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月刊瀧リニューアル!記念すべき初回のテーマは「2019年、Fintechこの話題に注目!」

こんにちは。マネーフォワードで採用PRを担当している  #やる気 #元気 #大崎です。

昨年、Wantedlyで年間を通じて連載していた「月刊瀧」。巷のFintechニュースを当社取締役 兼 Fintech研究所長の瀧さんが解説し、時にはゲストをお招きしてFintechにまつわる対談をお届けしてきました。
2019年は心機一転、リニューアルします!!!どうリニューアルするかというと・・・

・より多くの方に読んでいただくため、Wantedlyからnoteへ掲載場所を移しました!
・リニューアルしたことをタイトルからでも知っていただくため、「月刊瀧」から「教えて瀧さん!」へ変更しました!
・今後の発信内容は、①Fintechニュースをわかりやすく解説する回②ゲストをお招きしてより専門的な話をする回、という2種類に分けてお届けします。

というわけで、リニューアル後の記念すべき初回は、「2019年、Fintechこの話題に注目!」というテーマでお送りします!
※対談は2019年1月末に行いました。

○○pay戦国時代。2019年、キャッシュレスはどうなる?

大崎:瀧さん、心機一転よろしくお願いします!

:やる気さん、よろしくお願いします。

(大崎改め)やる気:あだ名のほうで呼ぶんですね。(笑)

:その方が覚えてもらいやすいですからね。さて、用意いただいたトピック1つ目。「2019年、キャッシュレスどうなる?」について。
そういえば、やる気さんも、年末の月刊瀧でいろいろ使い始めたって言ってましたよね?

やる気:KyashとLINE PayとPayPay、今3つ使ってます。ただ、世の中にこれだけ〇〇payが溢れてきているので、今後はどうなるのかな?と思いまして。

:そういえば今週は同じようなことをたくさん聞かれましたね。実を言うと、個人的にはその答えはあんまり明確にないんですよ。たくさん〇〇payは登場したけど、各店舗で使える種類は違いますよね。そのため、競争が激しく働いているわけではないんです。新しく出てくる〇〇payを使うにしても、日本の場合だと、専用アプリをダウンロードしなくちゃいけないことも多く、ハードルが高いですよね。

この観点で考えると、LINE Payは、普段使っているLINEというアプリ上から使えるので、一番有力な選択肢になってるはずです。WeChatPay(微信支付)が中国ですごく流行ったのも、LINEのように、みんながWeChat上で何でもやり慣れているからこそ、スムーズに浸透したんですね。

やる気:なるほど。

:もう1つLINEが凄いなと思っているのは、「ちょっと面倒だな」って思うようなところまでもカバーできるようになっているんですね。税金や公共料金をLINE Payで支払える自治体が出てきたり、福岡市では、LINE上で粗大ゴミの手続きができるようになっています。

やる気:それは便利ですね。家族にも勧めやすいです。

:そういえば、QRコード決済って体験されました?あれって面倒じゃなかったですか?

やる気:思ったよりスムーズにいかなかったです。

:ですよね。最近多くの専門家が言うようになりましたが、QRコード決済って長続きはしない技術だと考えています。QRコード決済をひとまず導入しましたという会社は、「うまく決済できなくて、結局現金払いする人」や「使い方に戸惑う人でレジに列ができる」という問題が、いずれは出てきます。小売だと、対応できる顧客数が大きく変わってくるので、大問題になりうるんですよ。

QRコード決済は、お店の人が「電子決済っていうのはこういうものなんだね」という学習をする手段としては重要ですが、導入後にレジの混雑等を経験して、いずれは別の決済手段へ変えるのかもしれません。

一番非現実的な例えを言えば、これから山手線がQRコード決済になるなんて想像つかないじゃないですか。というのも、日本はすでに投資が進んでいる国だから。となると、やはり非接触端末、例えばピッとタッチして決済できるFeliCa(※1)を初めとするNFC(※2) 勢が好まれていくのだろうなって。

※1 FeliCa:NFCの規格を元にSONYが開発したもの。NFCに比べ、通信速度が非常に早く、日本で非常に普及している。導入例:Suica、Edy。
※2 NFC:Near Field Communicationの略。かざすだけでほんの数センチの距離で通信できる、近距離無線通信規格のこと。

今年日本で開催されるラグビーW杯や、来年開催の東京オリンピックでも、おそらくSuicaとクレジットカードが多く使われると思います。

やる気:2019年度に注目されるイベントという観点では、今年10月に消費増税が予定されています。キャッシュレスだと得するかもしれないというニュースを見ましたが、詳しく知りたいです!

