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小さな怪獣くん

小さな怪獣くんは、わたしの大好きな1人の友達のために描いた絵本です。

会話をしなくても大体、表情や空気感でお互いのことがわかる...ような気がする不思議な子です。

私達の出会いから一年間の思い出を振り返って、これからもいっしょにいて欲しいなという想いを伝えるために描きました。

だから、私達2人以外の人には伝わらないような世界やモノや色でできている物語なので、読んでくださるみなさんには、伝わりづらいところもあるかもしれません。


どうか、温かく眺め読んでくださると嬉しいです。



小さな怪獣くん

作・え やまのぼり


小さな怪獣くんは、海と山に囲まれた小さなお部屋に1人で住んでいました。


小さなお部屋は小さな怪獣くんにとって自分だけの小さなお城のようでした。


好きな時間に目覚め、好きなことを楽しみ、眠くなったら眠ります。

誰もジャマしない自分だけのお城でした。


ある日、小さなお部屋にお客さんが訪ねてきました。


いつも1人の小さなお部屋にお客さんをいれるのはなんだか不思議な気持ちがしました。

どうやら新しいお隣さんのようです。


それからよくお隣さんは、小さな怪獣くんのところにおみやげを持って遊びにくるようになりました。


おみやげは、あま~いレンゲの花のはちみつだったり、小さな怪獣くんにぴったりのかわいらしいスプーンだったり、鉄でできたセミの抜け殻だったりしました。


お隣さんがくれたおみやげとふたりで過ごした思い出は、いつしか小さなお部屋に入りきらなくなってしまいました。


そこで、小さな怪獣くんはもっと大きなお家に引っこすことにしました。

新しいお家はお部屋が広くて、小さな怪獣くんは自分のお城が大きくなったようで誇らしく思いました。

でも...


引っこしをしたせいで、お隣さんの家から遠くなり、お隣さんはあまり遊びに来れなくなってしまいました。

大きなお城にひとりぼっちでちっとも楽しくありません。


小さな怪獣くんは、考えて考えて考えた末に、とても良いことを思いつきました。


まずは、遠く離れてしまったお隣さんのところへ訪ねます。
そしてそれから...





おしまい

いつもありがとう。


▼こけしちゃんと小さな怪獣くんの日々
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