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「だっことおんぶを語る会」を立ち上げ、発信してきたのは

FBグループページ「だっことおんぶを語る会」を8月末に休止するということで、ぎりぎり最後になってしまいましたが、ご挨拶申し上げます。
これまでこの会の投稿を読んで下さった皆様、コメントを下さった皆様、シェアして下さった皆様、そして、8年の月日を共にしてきた4人の管理人の皆様、特に最後まで管理を続けて下さった迫さん、本当にどうもありがとうございました。そして、皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

私自身は、これからも引き続き、一般社団法人ジェイスの代表理事として、乳幼児を含む子どもたちに対する社会的なマルトリートメント(不適切な扱い)を予防し、子どもたちの体と心と脳のウェルビーイングな発達を保障する養育環境の実現のために、アクションを続けていきます。私への連絡はメッセンジャー、あるいはジェイスにアクセスして下さい。
https://www.facebook.com/nobuko.takeda.5/
https://note.com/nobukot
https://jace-pom.org/  あるいは、https://www.facebook.com/jacepom2021
メールはtakeda@jace-pom.org
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8201208.html(やりすぎ教育)
ときどき本を出版したリ、さまざまなところに依頼されて記事を書いたり、研修をしたりしています。これからは、皆様と直接、少人数でお話しできる機会も作っていきたいとも思っていますので、FBでフォローしていただけるとうれしいですし、ご縁があれば、どうぞジェイス事務局 info@jace-pom.orgにご連絡ください。出かけていきます。

京都子育ての文化研究所で 2日間の研修終了。参加者30名。 0歳児の体と心と脳の発達をそれぞれの体験から自分で考えていただけるように、私にしてはスローなテンポでお話しさせていただいた。 元々は4月末に質疑応答込み1時間半でお話しした内容を10時間かけて解説。個別のご質問は別の時間に受け付け。 そろそろ歳も歳だから、丁寧に進める研修に切り替えていく時期なのでしょう。

Posted by 武田 信子 on Sunday, August 21, 2022

グループページの運営は、完全なボランティアでした。私の「仕事」には直接関係がなく、「研究」にもつなげることができず、それでも長時間にわたって、投稿を書き、コメントへの対応を考え、発信を続けました。おそらく投稿数は私が一番多かったと思います。それは、私が臨床心理士という専門職として、人の基盤ができる赤ちゃんの時期に、その後、その赤ちゃんが少しでも健やかに育つことができるように大人たちが環境を作っていかなければならないと考えているからです。私自身が、記憶のない幼少期に母がいない時期があり、その後も家族に様々な問題があって、精神的にとても辛い人生を歩んできました。そのことを人に話すことなどとてもできず、徐々にごく少数の人に話せるようになって、とうとう3日前に還暦を迎えました。ですので、もう小学生の頃から、「大人になったら、この社会の環境に働きかける力を得たい」そう思って自分に生き続けるよう声をかけ、励まし、それでも襲ってくる無力感と絶望感と闘ってきました。このグループページはそんな自分にとってできることの一つでした。

このグループページの立ち上げにあたっては、現在進行しているさまざまな社会現象にクリティカルな主張をするのであれば、エビデンスが必要という常識に対し、「エビデンスを待っていたら、赤ちゃんがあっという間に大人になってしまうから、立ち上げメンバーの中のただ一人の(一般に研究者とみなされる)大学教員として、矢面に立ってもいいから始めたい」と主張して始めました。

途中で、おんぶについては、肩から前が見えること、肩に手がかけられることが必要(高い位置のおんぶ)とか、だっこについては、首を手で支えない縦抱きはリスキーであるとか、いろいろと意見が分かれるようなことについても、自分の体験や身体感覚、学んできた学問、自分なりに調べて検討したこと、赤ちゃんから学べることなどを基に、自分が正しいと思うことを発信してきました。コメントの中で、より正確なことを求めるご意見をいただいたりもして、それらに感謝してさらに調べて修正も加え、皆さんに届けてきました。それらの発信は、今では、赤ちゃんの専門職の方々が当たり前のこととして発信して下さっている内容ですが、最初に発信するのはなかなか勇気がいることで、随分と鍛えられたように思います。