:中小の小売店での買い物に限定して、ポイント還元をしようという話が出ています。小さい店舗でクレジットカード払いをすると、お得になる。2~5%ぐらいポイントが還元されて、国がその還元分を負担するという話です。詳しく見ると、こんな感じです。

・増税から9ヶ月間のみの期間限定
・中小小売店に限る
・予算は2,798億円の見込み

最大5%が還元される前提とすると、6兆円の消費に対してポイントが還元されるイメージです。 予算が2,798億円ということは、キャッチーな表現をすれば、PayPayの約30倍だと思えばいいですよね。(笑)

やる気:イメージつきました。(笑)僕は直近でPayPayのキャッシュバックを経験しているので、キャッシュレスの方が得しそうだなと思います。また、似たような政策では、エコポイント制度を思い出しました。あのときは家族含めてみんな家電を買ったり、消費が刺激されたことを思い出します。

:そうなんですよね。実は「人間は何%キャッシュバックされると行動が変わるのか」という大きな話が、ここにはあります。PayPayは20%に加えて、たまに全額キャッシュバック。あれは人を動かしました。

この施策によって刺激したい消費は何か、というのが本質的に重要です。いずれ買い換える冷蔵庫だったのか、飲み会などを無駄に一回やるようになるのか、それとも贅沢品を買うのか。

僕は体感でいうと、「10%キャッシュバック」が人を動かす閾値じゃないかなと思います。一割引き、というあくまで感覚ですが、それだと少なからず値引いてる印象がでるな、と。3%や5%の効果って、そういう意味ではちょっと分からないのですよね。

また、お店の側には「益税問題」というものが考え方にあるんですが、ご存じですか?

やる気:「益税問題」、初めて聞きました。

:簡単に言うと、消費税額を合法的に自社の利益とできる状況のことです。売上等の細かい条件はありますが、例えば創業後2年は消費税を納税しなくてもいいという制度です。制度は変わろうとしていますが、消費税の8%、増税後なら10%が戻ってくるんですよ?なんか頑張ってお店やりたくなりません?(笑)

やる気:ちょっと頑張ってみたくなりました。何しようかな。(笑)

お給料が○○payで貰える日が来るかも。給与支払いに電子マネーが解禁される動き

:さて次のトピック行きましょうか。給与支払いに電子マネーが解禁されるかもという話です。

やる気:これもニュースで見ました。いつから解禁されるか、もう決まっているんですか?

:これから国会で議論されていくトピックなので、まだ決まっていません。簡単に説明すると、電子マネーで給与が受け取れるようになるかもという話です。労働基準法24条に「通貨払いの原則」というものがありまして、

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

と決まっています。例外として銀行振込での支払いも許されています。

やる気:そんなものが法律で決まっていること、知りませんでした。

:今はほとんどが銀行振り込みで支払われているよね。我々の親の代って、過去に給与の現金払いを経験したことがある人達が結構いるんですよ。かの有名な3億円事件だって、ボーナス支払用の現金が盗まれたという経緯なので、現金払いをやってるから起きてしまった事件。今や現金で手渡ししてる会社があると、逆に珍しいですよね。

やる気:確かにそうですね。でも何で電子マネーって話が出てきたんですか?

:この施策は、大きく2つのタイプのメリットがあります。

1つは、外国人労働者の方です。外国人の方が銀行口座を開設するのは、それなりにハードルがあるんですよ。当社に在籍するグローバルエンジニアも、先に来ていたメンバーが手伝って口座開設したって言ってたし。それよりは資金移動業型(後述)の電子マネーの方が助かるかもしれない。もう1つは、銀行口座をそもそも開けない、もしくは維持できない方です。海外ではそういう方が多く、最低残高がないと、毎月いくらか手数料が取られるんです。

やる気:そんなのがあるんですね。

口座維持手数料という制度なんですが、意外と普通に存在するものなんですよ。

やる気:証券だと投資信託手数料等を取られるのは分かるんですが、銀行は…

:銀行も口座維持手数料って、90年代までわりと考えられる発想だったんですよ。

やる気:そうなんですね。

セブン銀行の西井さんと対談した回で、少しその話が出てきましたね。水や安全も実は無料じゃないですよね。預金口座も同じで、見えないところでかなりの金額を費やしているので、社会全体では有償なんですよ。この2年くらいで、それを復活させようという議論が再燃していますね。

外国人のニーズのほうは今はわりと限定的ですが、今後電子マネーを使ってできることが広がり、豊かな社会になってきたら、この給与支払いを電子マネーで受け取れる制度は全然アリですね。

