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新陽高校では当たり前?の学校の"手厚さ" 【週刊新陽 #145】

1月20日(土)は新陽高校の単願入試でした。

前日の19日(金)、授業と校内清掃が終わると生徒は下校。教職員は試験会場の下見にむけて準備します。

ところで高校受験の前日に中学生が学校を下見するのは全国共通なんでしょうか(自分が高校受験していないので分からない・・・)。札幌では一斉下見の日を設けている高校が多いようです。

新陽も、試験前日の午後に、受験番号と使用する教室を示した校内図を配布したり通学路や校内に先生が立って案内したりします。

中学校では「下見のときから行動や様子を見られています。気を引き締めて。」と指導しているところもあるようですが、新陽ではいつも、下見に来てくれた受験生が少しでも不安要素を減らして当日に力を出し切ってほしいね、と話しています。

面接会場も公開。校庭に積もった雪も
新陽ならではの景色です。
(明るすぎるので面接時はカーテンを締めますが)

がんばったね、受験生!

そして迎えた入試当日。

昨日までチラついていた雪が朝には止み、とりあえず一安心。毎年、入試の日が近づくと毎日天気予報とにらめっこして、大雪にならないことを皆で祈ってしまいます。インフルエンザや風邪が流行る時期でもあるので、中学生だけじゃなく先生たちの体調も心配。

この日、天気は大荒れにはならなかったもののかなり冷えて、出勤時の外気温はマイナス6℃!朝早くから出勤した事務長や入試部のメンバーが暖房設備をフル稼働して、教室や講堂、体育館を暖めてくれました。(それでも場所によっては寒かったと思います。受験生や保護者の皆さん、申し訳ありませんでした。)

準備がすべて完了し、「自分の力を出し切ってほしい」という思いを込めて  #がんばれ受験生  とSNSで発信し、予定時間より少し早く玄関を開けました。

新陽の入試の選抜方法は、面接試験と筆記課題です。単願の面接は保護者同伴なので1〜2名の保護者と一緒に来校するのですが、おそらく寒さのせいだけでなく緊張でこわばった表情の中学生や保護者の方たちが続々とエントランスから入ってきます。

少しでも緊張をほぐしてもらえればと「おはようございます」と声をかけると「おはようございます!」と笑顔で返してくれますが、オープンスクールやパスポートセミナーの時とはやはり雰囲気が違うように見えます。

その後、面接が終わって帰る皆さんをまた玄関で迎えると、親子で深い息を吐きようやく血色が戻ったような顔の方ばかり。中には目が潤んでいる子や、「緊張しました!あぁ腰が抜けそう」とおっしゃるお母様も。

そういう様子を見ていると、こちらも胸が熱くなります。

中学生にとっては今日、新陽高校に来たこと自体がすごく大きな挑戦だったはず。思い通りにはいかなかったとしてもやり終えたことそれ自体をまずは誇らしく思ってほしい、 #がんばったね受験生 (と保護者の方々も!)と声をかけたい、と思いました。

試験を終える頃にはまた雪が降っていましたが
朝とは違うホッとした笑顔で皆さん帰って行きました。

新陽の入試ポリシー

新陽の入学試験には、ペーパーテストによる学力検査がありません。個人調査書と面接試験、筆記課題を総合して合否判定を行います。

それは、アドミッション・ポリシーにもあるとおり、たった1回のテストの点数や内申点(学習ランク)では測れない受験生の意欲(やる気)を見せてほしいから。そして、中学校の内申点や出欠席に関わらずチャレンジする機会を提供したいからです。

《アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)
本校を志望する生徒には、校訓「自主創造 この道は自ら拓くべし」に沿った意欲を求めます。
・日々を大切に、冒険し続けたい生徒
・失敗を恐れず、挑戦し続けたい生徒
・好奇心を大切に、学び続けたい生徒

新陽独自の『パスポート制度』も、この理念のもと設計されています。

複数回開催されるパスポートセミナーで、面談やグループワーク、課題提出などを通して多面的に評価し認定。また、セミナーは夏と秋にあり、1回目で不認定となっても再度チャレンジできます。近年は入学者の多くがパスポート認定を受けており、2023年度は8割以上がパスポート有りで入学しました。

時間をかけて様々な関わりの中で学校は受験生を知り、そして受験生には学校を知ってもらう。学校が一方的に選抜するのではなくお互いが選び選ばれる、しかもパスポートセミナーや選考プロセスの中で中学生が「育つ」新陽のシステムは、正直とても手間がかかるのですが、そうするだけの価値があると思っています。

「生きたいように生きる」力を育む学び

入試から話題は一転し、今週ご紹介したいエピソードがもう一つ。

1月18日(木)、探究コース3年生の課題達成学習の成果発表会が行われました。現在の3年生はコース別学年制の最後の学年。探究・進学・総合と3つのコースに所属した生徒たちはまもなく卒業を迎えます。

新陽の探究コースは、2018年4月に開設したプロジェクトベースの教科横断型授業が中心のコース。(探究コースの紹介は以下のリンク先記事をご覧ください。)

この探究コースの学びの特徴の一つが課題達成学習。生徒一人ひとりが自分で課題を設定し、それについて本気で取り組みます。

生徒が決めたテーマはどの学年も多岐に渡り、進路選択と繋がっている生徒もいれば、単に「好きなこと」「やりたいこと」をやってみた、という生徒もいます。成果発表の形式も、スライド、論文、日記、動画、コマ撮りなど自由。8分のプレゼンと2分の質疑応答の持ち時間を目一杯使って、自分がこの1年本気で挑戦したことを伝えるのです。

生徒が課題達成学習に取り組むのは1年間ですが、この成果発表会で証明するのは新陽の探究コースで学んだ3年間。今年は、同じクラスの生徒や教員に加え、単位制2年生のクエストコンパスの生徒も参加し、探究的な学びに取り組んできた先輩の集大成を聞く貴重な機会となりました。

『Unreal Engineを使って初心者がゲームを作ってみた』
よくわからないくらい(笑)すごかった・・・!
『グローバルな経営者になるために』
実は課題達成学習の中で私がインタビューを
受けた生徒。その後「自分の変化が起きた」と
プレゼンしてくれていたのが嬉しかったです。
発表会の趣旨の説明を受ける、単位制・クエスト
コンパスの生徒たち。このあと先輩方のプレゼンを
真剣に聴いていました。

校長になって3年目。毎年この課題達成学習の成果発表会を楽しみにしています。生徒の努力やクオリティの高い成果物に感心するのと同時に、担任の先生の苦労の賜物だなぁと感動してしまいます。

頑張ったのは他の誰でもない、生徒本人であることは間違いありません。でもそうやって本気で挑戦し続けられたのは、叱咤激励しながらずっと伴走してくれた担任の先生や、その先生が呼びかけた多くの先生や外部の方々などのサポートがあってこそ。無事、成果発表できた幸せを(今じゃなく将来にでも)感じてくれたら嬉しいと思います。

【編集後記】
「私立高校は手厚い」とよく言われたりしますが、新陽の手厚さは環境やシステムだけでなく、何より先生の面倒見の良さによるものだと思います。先生たちの生徒への想いやマメさは外からは見えづらいのですが、その心遣いは生徒と直接関わる部分に止まらず、行事等の裏側にも。これが新陽の「日常」であり「スペシャリティ」です。

入試の前に、玄関のガラスのちょっとの曇りも
見逃さない先生たち!
探究コースの成果発表会は時間との勝負。
タイマー担当の先生も真剣です!

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