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5.購入 - はじめての通信販売&Eコマース

※本記事は2005年に作成し、自身のホームページ(Chikunai.net)で2016年ごろまで公開していた記事をnoteに転記したものである。私の管理不行き届きで、ホームページを失ってしまった。なるべく2005年の頃のまま転記するため、今読むと古臭さのある点は、ご理解いただきたい。このシリーズのトップはこちら→「はじめての通信販売&Eコマース

お客様が商品を購入する時、広告と同じように、購入申し込みの手段も直接取引きはしません。企業の販売方針にもよりますが、購入についてのキーポイントはいかに気軽に購入できる環境を提供するかです。その為、ベルメゾンやニッセンなどの総合通販企業は、たいてい様々な申し込み形態を提供し、間口を大きくしています。顧客の購入申し込みを躊躇させないためです。又は、極端に効率の良いツール、人件費のかからないホームページやiモードに特化したり、ホームページやiモードに限って価格を優遇しているいる企業もあります。契約更新をホームページで行うと価格を優遇するソニー損保がそれです。(※この記事作成の2005年当時、スマートフォンはまだ生まれていない)
購入申し込みに使えるツールは以下のとおりです。どの企業にも当てはまる訳ではありませんが、だいたい利用頻度の多い順に並べてみました。

電話

  • 利用年齢層:全般的

  • 即効性:非常に高い

  • アクセス性:電話番号の入力

はがき・封筒

  • 利用年齢層:全般的

  • 即効性:低い

  • アクセス性:記入して投函

FAX

  • 利用年齢層:40代以上

  • 即効性:高い

  • アクセス性:記入してFAX先へ送信

パソコン

  • 利用年齢層:40代以上

  • 即効性:高い

  • アクセス:検索

携帯電話(現在はスマートフォン)

  • 利用年齢層:30代以下

  • 即効性:高い

  • アクセス:検索、QRコード又は空メール

電話は、通信販売においてはもっともポピュラーなツールです。五つの中でもっとも手軽で、即効性があり、購入申し込みしやすい通信媒体です。平成16年1月時点の携帯電話加入者数は8000万人(TCAによると)。最近落ち込みがちの一般加入電話でもNTT東日本が約3000万人(NTT東日本によると)、NTT西日本が約3000万人(NTT西日本によると)の合計6000万人。これらデータからも普及率の高さが分かります。
電話は他に比べて、すぐに欲しいというニーズに対して、すぐに購入申し込みができる唯一のツールと言ってもいいです。広告の中でも効果の短いテレビやラジオなどのメディアでは、電話番号を宣伝しておけば、紙に書き留める必要なく、すぐ電話をかけることができます。また電話の中では、購入だけでなく疑問があれば、一緒にその場で解決できます。
顔を合わせない不安を、電話を通じて軽減させることもできます。お客様は電話ごしに企業とコミュニケーションが取れて安心感が得られます。特に女性は電話好き。購入申し込みではなく、お喋りするために電話をかけるお客様もいます。女性をターゲットにした商品であれば、なお重要なツールと言えます。
遠方に住んでいるお客様から購入申し込みをいただく場合、お客様側に電話料金が負担となり、購入申し込みのバリア(障壁)となってしまいます。そのため、通販企業は一般的にフリーダイヤルを導入しています。遠方の地域もターゲットにするなら、NTTのフリーダイヤルかKDDIのフリーコールの導入を検討したいところです。電話料金のコストを企業は負担するので、その分を商品価格に還元せざるおえません。しかし、顧客の購入申し込みを躊躇させないためにも、導入の検討をおすすめします。
電話を受け付けるコールセンター開設にあたっては、自社で構えるか、アウトソーシングするかの二者択一になります。起業初期は自社で開設すればいいでしょう。電話回線にはISDNのINS64サービスを使うといいです。加入権の必要ないタイプがあるので初期投資があまりかかりません。回線数が増えてきてたら、自社で設備投資・人員管理を行いコールセンターを管理するか、アウトソーシングするか検討すればいいです。