資金移動業」という換金可能な電子マネーの業態であれば、アカウントへチャージされたお金を戻すことができます。やる気さんも、給料日ってめちゃくちゃテンション上がりますよね。給与は通常のお金よりも、重い価値をもっています。だから、なにかあったときでも預金口座に戻せるよう、資金移動業の電子マネーに限定するという制約が今後入っていくんでしょうね。
また例えばの話ですが、給与がチャージされた「ぷにぷにマネー」みたいな名前の、悪意をもった電子マネーがあったとします。その発行者はチャージされたお金を持ち逃げしちゃうことも物理的にはできるんですよね。通常は、そういう事態を防ぐために、資金決済法で保護しているんですが、日本で電子マネーを運営している会社って、移動業ではないパターンを含めれば2,000近くあるんですよ。

①前払式支払手段(第三者型)発行者登録一覧
②前払式支払手段(自家型)発行者届出一覧

○○payは究極的には、それぐらい増える可能性だってある。だが、実際にはちゃんと給与として支払われた電子マネーを、資産として保護が図られるように、様々な制約や条件が入っていくと考えられます。

やる気:そんなにあるんですか。(笑)交通系ICがメインだと思っていたので、全国あわせても100ほどかと思ってました。

:生協、地元のスーパー、百貨店など、ローカルなものが多いですね。割と電子マネーって個別の目的で作れるんですよ。なんか楽しそうだなぁ。

仮想通貨って名前はもう古い。仮想通貨改め「暗号資産」について

:さて仮想通貨についてです。名前が暗号資産という名称に変わっていく見込みです。

まず、仮想通貨は、Virtual Currencyという言葉から来ています。これを作ったのは、FATF(ファトフ)という、世界的にマネーロンダリングを防止しようとする機関です。彼らがビットコインなどをマネーロンダリングに使われないためのルールを決めました。「Virtual Currency」をそのまま翻訳して「仮想通貨」。それで仮想通貨になったんですよね。

問題だったのは、仮想「通貨」という言葉から、通貨だと認識する人が日本人は多かったんですよね。

やる気:僕もそのイメージです。

通貨っていうのは、厳密に言うとものすごく定義が狭いものです。例えば、先ほどの給与払いのところでも出てきた通貨という言い方は、現金をほぼ意味している。電子マネーや預金も、通貨としては扱われてはいないのですよね。でも「電子マネーは通貨じゃないね」という話になると、「じゃあビットコインはSuicaのような交通系電子マネーより認められている決済手段なんですか」みたいな議論が出てきて、「通貨」という名称にこだわると、まあ実に深い話があるんですよ。

これを考える上で、新美南吉の「てぶくろをかいに」という童話を使って説明します。

やる気:あ~、なつかしい!!

:これ元ネタは大阪大学の安田 洋祐先生が説明で使っています。小さい狐さんが人間の格好をして、手袋を買いに行く話です。でも問題は、狐なのに、木の葉じゃなくて本当の通貨で手袋を買いに来たので、帽子屋さんは、通貨としてそれを認めるべきかという問いが出てくるんですね。狐っていうのは基本的に詐欺師みたいな扱いをされますからね。(笑)通貨の素晴らしいところは、どんな人が持ってきても、支払い手段として受け入れる必要があるんです。拒否できないんです。これを「強制通用力」と言います。日本銀行法46条で決まっています。

やる気:こんなのも法律で決まっているんですね。。

:通貨という言葉には、それなりに重みがあるっていうのが原則論として存在しています。仮想通貨はその定義には当てはまらない。そのため最近、仮想通貨を「Crypto Assets」と変えたんですよ。やはり、投機的なイメージであったり、決済手段としてどこでも使えるイメージと、現状を照らせば、誤認されうる側面があり、なので表現を揃えましょうということだと思います。

(おまけ) 『JUDGE EYES:死神の遺言』がとにかく面白い

やる気:それでは最後になります。僕も、いち読者として楽しみにしていたおまけコーナー、今回の瀧的ニュースを教えてください。

:なんだろうなー。あ、『JUDGE EYES:死神の遺言』ってゲームにめちゃくちゃハマっています。実はそのゲームの中で、認知症の治療やクラウドファンディングが出てくるんですよ!

やる気:瀧さんがゲームをやることも、『JUDGE EYES:死神の遺言』にそんなものが出てくることもびっくりです。全然そんなイメージないですが。(笑)

:そのうえ、主人公がキムタクなんですね。みんながよく知ってるあの、「ちょ、待てよ!」をはじめとするセリフをずっと聞けるなど、キムタクを思う存分に楽しめるゲームです。ぜひ遊んでみてほしいです。ゲーム内では、実際の飲食店等が登場したり、CMが流れたりするんですが、いずれはうちもCMを出したいな~。

やる気:具体的に想定されているコラボレーションはありますか?

:ゲーム内でお金が足りないという場面があるんですが、うちのアプリで残高を確認しているとか。自分のお金でもちろんいいので、やりたいな~。(笑)

やる気:これをセガゲームスの方が読んでくれていることを期待…もはやこの記事を送付してみましょう!瀧さん、ありがとうございました!

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