見出し画像

観光需要の復活からのリアルとネット併用のヒント

見出し画像:Mohamed HassanによるPixabayからの画像
【今日のポイント】

観光需要の回復に連れて、オーバーツーリズムなどへの対応の観点からもリアルとネットの併用の目的と方法が見直されて来ることが予想されます。

これは観光業だけでなく、リアル需要が回復する分野や働き方の変化への対応などで今後更に進むことが予想され、その対応の経験と活用の仕組みは、自社の見えない強みになるものと考える次第です。


1.観光需要の復活とオーバーツーリズムなどの課題

新型コロナの規制が日本も含めて各国で緩和され、日本の観光需要も回復基調にあることは、日本政府観光局( https://www.jnto.go.jp/ )が2023/7/19に発表した『訪日外客数(2023年6月推計値)』( https://www.jnto.go.jp/news/press/20230719_monthly.html )などを見ても明らかかと思います。

私も街を歩いていて、海外のお客様と思われる方々を見かける機会が増えたと実感しており、インバウンド需要の回復は、喜ばしいく思っています。

一方で、コロナ禍で一度急減した観光需要の影響を受けた受け入れる側の体制の回復も含めて、オーバーツーリズム(観光公害)も、問題となり始めていることは、各紙が報じており、観光地の地元の方だけでなく、観光需要の中長期の成長のためにも重要な課題になってきていると感じる次第です。


Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像

2.ネットとオンラインの併用方法も変化する

上記のオーバーツーリズムについては、日本だけでなく、海外でも問題となって対策が取られ始めているようで、欧州ではクルーズ船寄港の規制なども始まっているようです。

また、最近の物価高の影響も含めて、観光施設の入場料や交通機関の値上げや1日券の廃止で対応しようとする地域もあるようで、各地でインバウンド需要の維持・成長とオーバーツーリズム対策の両立に努力している様子が窺えます。

上記の様な、観光客の集中の抑制策として、観光地への移動を規制する方法もありますが、
 観光客側も今まで我慢していた旅行を楽しみたいため、観光客の増加を規制するだけでなく
以前のブログトピックス『映画の公開期間の変化と酒造所のオンライン見学会にみる、バーチャルとリアルの組み合わせ方のヒント』 https://wp.me/p9D2bS-1Di でもご紹介した、お酒とおつまみを参加者に送って、自宅で試飲しつつ楽しめるバーチャル見学会を開催する日本酒メーカーのように、
仮想現実の活用や、コロナ禍でどこにも行かないクルーズや飛行機ツアーの様に、「旅行気分を味わえる」事で、観光地に行かなくても満たせるニーズを掘り起こす事業やサービスも、
今までのように、「観光地に行けない顧客へのニーズ対応」から、「観光地に行ける顧客のニーズを満たし、かつ環境問題などにも対応出来る」という観点に変わることで、リアルとネットの併用の活用の仕方も変わってくるのではないかと予想しているところです。


Mohamed HassanによるPixabayからの画像

3.自社にあったのネットとオンラインの使い方とその変更の仕組みも「見えない」強みとなる

上記の様なネットとリアルの併用の変化は、観光以外の買い物や飲食など、リアル利用が急増した業界や業務など他の分野でも、人手不足への対応などの観点から、同様の傾向が現れてくるのではないかと考えています。


また、働き方改革という面では、すでに、コロナ禍での緊急避難的なリモートワークの利用から、生産性向上や、従業員側のモチベーション向上、ワークライフバランスの改善を目的とした、働き方の選択を増やすという視点から、

よりコストや時間がかかるオフィスなどのリアルの改善以上に、メタバースやVRなどのネットを利用したワーキングスタイルを促進する技術とサービスが、リモートワークの弊害(コミュニケーション面など)の解消も目的としつつ、更に加速するのではないかと考えるところです。

そして、この様なネットとリアルの併用は、中小企業でも既にコロナ禍対応として取り入れられて来ていますが、
今後は、より積極的な「攻め」の視点からの活用と、事業環境などの変化に対応して柔軟に変更することを予め想定した、利用形態の検討と導入の必要性が増すとともに、
その経験や運用の仕組み・知見は、自社ならではの「見えない強み」になっていくものと考える次第です。


Joseph MuciraによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】

・ウィズコロナによる規制緩和で観光需要が回復し、それに連れてオーバーツーリズムの問題も顕在化しつつある

・コロナ禍でのオンライン見学会やVR利用から、オーバーツーリズムなど環境問題への対応や、顧客満足の向上の観点からのリアルとネットの併用に変わっていくことが予想される

・観光業界だけでなく、リアルの需要が回復する分野や、リモートワークなどの働き方含めて、緊急避難的な利用から、より積極的な活用へとリアルとネットの併用も変化していくことが予想されるが、その対応の経験や活用の仕組みは自社の「見えない強み」になる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?