殿堂入り

殿堂入り、っていいシステムだなあと思う。
ガラスケースに入れて飾っておけば、思い出を大切にできる。
しかも、同時に今を大切にできる。

アイドル柚餅子みこは、ハーモニー部門で殿堂入りした推しだった。
これからはみこ、あるいは実子さんとして活動されることと思うが、彼女が満足のいく人生をおくれることを願っている。

彼女は相当な肚の持ち主だと思うし、こんな一介のヲタクなんてただ騙されてただけだとも思うが、別にそれでもよくて、「騙されるなら騙されていようホトトギス」といった気分だが、彼女の素は踊っている時の真顔の姿な気がするし、無理に接客してもらわなくていい気がする。

木立と静寂。清流のせせらぎ。鳥の声。苔むしる岩。神聖な水蒸気。舞う彼女。祈る彼女。空間と戯れる彼女。たまに赤毛氈に腰掛けて野点したりして。何の言葉を交わすでもなく、木立とそこに降りそそぐ陽のきらめきを眺めて。精霊が想いを纏って氣を満たしてゆく。あなたも、わたしも、生きてるね、って。オーラの戯れ。静かで柔らかで清らかなコミュニケーション。

ただそこにいるだけでいい。浄化が始まる。
祈りを捧げよう。形を降ろそう。形而上から形而下へ。形を昇華させよう。再び形而上へ思いを馳せて。

満月に杯を

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