※ このブログの表紙にした写真のおんぶは、一歳の子どもをカインゲンドンという一枚の布でおんぶした時の様子です。いつもの兵児帯がなかったので、代わりにその場で使ってみたのです。両手で支えていますので、高さは自由に変えられます。子どもに手足の力があるので、自分でしがみつくことができ、もし前を見たいという意思があれば、それを示すことができますが、もちろん首を自由に動かすことができ、横から十分に面白いものが見えているので、この位置で大丈夫です。長時間おんぶをする予定はなく、この後すぐに眠ったので下ろしました。つまり、単に「高い位置でなければならない」「肩から前が見えていなければならない」と言っているのではないのです。おんぶやだっこは赤ちゃんとケアギバーとの共同作業です。その場その場で違っていいのです。トータルに、ホリスティックに見て、それがいいかどうかという判断にはその時々の理由がありますが、それを伝えることが難しい時代になりました。


一番まとまった発信はこちらです。
2014年にグループページを立ち上げ、これを書いたのは2017年でした。

その後、赤ちゃんの発達の状況は、この情報社会、商業社会、新自由主義社会において、特に先進国において大きく変化しています。こちらは、先日、私が自分のフィードやノートでシェアした記事です。

昨日、シェアした記事がとても大事な情報だったのですが、英文でしたので、共有しやすいように、日本語にして再掲します。 赤ちゃんの発達が大変なことになっているという発信はいつもしてきましたが、ここにその一部が説明されています。 著者は、Vi...

Posted by 武田 信子 on Friday, August 12, 2022


同様のことについて、私たちも何とか発信を試みてきましたが、現在、だっことおんぶという枠を超えて、赤ちゃんの発達の問題は大きく変化しており、このグループページだけでは発信しきれない、という思いもありました。

たとえば、もう子どもをちゃんとおんぶできる人はごく少数になっていて、おんぶの良さを伝えることには限界があります。だっこの仕方がわからない親やうまくできていない保育士がたくさんいて、子どもたちの発達にはあちこちに歪みや軋みが出ています。

それらについて発信しても、FBだけではもう間に合わず、後戻りできない勢いで、様々なグッズに頼る子育て、あるいは特別にお金をかけて勉強しなければ子どもがうまく育たない社会が広がっているのです。

ここ数年は、それらの変化をとらえて問題意識をもち続け、乳児の発達に関して私が第一人者であると思う管理人の一人、迫きよみさんに、私自身の「これで大丈夫?おかしくない?」という感覚を確認すべく、一つ一つ質問をしては、ご意見をいただいて考えてきました。

それらがだんだんとまとまってくると、松田妙子さんが実践を伴なう発信を工夫してくださいました。


理論的な面に関しては、実は乳児に関する研究というのはまだまだ少なくて、赤ちゃん学会や母性衛生学会などの関連学会から、あるいは国内外の文献や資料から、いろいろな情報を探してきましたが、赤ちゃんの育ちをホリスティック(全体的)に捉えた研究を見つけることは難しく、部分的には正しいけれど、人間の発達全体を時間軸も地域性も現代社会の問題も含めて考えるということは、なかなかなされていないのでした。

しかしながら、私は赤ちゃんのことだけを対象に活動している人間ではなく、手が回りません。精神分析や臨床心理学、体操や竹内レッスンや合気道や瞑想、ソーシャルワークや教育や保育など、子どもの体と心と脳に関するをかなり雑多な領域で学んできて、本も書いていますので、これこれの赤ちゃんの資格を持っていますというレベルであれば、専門家と言ってもいい知識や技術は持っていると思いますが、自ら赤ちゃんの専門家と名乗ることはまだまだできるとは思えていません。

また、いつも赤ちゃんの生活の中での育ちを統合して考えていますが、一分野のみで細かく研究を積み上げていくということはしてきませんでした。だからこそ、むしろ、赤ちゃんの立場に立って、さまざまなエビデンスをトータルに組み合わせたところに生まれてくる「勘」が生まれてくるのだと思いますし、その結果をここで発信して数年後に、その言説が一般化するという現象が起きたのだと思います。でも、それでは世間や学会は認めてくれないというジレンマを常に抱えています。

それでも私がここに書いたことを、自分のブログで発信して下さった方は少なくないと思います(そのつど出典を書いてくださるとうれしいです)。
私の書くことが、現場の実感につながるものだからだと思います。
赤ちゃんたちのために、ケアギバーの方たちになる情報であれば、もっともっと広がるといいと思っていますし、むしろ、私が書いてきたけれど、なかなか広がらないことについては、もっと広がってほしいと願っています。

長くなりましたが、私はこれからも発信を続けていきます。
研修も行なっていきます。
どうぞ、これからもつながっていていただければと思います。
そして、発信にご協力いただければと願います。
皆様のご活躍を祈念しております。

↓発信はこちらからしています(再掲)。
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連絡はtakeda@jace-pom.org あるいは、メッセンジャー、インスタ、Line等でお願いいたします。

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