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生成AIの感情や演技のデータ利用に考える、リアルの価値の再評価と組み合わせ

見出し画像:Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

ChatGPTを始めとする生成AIは、いまや俳優の表現など、感情や感性面の分野まで広がりつつあります。

この様な動きは、いずれ中小企業にも波及してくると予想されるため、自社の人やモノなどのリアルな経営資産とAIの組み合わせ方自社の見えない強みにつながってくるものと考える次第です。

1.AIに感情を教える取り組み

ChatGPTを始めとする生成AIが、話題となり始めてからだいぶ経ちますが、B2B、B2Cを問わず、あらゆる分野で導入が進み始めていますね。

その用途も、検索、チャットボット、画像生成など多岐に渡っていますが、表現や表情など、感情に由来する分野において、人の表情等のデータをAIの学習データとして収集する動きも、以下の記事などに見るように始まっています。

『人間の俳優がAIアバターに感情を与える Human Actors Lend Emotions to AI Avatars』
2023/11/10の1日5分ビジネス英語の記事。

先日収束した、ハリウッド映画俳優のストライキ中に、仕事のない俳優が、AIアバターの感情表現の改善のために、自分の表情、動き、声などのデータを提供するというものですが、
この様にAIの学習の対象が感情表現にまで及ぶことは、数年前から話題になっていた「シンギュラリティ」知的生産分野だけでなく、心理・感情面にも及ぶ可能性を示唆していると感じました。


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2.ネットやAIへの法規制とリアルの再評価の双方が進むとの予想

上記のような、感情表現も含めて、生成AIなどが人間の活動を代替する動きからは、
AIによる感情・演出の再現が進むに連れて、
ユーザーだけでなく俳優などのプレイヤー側も守る法規制と、リアルの価値の再評価が並行して進む」ことが予想できるのではないかと思います。

EUのデジタルサービス法(DSA)のように、行政側が巨大ITプラットフォーマーなどに対して、ユーザーに対する広告などの適正化を義務付けるなど、プライバシーを含めたユーザーの保護に動いていますが、
この様な法規制と並行して、
以下の記事トのように、SFやアニメなどの空想世界を実際に実現するロボットが、リアルの用途と人気を兼ね備えて評判となるように、

また、ロカボが普及しつつも、歌手や俳優のリアルなパフォーマンスと併存している様に、

リアルな俳優とアバターなどの共演の形も含めて、
劇場などでこそ享受できる臨場感というリアルの価値を再評価する動きも並行して進むのではないかと感じた次第です。

『搭乗操作型ロボット『アーカックス』の国内先行受注を開始』
2023/9/26の、ツバメインダストリ株式会社( https://tsubame-hi.com/home )のプレスリリース。


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3.中小企業へのAIの影響とリアルの併用の検討の必要性

上記では、ハリウッドや巨大ロボットのスタートアップの例を挙げましたが、
チャットボットなど、既に多くの企業が採用しているAIサービスも増えて来ています。

かつ、これら自動的なサービスと、最後は生身の人間のチャットや電話によるサポートサービスの組み合わせなど、
AIと人 組み合わせは、オンラインとリアルの併用を含めて、今後もAIの技術進歩により形を変えつつ広がっていくものと予想されます。

そして、これらAIサービスの高機能化と低コスト化は同時に進むため、中小企業でもその利用の有無や巧拙が、競争力に影響を及ぼす場面が増えてくるかと思います。

その利用において、自社独自の特色を出すためには、どのように自社の人材などの「人」と、店舗などの「モノ」、そしてサービスなどの既存のリアルな経営資産と組み合わせるかの検討が、「見えない強み」を作り出す上で重要性を増すものと考える次第です。


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【今日のまとめ】


・生成AIを始めとして、AIは肉体労働や知的生産分野に加えて表現など感情・感性の分野にも適用が広がりつつある

・AIの利用において、ユーザーだけでなくビジネスモデルの変化で不利益を受けるプレーヤーも保護するニーズが高まるとともに、リアルの価値の再評価も並行して進むと予想される

・中小企業でも自社の人やモノなどのリアルと、AIの組み合わせ方の検討が自社の「見えない強み」を作り出すうえで重要となってくる


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