「STEAM x 建築」ワークショップ開催報告__『アートとけんちく』
7月20日のテーマは「世界はたくさんの表面でできている」。
フロッタージュ(こすり出し)を遊びの中に取り込んで、探究と創造を自分らしく実践するSTEAMプログラムです。
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フロッタージュ(frottage)は、表面がでこぼこしたものの上に紙を置き鉛筆などでこすると、表面が模様となって写し取られるアート技法です。学校あるいはアート系のワークショップで体験したことがある方も多いのでは。
今回参加してくれた子どもたちも保育園や幼稚園でやったことがあるようで、イントロでは躊躇なく、紙を建材サンプルや壁、床にあててこすっていきます。
最初は勢いにまかせてこすっていますが、
アドバイスを受けながら広い範囲をまんべんなく滑らせるように動かしてみるとくっきりと表面の模様が浮き上がるようになってきます。
こすり出しに少し慣れた後は、会場となっているFUJIMI LOUNGEのオーナーで建築家の菅原大輔さんから『ひょうめんとけんちく』のお話。実際の建築物のパース(立体図)を使った、大学の授業みたいなレクチャーです。
「どうすると本物っぽく見えるのかな?」「この表面はかたいか、やわらかいか」「かたちが同じなのに色が違うと全然ちがう場所みたい〜」と、どんどん子どもたちの『表面』を見る目が広がっていきます。
世界はすべて表面でできている、ということがわかったところで、いよいよ『表面』ハンティング!
梅雨どきで天気が心配でしたが、さいわい午前も午後も雨は降らず、外でのハンティングが実現。いつも見ていた場所なのにあそこにもここにも表面があることに気づいたり、木にいるアリを見つけたと思ったら蚊に刺されるなどプチ自然体験しながら、みんなそれぞれに、表面や模様を探しました。
FUJIMI LOUNGEに戻って、後半はアートな活動。
たくさん採取した表面を使って、自分なりの新しい表面を創ります。3次元的なでこぼこが紙という2次元に写しとられ、子どもたちの手によって今度は立方体という3次元の世界へ。ここにも建築的要素がいっぱいつまっています。
一見カラフルなただの箱みたいですが・・・実は、調布富士見町の表面がたくさん集まっているんです!
最後にお互いの作品を鑑賞し合うと、「おなじ表面を集めていたのに出来上がったものがこんなに違うなんて」や「表面を重ねると新しい表面になる!」など、クリエイティブな視点での感想がたくさん出てきました。
「世界はほんとうにたくさんの表面でできている」ことを実感した子どもたち。今回は特に、地域をつなぐ FUJIMI LOUNGE ならではのワークショップとなりました。
次回、10月開催を目指して新たな「STEAM x 建築」プログラムを準備中です。どうぞお楽しみに!!
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