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ノルウェーが世界一腐敗のない理由。

写真は、正午のオスロ。
太陽がほぼ日没の位置です(笑)

今日までの3日間は、ノルウェーのオスロで、政治家や官僚、ジャーナリスト、先生にインタビューして、ノルウェーの政治や教育について、深堀りしました。

ノルウェーは世界一、政治に腐敗がない国として有名です。日本は目も当てられない状況ですが、その腐敗のない国を作り上げている根底にあるものは何なのか?

ノルウェー人に聞くと、
「いや~それでもいろいろ腐敗はあるよ~」っていう話をしますが、日本とは圧倒的な差があります。

色々な人の話を多角的に聞くと、特に1つの理由があるという訳ではなく、色々な要素が複合的に絡んで、いまの状態を作っていると言えるでしょう。

箇条書きをすると、
・政治家の給料は高くなく、ほかに職業を持ってる市民が政治家になるケースも多い。それゆえに、ノルウェーで政治家になろうとする人は、純粋に世の中を良くしようと思っている人が多く、お金目的や権力目的な人はあまりいません。オランダも同様でした。その辺の女性がさっと政治家になる印象です。

日本は給料が高く、職業政治家がほとんどです。当選するのにも多くのお金が掛かり、落選したら収入がなくなるので、必然として、どんな手を使ってでも、お金をたくさん集めようということになります。

当選を決めるのは政策です。お金ではありません。9か月とかの長い政策論争を通してから、決戦のために選挙があります。日本のように2週間だけ、名前を連呼して当選するといった、意味不明な選挙方法ではありません。日本の選挙の姿をノルウェー人に見せると、爆笑ものだそうです。
「なんで2週間しかないの?」
「名前を連呼することに何の意味があるの?」
といった感じです。

・ノルウェー人は、マスコミの独立性に誇りを持っています。日本の新聞社のように、言ってることが似たりよったり、忖度しまくりなんてことはありません。
国民や政府におもねることなく、不正などを徹底的に追及します。

情報公開制度が完全に機能しています。日本のように、政府や官僚の保身のために、ほぼ黒塗りで情報が出てくることなんてありえません。一部の安全保障などの資料以外は、政治家同士のメッセージのやりとりなども、公開の対象になります。これでは不正がやりようがありません。

・結局、民主主義なので、国民の意識の高さ、成熟度の高さが、政治に反映します。そういう意味では、ノルウェーの人の政治リテラシーはとても高い。今回、専門学校を見学して、受付の方が学校を案内してくれたのですが、政治に対する意見を聞いても、すばらしい解像度の回答が返ってきます。日本ではありえない。
彼らは、日本の13歳くらいから、年間70時間は民主主義の授業を受けなければならないそうです。ディベートの仕方を学んだり、模擬投票をしたり、政治に参加する仕組みが整っています。
こういう国民の意識の高さが、政治のレベルの高さを支えています。

・高福祉のため、貧困層が少なく、平等な国家です。だから、国が乱れにくい。これが国家の安定につながり、それが遠因となり、汚職も少なくなります。

色々な要因がありますが、2か国だけですが行った総括としては、結局、すべては「興味」なんじゃないかなと感じました。

国民の総エネルギー量は決まっていて、その国の国民が興味を持ったものが優先的に、成長し成熟していくのかなと。

誰にでも嫌いなものは強制し続けることはできません。日本国民は、食やエンタメが大好き。だからおいしい食事や、エンタメの量は異常です。
オランダやノルウェーにそんなものはありません。

その代わり、政治には興味がない。だから政治は成熟していかない。興味がないのは、変えれると思わないというのもあるし、実際に政治家がつまらないことばかりしているのもあるでしょう。

表面上の仕組みを持ってきても、この分野もだめで、やっぱり国民が興味を持てるような政治に少しずつ変革していく、参加したくなるような楽しい政治を魅せていく、ってことが大切だと考えます。

私たちは学生時代の生徒会でも、靴下の色を1つ変えられないという、非民主主義を経験し、自信をなくしています。

小さい市町村からスタートしても良いので、私たちの意見で、政治が変わったという小さい成功体験の積み重ねが、政治への興味を引き、それが政治の成熟につながるのかなと思います。

素晴らしい政治家を期待しても意味がありません。民主主義はやっぱりどこまでいっても、まず自分たち国民が動くことからなのです。



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