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電子書籍の真価を発揮させるプラットフォームをつくる

実現させるためには、具体的にいま仕掛けていることで結果を出して次の展望を示していくこと、協力関係者を増やすために発信して対話を積み上げることの2つですが、なぜこう考えているのか、これまでの経緯をまとめてみました。

転換点は昨年の3月のこと

昨年10月に着手した2大取次口座の開設を1年がかりで完了しました。

その前年、2019年10月にデジタル出版した『ミーニング・ノート』を、直販で書店販売しようと、その契機となる直取引をしてくれた東京、大阪の大型書店でのイベント準備中の昨年3月、開催目前に緊急事態宣言となって頓挫してしまいました。

そういった経緯から、直接書店に行けないなら、元からあるものを使えばいいと一念発起して取次口座を開設しました。よって金風舎の取次口座開設の申請書には「デジタル出版で作った本を全国の書店に配本するため」としました。

冒頭で1年がかりとお伝えしたとおり、一筋縄にいかなかった口座開設ですが、おかげでプロダクションとして企画制作とデジタル化の観点でしか見えてなかった出版について、新たに出版界を俯瞰できる視点と今後を考える時間を得られ、これからやるべきことが2つわかりました。

「デジタル出版」はプロダクション事業の延長線で

1つは個々の商品に対して考え抜いたロングセラー戦略が必要なこと、もう1つは「商業出版」といわれている出版の未来像です。前者は金風舎の企画として、後者はデジカルの「デジタル出版サービス」としてビジネス展開できると考えています。

しかし、開設作業で中断していた電子書籍企画を再始動するため、いろいろな方と対話をしているうちに、一口にデジタル出版といっても、その中核となる電子書籍がもつ潜在的な力を発揮させられていないのではと感じてきました。

電子書籍からデジタル出版へ進化させ、さらに紙の本に振り切って仕事をしていたら、電子書籍の新たな地平線が見えてきたといった不思議な感覚ですね。デジタルは真剣に考えていたつもりでしたが、プロダクション事業を長くやっているうちに固定概念ができていたようです。

電子書籍が持っている潜在的な価値を伝えるために

電子書籍の真価を発揮させるプラットフォームとしては、すでに1つ事業を立ち上げています。

実は導入を検討している関係者の声を聞いていて、電子書籍の価値がまったく伝わっていないなぁと感じていました。

伝わっていない理由はたくさんありますが、まず読んだことがない、どう読めばいいかわからない、そしてどうやって作ればいいのかわからないし、今ある実際の紙の本とどう関係性をつくればいいのかもわからない。

わからないだらけですが、とにかく「作って使ってもらう(読んでもらう)」しかないと考えています。

そして、そもそも電子書籍をつくる側で、それを体現できてないじゃないかと、ここにビジネスチャンスが大きく残っていると考えています。

これから取り組むこと

ようやく本題ですが、取次口座開設に合わせて突貫工事でつくった金風舎のウェブサイトや企業理念を変える必要があります。

「伝えたいことを読まれるものに」
金風舎は、「読まれる本をつくる」をモットーに、現役世代にとって面白く役立つ本を、プリント・オン・デマンド版や電子書籍版として出版しています。「伝えたいことを読まれるもの」とするため、ウェブサイトの展開も同時に行い、効果的な情報発信に取り組んでいます。

前述のとおり、デジタル出版はプロダクション事業の延長線にあるものなので、本来メーカーである出版社として、何を作るのか?から問い直しています。

課題は「創って、作って、売る」を実現する場をつくることと、これらを実現する人々、著者、読者、制作者、経営者を集めること、そしてその関係性の構築です。

と、論理的に考えて答えを出すのは簡単です。

問題はこれを細部に渡って実現することですね。実現には時間が必要ですが、とにかく「電子書籍でもっと面白いことができるはず」なので、楽しくやりたいと思っています。

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