ハガキ・封書は誰でも使えるツールです。電話と並んで通信販売でよく使われています。また、電話はちょっと苦手と言う人や、平日日中に電話で購入申し込みが行えない忙しい人が使えます。電話をフォローしてくれるツールとも言えます。しかし、すぐに欲しいというニーズには答えられないデメリットを持っています。ポストに投函しても、届くのに2〜4日かかってしまうためです。
申し込み用紙は、お客様の誤記入を避けたいので、広告に申し込み用紙をつけてしまいます。チラシ、ダイレクトメール、雑誌、新聞は紙なので、広告スペースを削減して簡単に申し込み用紙をつける事ができます。誤記入があると電話で確認が必要になるため、なるべく申し込み用紙はつけたいところです。
起業初期はいいですが成長するにつれプロモーション活動のために、自社の顧客動向を知る必要が出てきます。情報の収集は商品を発送するためだけでありません。顧客の購買動向を知ることで、的確なプロモーションを実施することができます。4.広告で、プロモーションの重要性の高さを述べたとおり、ハガキ・封書からも必要な情報を入手できます。例えば、職業はなんですか?とか。
ハガキ・封書の受注量が増えてきたら、自動化にOCRを使います。OCRはコンピュータを利用して文字を読み取る装置です。OCRを使って申し込み用紙に書かれた記入内容をデータ化し、販売システムに取り込みます。OCRには二つの懸案事項があります。一つはOCR装置の文字認識率がそれほど良くないことです。そのためにも用紙とデータのチェックは欠かせません。数量や商品を間違えると、大きなクレームを生んでしまいます。もう一つは、お客様がなかなか正しく書いてくれないことです。必須の情報に記入が無かったり、記入に矛盾があったりと販売システムへ取り込めません。この対策には、お客様へ渡す申し込み用紙には、最初からお客様の情報(氏名、住所など)を印字しておくと、申し込み用紙への記入が簡便になりミスも減ります。また、注意書きを目立たせるのも手です。完全に減ることはないので、うまく付き合っていくしかありません。
ハガキ・封書についても郵便料金受取人払という、送料をコストをお客様に負担させない方法があります。こちらについても導入の検討をオススメします。

FAXは、五つの申し込み形態の中でもっと普及率は低いツールです。普及率に関する資料はインターネット上で見当たりませんが、今やホームページやiモードなどとも比べても利用率が低いツールです。ハガキ・封書は申し込み用紙を郵送するのに対し、FAXは通信で申し込み用紙を送ります。FAXを所持していない人がハガキ・封書を選択すると言えます。申し込み用紙は、封書用と一体化できますので、申し込み用紙製作にかかるコストを削減することができます。
お客様側にかかる通信費については、電話と同じフリーダイヤル・フリーコールの導入の選択になります。また自動化については、ハガキ・封書と同じOCRを利用することで、人件費の削減につなげられます。

パソコンは、95年に登場したWindows95とインターネットの出現により、急速に普及しているツールです。以前は一家に一台ホームコンピュータでしたが、今や加速して一人一台のパーソナルコンピュータ世代に。さらに近い将来は、一人数万台のユキビタスコンピュータ世代へ進む方向で業界が動いています。パソコンの普及とともにソフトウェアの機能も上がり、インターネットへも手軽に接続できるようになってきました。また、今まで遅かった通信速度も、ADSL、光ファイバなどのブロードバンドの普及で、高速通信な通信環境が提供されてきています。
企業側のメリットとしては、人件費のコスト削減になります。申し込み内容をお客様自身がデータとして送ってくれるので、データ入力作業分の人件費がかかりません。企業側はデータを受取り販売システム取り込むだけで、次の出荷作業を進めることができます。初期投資として、ホームページを利用したショッピングシステムが必要になります。しかし、インターネットの普及による市場競争の原理で、Yahoo! Japanや楽天などで格安にオンラインショップが開設できます。またオープンソースと呼ばれるフリーソフトウェアの台頭で、パッケージソフトウェアやオーダーメイドでも安く開発できるようになってきました。
デメリットはお客様側にとってアクセス性が悪いことです。パソコンに電源を入れ、起動するまで1分ほど待ち、インターネットエクスプローラを起動し、アドレスを入力し...と、ホームページまで行き、さらに購入完了するまでに、かなりの労力と時間がかかります。お客様自身がホームページで購入するという強い意志が無ければホームページに来ていただけません。そのため、ショッピングシステムではお客様に負担をかけないよう設計しなければなりません。事前に会員登録していただき、購入時に電話番号、氏名、住所などの基本的情報を入力する必要のない仕組みにしたり。簡便な操作で購入できる仕組みにすることが求められます。
他の申し込み形態には、フリーダイヤルなどのお客様側にかかるコスト対策方法がりますが、ホームページには直接的な解決策がありません。そこで、人件費を削減できる分、それを原資にして商品金額を割引きしたり(クーポンなど)、送料・手数料を無料にするなど、ホームページでの購入に限ってのインセンティブ(特典)をアピールし、お客様をホームページに呼び込む手が一般的です。
ホームページでのショッピングの研究には、やはりアマゾンは外せません。どの企業にも当てはまるショッピングシステムではありませんが、お客様へ情報提供、商品提案、評価、レコメンド、コミュニティ形成など細部にわたって非常に興味深い点が挙げられます。「この本を買った人はこんな本も買っています」というは、お客様に対して企業からの押し売りイメージを抱かせず、うまく商品提案を行っています。

