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地域を越えた同世代の出会い〜修学旅行 学校間交流レポート 【週刊新陽 #139】

単位制一期生となる2年次生徒が、12月8日〜11日(九州コースは12日まで)修学旅行に行ってきました。

新陽高校の単位制カリキュラムで意識しているのが、生徒が自分で考え、自分で選び、行動する機会とそこでの出会いと原体験。そしてそれをリフレクションすることで経験が学びになると考えています。そのため修学旅行も、関西・九州・沖縄の3コースから自分が行きたいコース(エリア)を選びます。

さらに今回の修学旅行の特徴の一つが学校間交流。各地で文化や歴史、産業に触れるだけでなく、同じ時代に別の場所で暮らしている同世代とリアルな交流をすることで、今ココにしかない何かを感じてもらえるのではないかと全コースの旅程に組み込むことにしました。

というわけで、今週の『週刊新陽』は各地での交流の様子の記録です。(3コース+1の交流レポートなので今週号はちょっと長めです。)

受け入れてくださった各校の先生方や生徒さんたち、本当にありがとうございました!

▼学校Webサイト NEWS & TOPICS に各コースの体験記も掲載してます!



関西・立命館高校/追手門学院/堀川高校

12月8日(金)、関西コースの生徒たちは、京都市立堀川高校、追手門学院高校、立命館高校の3校にご協力いただき学校間交流を行いました。

この日は修学旅行初日。伊丹空港に降り立つと3台のバスに分かれて各校へ。私も京都府長岡京市にある立命館高校を訪問するグループに同行しました。

学校から少し離れたところでバスを降り、住宅地を歩いていくと急に視界に飛び込んできた立派な建物に一同騒然。創立100年を機に2014年に建てられたという校舎は、エコスクールとしての様々な工夫と、学校の理念やビジョンが随所に反映された素敵なキャンパスでした。

校舎内に入ると、新陽とは全然違う雰囲気に圧倒されつつ、GLコース(文社系・国際)の生徒さんたちが待つ会場へ。

今回、立命館も新陽もオンラインプログラム Inspire Highを導入しているご縁でつながったので、対話もInspire Highの動画『建築家 隈研吾と考える 居場所ってなんだろう?』を切り口に企画されました。

「みんなはこれまでどんな場所と出会い、どんな影響を受けてきた?今、どんな場所がお気に入りだろうか?」という問いで始まった対話はまず、自己紹介を兼ねて自分の好きな場所などについて共有。まだお互い緊張しているのか、ぎこちない感じで会話するグループもありましたが、休憩を挟んで、キャンパス内の探検をしているうちにすっかり打ち解けたようです。

図書館やアリーナ(体育館)、プールやホールなど様々な場所を立命館の生徒さんに案内してもらった新陽生たちは、口々に「きれい!すごすぎる!先生、ここに転校したい(笑)」と言っていました。私も立命館の先生にキャンパスツアーをしていただき、本当に素晴らしい施設で、ただただ羨ましかったです!

校内探索から戻ると、グループごとに「居場所ってなんだろう?居心地が良い場所とは?」「自分たちのキャンパスがもっと「〇〇だったらな」を考えよう!」といったお題について意見交換。

最後に各グループで出たアイデアを全体でシェアして交流は終了。居心地の良さについては、安全、清潔、自分らしくいられる、落ち着ける、など両校の生徒の意見が共通していて、地域は違えど高校生が居場所に求めるものは似るのかな、と思いました。

最後は別れ難い様子で、一緒に写真を撮ったり、SNSを交換したりしている生徒もいました。

その後、追手門学院高校や堀川高校を訪問していたグループと嵐山で合流。どこもプログラムを満喫したようです。

追手門では、古雑誌等を使ったコラージュ作りに挑戦。それぞれの個性を発揮する場面と協働する場面があり、最後には大きな作品を完成させました。

堀川では、『堀川の “??” を新陽の “!!” とともに考えよう』というテーマで意見交換。両校の生徒から色々なアイデアが出たそうです。交流の様子は堀川高校のWebサイトでも紹介してくださっています!

沖縄・県立球陽高校

沖縄コースは、12月11日(月)に沖縄市にある県立球陽高等学校へ。

前日、美ら海水族館やグラスボート、シュノーケリングを楽しんだ生徒たち。ちなみに初日から4日間ずっと天候に恵まれ、週末は最高気温25度超え!の夏日でした。すっかり沖縄を堪能し沖縄にも少し詳しくなったところで、最後のプログラムが学校間交流。

球陽高校は文部科学省指定のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を県内で初めて受け、早くから探究学習にも取り組んできた高校です。理数科と国際英語科があり、今回は国際英語科の2年生(2クラス)の生徒さんたちが迎えてくださいました。

3つの教室に分かれて、それぞれの学校紹介をした後、5〜6名のグループに分かれてアイスブレイク。「好きなラーメンの味は?」「目玉焼きにかけるなら?」などのクイズで緊張がほぐれたところで、そこからはグループごとに自由にトーク。

「校則は?」「テストは?」「どんな授業がある?」「部活入ってる?」など学校に関することや、「もう雪って降ってる?」「12月でもいつもこんなに暑いの?」とそれぞれの地域に関することなど、互いに聞き合っては驚いたり共感したりしていました。

