとしても避けたい広島。あのベテランが動きます。2回に無死二、三塁のチャンスから田村俊の内野ゴロで同点に追いつくと、1-1で迎えた3回表でした。
　一死走者無しで打席に入ったのは田中広。その初球。大貫の真ん中に入ったストレートを高く打ち上げると、打球は勢いそのままにライトスタンドへの勝ち越しソロホームランに。1-2とこれで広島がリードする展開になります。

　援護をもらえた先発のアドゥワは、初回以降しっかりと修正。毎回先頭を抑える安定した投球を見せ、5回3安打、1奪三振、4四死球（うち死球2）、1失点で降板。

　と冷静に話した右腕でした。
　その後両チーム共に得点がありませんでしたが、8回に広島が一死一、二塁のチャンスを作ると、堂林のレフト前ヒットを皮切りにDeNAが芋蔓式エラー。送球ミスが2つ重なり、広島がラッキーな形で2点を追加すると、坂倉にも打点が生まれこれで1-5に。9回は栗林が無失点に抑え、広島が今季初勝利を挙げました。

勝利投手：アドゥワ誠（1勝）
敗戦投手：大貫晋一（1敗）
本塁打
広島：田中広輔1号ソロ

投手リレー
広島：アドゥワ－益田武－矢崎－島内颯－栗林
DeNA：大貫－ウィック－上茶谷－石川達

ロッテ対日本ハム戦

ＺＯＺＯマリンスタジアム

14:00プレイボール

スコア　ロッテ2-3日本ハム

スタメン
ロッテ　　　　　　日本ハム
１　二　藤岡　　　１　左　スティーブンソン
２　指　ソト　　　２　中　松本剛
３　左　ポランコ　３　右　万波
４　右　山口航　　４　一　Ａ．マルティネス
５　一　安田　　　５　三　郡司
６　遊　茶谷　　　６　指　レイエス
７　三　中村奨吾　７　捕　田宮
８　捕　佐藤都　　８　遊　水野
９　中　和田康　　９　二　細川凌
　　投　佐々木朗　　　投　上原

　ロッテは右の佐々木朗、日本ハムは左の上原が今季初先発します。

　序盤はロッテのペースで進行。3回に一死一、三塁のチャンスを作り、山口航のショートへの内野安打に悪送球が重なって1点を先制したロッテは、4回にも二連打で無死一、三塁のチャンスを作り、和田康のレフトへの犠牲フライで1点を追加。2-0とリードを広げます。

　しかし、日本ハムも黙ってばかりではありません。相手先発の佐々木朗に4回まで無得点と攻めあぐねていましたが、5回には水野、細川凌の連続ヒットで無死一、三塁とチャンスメーク。
　ここで打順は1番に還りスティーブンソンだったのですが、彼の打球はセカンドへのゴロに。4-6-3のダブルプレーとなってしまいましたが、その間に三塁ランナーを還し、なんとか1点差に迫ります。

　そして、9回表にミラクルを起こします。幕張の守護神・益田直に対し先頭の郡司が倒れた日本ハムでしたが、レイエスが選び一死一塁に。代走に五十幡が送られると、打席には田宮。2球目を打ち上げた打球は右中間への平凡なフライとなりましたが、ここで和田康と山口航が交錯。ボールが転々と転がる間に五十幡は一気に三塁も周り、同点のタイムリースリーベースとなりました。
　なおも勝ち越しのチャンスで水野。今度は3球目を捉えると、これがライト前への勝ち越しタイムリーに。この日3安打1打点と絶好調だった水野は、

　とプロ初猛打賞の喜びを噛み締めました。
　2-3と逆転に成功した日本ハムは、9回裏を田中正が無失点に抑え試合終了。若手の努力が実った逆転勝利で、日本ハムが4年ぶりの開幕カード勝ち越しです。

勝利投手：北浦竜次（1勝）
敗戦投手：益田直也（1敗1Ｓ）
セーブ：田中正義（1Ｓ）

投手リレー
日本ハム：上原－杉浦－河野竜－マーフィー－北浦－田中正
ロッテ：佐々木朗－澤田－西村天－澤村－益田直

まとめ

　これで、まずプロ野球最初の三連戦が終了しました。勝ち越したチーム、負け越したチーム、まだ勝てていないチームとありますが、なんにせよやはり野球が始まると生活全体に熱が入りますよね。
　月曜日を挟み、火曜日からまた一週間が始まります。この一週間を勝ち続け、開幕ダッシュに成功するチームは現れるのでしょうか。
　最後までお読みいただきありがとうございました。

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