※以下、携帯電話の解説にあたる補足、この記事を作成した2005年は、まだスマートフォンが生まれていません。
90年代後半、携帯電話をインターネット端末に変えたNTT DoCoMoからiモードが登場しました。auのEzweb、vodafoneのJ-Skyと他の携帯電話会社も続き、携帯電話を使ったインターネットメディアは急速に普及しています。一般的にモバイルと言われています。平成16年1月時点のサービス加入者数は6700万人(TCAによると)。ほぼ携帯電話所有者の9割近くが、携帯電話を使ってインターネットに接続していることになります。また、最近の高性能化でモバイルからのショッピングも多くなってきました。今後は、各携帯電話会社から第3世代携帯電話が登場し、通信速度の高速化、画面の高精細化、通話時間の長期化がもたらされ、映像・音声・GPSなどの幅広いサービスが提供可能になると思われます。
パソコンと異なりアクセスしやすいのが携帯電話の魅力です。携帯電話はいつも肌身離さず持っています。パソコンの場合、パソコンの前に行き、電源を入れ、起動するのを待って...といった待ち時間が発生しますがが、携帯電話はバッグやポケットから携帯電話を出せばすぐ使える状態です。 携帯電話はキーボードを持たないため、キー入力に時間がかかります。入力速度を極めてもパソコンのブラインドタッチにはかないません。その為の工夫としてホームページアドレスを短くしている場合が多いです。また最近は、短いメールアドレスを広告に掲載し、メールを送るとホームページアドレスをメールで届けてくれるサービスを提供している企業が増えてきました。集客もしやすく、広告効果も測れて一石二鳥です。
通販の受注と言う面では、パソコンと同じで申し込み内容がデータとして手に入るので、データ入力作業分の人件費がかかりません。
デメリットは、小さい画面と遅い通信速度に対する対応です。商品説明を詳細に入れたいが、1ページあたりの受信できる容量に制限があるため、文章や画像を削らなければなりません。また、精細な画像を掲載したいが、お客様側にパケット代の負担が大きくなったり、通信速度が遅いためになかなか表示されない事もあります。前者は携帯電話会社間の競争原理。後者は第3世代携帯電話の登場で改善されていくと思われますので、今は我慢の時期でしょう。第3世代携帯電話は、データ通信の速くなり、映像、音楽などのデータ量が多いサービスが提供される予定です。auは既にcdma1x WINのメールとEzwebに限って定額パケットサービス「ダブル定額」を提供しています。NTT DoCoMoもFOMAで定額パケットサービス「パケホーダイ」を導入しました。
もう一つデメリットと言うか大変なことがあります。端末によって若干使用が異なる点です。せっかく作ったページも携帯電話によっては見えたり見えなかったり、画像が大きすぎてはみ出たり...様々なトラブルが発生します。そのため、実際の端末で試してみるしかありませんがそれでは大変です。携帯電話端末を貸し出してくれる企業もあるが、費用面でどうか困った問題です。
携帯電話については、パケット代を企業側が負担するサービスは、NTTコミュニケーションズが提供しているOCNパケットフリーサービスしかありません。他の携帯電話会社では提供していないようです。もし、iモードだけでなくEzweb、J-Skyでもオンラインショップを開設している場合は、特定の携帯電話だけ優遇するため使いにくいサービスです。こちらもモバイル限定のインセンティブ(特典)でカバーすると良いでしょう。

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