個人的に面白かったのは、「(新陽の生徒から)沖縄ってゴキブリいるってほんと?」「うん、学校でも出るよ。」「まじで!」とゴキブリの話で盛り上がっていたグループと、「(球陽高校の生徒から)クマに遭ったらどうするの」「いや、どうもしない。できない。」「え、そうなの?っていうか、本当にいる?」「いるいる。うちの近所でも出たよ。」「やばい!」とクマの話で盛り上がっていたグループのテンションが同じだったこと(笑)。

フライトの関係で1時間という短い時間ではありましたが、球陽の生徒さんたちの温かい雰囲気と、新陽の生徒の人懐っこさや柔軟性が相まって、終始和やかな雰囲気の中、交流は終了。

そのあとすぐ授業だったにも関わらず玄関へ案内してくれた生徒さんたちもいて、先生方と一緒に駐車場まで出て手を振って見送ってくださいました。

九州・東明館高校

鹿児島、長崎と各地で色々な体験が組み込まれ、他より1日行程が長い九州コースは12月12日(火)が最終日。佐賀県にある東明館高等学校の探究コースの生徒さんと交流しました。

東明館と新陽は連携協定を結んでおり、PBL(Project Based Learning)を一緒に行ったことや、教員同士が日頃から情報交換するなど、色々と連携していただいています。

でも新陽の生徒が学校を訪問させていただくのは今回が初めて。札幌と佐賀、1400km離れた両校の生徒が対面で会い、一緒に過ごすことができたのはとても貴重な機会でした。

新陽の生徒が企画した交流プログラムは、自己紹介、バースデーライン、東明館&新陽クイズで和んだ後、「東明館と新陽のそれぞれの課題を出し合って、解決策を考えよう」というワークショップ。

東明館と新陽の生徒混合で6〜7名のグループを作り、高校生同士リアルな悩みを共有する時間となったようです。

・暖房が効かない、エアコンがない、エアコンつくのが遅い
・校舎が古くて汚い
・食堂がない、あるけど今は改修中で使えない
・遅刻や欠席する生徒が多い
・昼休み(お昼を取る時間)が短い
・校則が厳しい、スマホが使えない
など、それぞれの学校の生徒から施設設備の話と校則の話が多く出たのですが、共通点を見つけて整理したり、敢えて違うところに目をつけてまとめたりしていたのは、さすが東明館の探究コースの生徒さんたち!と思いました。

各グループから出た意見が全体にシェアされた後、進行役の新陽の生徒が、「解決策として出たアイデアは資金がかかりそうなものもあるけど、自分たちでできることもありそうだった。まずはできることからアクションに起こしていきましょう!」と呼びかけ、交流は終了しました。

一緒に過ごしたのは2時間弱という短い時間でしたが、協力してクイズの答えを考え両校の課題と解決のアイデアを相談しているうちに仲良くなったようで、出発の時間が迫る中ぎりぎりまで写真を撮ったりSNSを交換したりする姿がありました。

私たちも、連携校とは言え頻繁に会えるわけではないので、東明館の林田先生と山元先生と一緒に記念写真を撮ってもらいました!

バーチャル修学旅行・N高校と交流

実は12月12日(火)は、札幌でも交流が行われていました。N高等学校の生徒さんと一緒に、VRでバーチャル修学旅行を体験した生徒たちです!

こちらは私は立ち会えなかったのですが、引率した先生によるレポートをWebサイトに載せていますので一部引用します。

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VR・ARの発達が進んでおり、旅先に行かなくても体験することができるこの時代において「修学旅行は必要なのか!?」というテーマで、N高等学校の生徒さんと交流しました。
最初はお互いに人見知りしていたようでしたが、VR体験を通して徐々に会話が増え、最後には笑顔で学び合う様子が見られました。
VR体験は山口県の観光名所を巡り、「実際に山口に行ったような気持ちになった!」と生徒たち。「不思議な感じ〜」「お土産買えるのすごい!」など科学技術の進歩を身近に感じたようです。学校間の交流も深めて多様な価値観に触れることができ、生徒たちにとって良い経験になりました。

【編集後記】
旅行前、生徒に「五感で感じてきてください!」と伝えました。札幌とは気候も歴史も文化も違う地域で、友達と寝食を共にし、さらに別の学校の生徒さんと交流するという異文化体験の詰まった修学旅行。そこでの様子を見届けたくて、すべてのコースでの学校間交流に出向くことにしました。生徒たちは、いつもよりちょっと行儀良く、いつも以上に優しく、いつも通りのコミュ力を発揮していて、誇らしく感じました。
そして各コースほんの一部ですが同行して、引率の先生はすごい!と思いました。生徒の安全を守り、同時に学びを作り、経験からの成長を促すことを意識しながら生徒と関わる。同時に自分たちも楽しむことを忘れない新陽の先生たちに頭が下がります。引率の先生方、そして学校で留守を守ってくれた先生方、お疲れ様でした!そしてこんな修学旅行を実現できたのは、日頃からお世話になっているJTBの皆さまのおかげです。心から感謝します。
ちなみに、各コースに合流するため5日間で移動した距離ざっと5000km。合間の週末には、舞鶴の引揚記念館と天橋立、伊根の舟屋などへ「大人のプチ修学旅行」し、私も五感をフル稼働させました。

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