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【生産者流】シクラメンの育て方

タイトルに生産者と書きましたが本業の農家ではありません。

そうはいっても年間1,000〜1,200鉢のシクラメンを育てています。
職場が福祉施設、その中の作業として花を育てて販売しているのでそれなりには知識・経験ができてきました。
その経験から分かってきたシクラメンの育て方を紹介していきます。

温室内は一面シクラメン

《シクラメンを育てられれば何の花でも育てられる》

この言葉は、私が花の仕事を始めた時にお世話になったシクラメン農家さんに言われた言葉です。
初めはそうなんだ。としか思いませんでしたが、シクラメンを育てれば育てるほど実感してきました。

私の働いている施設では冬はシクラメン、春は花の苗の販売をしているので、年中花に関わっています。
そうしているとこの言葉の意味がよく分かってきました。
シクラメンを育てるために必要な知識は他の花にも共通することが多いので、一般的に家庭で育てる花にも活かせることができます。

農家はプロ

花農家の人たちが育て販売する花の品質はほぼ問題はないです。
私も農家が本業ではないとはいえ販売する花の品質は最低限のラインを決めてあります。
当然品質が悪い時もありますが、そんなことを続けていたらお客様が離れてしまうので基本的には買ってからすぐに弱ってしまうことはないです。
もしもすぐに枯れてしまったら申し訳ないのですが、逆の意味で当たりを引いたと思ってください。

花・葉の数、全体の形
生産者のこだわるポイントはたくさんあります

シクラメンを育てる3つのポイント

シクラメンを育てるうえで気をつけるポイントは3つ

・気温
・日光
・水やり

花を育てるには当たり前のことですが、これを気をつけるだけでだいたいは順調に育ちます。
それだけです。

・・・・・

とはいえこれだけでは何も内容のない話になってしまうので、この3つのポイントをシクラメン用に詳しく解説していきます。

花の基本情報とは

ポイントの解説の前にシクラメンに限らずネットで花の育て方を調べると開花時期や耐暑・耐寒性、草丈、原産地まで教えてくれます。

情報として知っておいて損はないのですが重要なのはここからもう一手間かけるか。その情報を元にどれだけその花のことを知れるかです。

とりあえずシクラメンの育て方の紹介です。

このサイトを見れば基本情報から育て方まである程度のことは分かります。
というかこれでいい人はこれでいいと思います。
なぜなら、シクラメン農家さんがしっかりと育ててくれたのでこの育て方で育ちます。

ここからはもう少し詳しく知りたい人向けです。

リンク先の基本データの項目を見れば分かることからどんな風に一手間をかけるかを解説します。

まずシクラメンの開花時期は10月〜3月。
ということは冬の時期に咲く。
なら寒さに強いのかな、と思わせておいて耐寒性は低い...

どういうこと?

書いてある通り寒さに弱いんです。
なので冬の花とはいえ最低気温に気をつけないと弱ります。

じゃあ、暑いほうがいいのか?
耐暑性は普通、でも普通って何度ぐらい?

こんな感じで考えていくとシクラメンについて詳しく知識を得ていきます。

例として、シクラメンを玄関に置いといたら弱ってきたから日当たりのいいリビングに持っていったら余計にダメになった。
といったことが起きた時に

もしかしたら玄関が寒すぎて弱ったのかな?
そこからリビングに置いたら日当たり良すぎて気温が高すぎたのかな?


とか思えるようになります。
ここで最適な温度を知っていて対応できていたら、弱った原因は気温ではなく他にあるはずだからどうしよう。と解決できるようになります。

育てるうえで関係のないような原産地の情報も一手間かけて考えると、その土地の気候が一番育ちやすい。そこの気温や湿度、日当たりはどんな感じだろう。
といった具合で調べてみると、その花にとって一番いい環境が分かってきます。

なので、とりあえず育てるなら今の時代はネットで調べれば解決します。
そこからもう少ししっかりと育てたい人は一手間かける時間を作ってみてください。

11月ごろに種をまき翌年の11月に出荷
丸一年かけて育てます

話が長くなりましたが、ここからが本題。
シクラメンを育てるうえでのポイントです。


シクラメンにとって最適な環境

前述の通り育てるうえでのポイントは
気温、日光、水やりの3点。
まずは気温から考えていきます。

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