第3期電飛戦の自戦記~VS白狼 ルーポさん戦~

今回は2023年7月9日に対局のあった、第3期電飛戦の自戦記を描いてみようと思います。
本棋戦は電子れいずさん(Twitter:@de_re_shogi)主催による、級位者による棋戦となっています。
本譜の対局の様子はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=fuTO30vDEyE&t=5685s)をご覧ください。

本記事では1局目の対局となる、白狼 ルーポ戦について振り返ろうと思います。

・事前準備

白狼 ルーポさんと対局するのにあたり、一応事前に確認できる棋譜(Lishogiでの棋譜のみですが)を拝見して何となくの雰囲気を掴もうと思っていました。
色々棋譜を見て思った結果が、居飛車も振り飛車も指せるオールラウンドで、力戦模様が得意そうだ、ということでした。
事前準備の段階では何が飛んでくるかわからないから却って対策せず、普段通りの準備をしようと思ったところでした。

・対局

さて、ここから実際の対局について振り返ります。
振り駒の結果、後手番となりました。
ここからは実際の局面を見ていこうと思います。
初手から▲5六歩、△3四歩、▲5八飛、△3五歩、▲4八玉、△3二飛(図1)と進みました。

図1 6手目 △3二飛まで

先手が中飛車宣言をしてきた際には大体三間飛車にしてます。
石田流に組みやすいのと、浮き飛車に構えた時に結構5筋の歩が中飛車から切りにくいので、よく用いる戦型です。
その後、▲3八銀、△6二玉、▲6八銀、△3四飛、▲5七銀、△3三桂(図2)と進みます。

図2 12手目△3三桂まで

△3三桂は石田流を目指すのと同時に▲5五歩~▲5六銀~▲4五銀と飛車を狙ってくる筋から守っている手です。
ただ石田流を目指すには左銀が出遅れてるのが少しこの状況では懸念点ではありますが、先手の角道が空いてないので、まぁ大丈夫だろう、という感覚でした。
その後、▲5五歩、△5二金、▲5六銀、△4二銀、▲7六歩、△7二銀、▲9六歩(図3)と進みます。

図3 19手目 ▲9六歩まで

さぁ、相振り飛車における端歩問題です。
こちらは美濃囲いを目指しているところになるので、この端歩受けるか受けないか問題は毎度悩みます。
有識者によると、美濃の時は端歩は受けないほうがいい(美濃囲い自身が端攻めに弱いところがあるから)、金無双、右矢倉の時は受けて大丈夫、ということだったので、本譜は受けずに逆に△1四歩と突きました。結果その後、お互いに端歩を突き越す形となりました。
△1四歩、▲9五歩、△1五歩、▲7五歩、△7一玉、▲6五銀(図4)となります。

図4 25手目▲6五銀まで

この後△8二玉と美濃に入城したわけですが、このあとの読みとしては
・▲3九玉~▲2八玉と美濃に囲う手
・▲7八飛と振り直してから▲7四歩
このどちらか、という読みでした。
囲い合いになった時がちょっと悩ましいかなぁと思っていたのですが、一応△1三角~△3六歩とするつもりでした。
▲7八飛とされた時はちょっと右矢倉に組みにくい形だし、先手の左銀の圧が強いので、しばらく受ける方針かなと思っていました。
一応一旦落ち着けば石田流本組を目指す手もありますし…。
本譜はここで▲7四歩でした。手抜くのはさすがにないし、何ならそのまま右矢倉にできそうなので、本譜は同歩と応じ、続いて同銀でした。(図5)

図5 29手目▲7四同銀まで

本譜はここで△同飛車と応じて銀得になりましたが、私は私の中盤力を一切信じていないので、銀得したから優勢だろう、で指すのではなくて、一層注意を払って指す方針にしました。
以下、▲4六歩、△1三角、▲5六飛、△3四飛、▲5八金左(図6)と進みます。

図6 35手目▲5八金まで

この局面で考えた手は2パターンありました。
・本譜の進行通り、3六歩と歩を切って持ち歩を増やす手
・△4四歩と左銀を使いやすくする手
△4四歩としたときに5四歩と突いてくれれば、△同歩、▲同飛に△4三銀あるいは△5三銀と上がれるからいいかなとは思っていましたが、突いてくれなかった場合、具体的には飛車の転換をされたり、角を使われるような手をされるとちょっと自信が持てなくなりそうだな、と判断をして本譜の進行を選びました。
まぁ結局本譜の進行でも△4四歩を突いてるんですけども。
△3六歩以下、▲3六同歩、△同飛、▲4七金、△3四飛、▲3九玉(図7)と進みます。

41手目 ▲3九玉まで

ここで先ほど一瞬話題に上がった△4四歩と突きました。
ここでは左銀を使うというよりは1三の角の利きを活かして攻めていこう、の意のほうが強かったです。
4五の地点に飛車or金がいれば切っていこう、っていう感じですね。
ちょうど2歩あったので、4筋突き捨てて、垂らしていけば思惑が上手くハマりそう、という感じでした。
△4四歩以下、▲5四歩、△同歩、▲同飛車、△5三銀、▲7四飛、△7三歩、▲7八飛(図8)と進みます。

図8 49手目▲7八飛まで

図8の段階で先手からの攻めの手が止まったので、ここから先ほどからやりたかった手を実行しました。
△4五歩と突く手ですね。
同歩と取れば垂らされるし、放置すると4五歩が結構痛そうだし、じゃあ変わる手…というのもちょっと難しい局面かな、という感じではありました。
今思えば、△3七歩と叩いて、▲同桂なら△3六歩、▲同金、あるいは同銀なら△2五桂、みたいなのもありましたかね?何しろ攻めは切れなさそうではあります。ただ本譜の進行にしろ、上に書いた進行にしろ、駒を渡しそうな攻めになるので、攻め間違えた時に一気に負けになりかねないので当然ながら注意は必要ですね。
本譜は結局ですが、△4五歩、▲同歩、△4六歩、▲3五歩、△同角、▲3六金、△4七銀打、▲同銀、△同歩成、▲4八金、△5七角成(図9)にて先手の投了で勝ちとなりました。

図9 投了図

△4七銀打と銀得を活かした攻めが活きたのが良かったという感じがあります。
投了図以下は▲5七同金、△3六飛と金を取った時にどう寄せの構図を描いていくか、という感じでした。
先手は間駒をしないといけないですが、角で間駒をするわけにはいかないので、歩か銀で間駒をしていく感じになると思います。
どちらで間駒しても最初は△5七と、と金を取って、という感じになると思うんですが、3七に間駒しなかったほうの駒を打って、△3四飛と引いて、そこからと金を4七に戻したり、2五桂と跳ねて数を足したり、みたいな感じになるんでしょうか。

・一局を振り返って

本譜は先手中飛車、後手三間飛車の相振り飛車となったわけですが、三間飛車らしいフットワークの軽い指し回しができたかなと思ったところです。
駒得してから丁寧に慌てる必要ないから丁寧に指そう、という方針が最後まで活きた対局だったと思います。
普段からこう丁寧に指すという方針で続けられれば、なおいいのにな、と改めて思った対局でした。

次は対四宮式さんの対局について振り返る予定です。
早めに書けたらいいなとは思ってはいます。

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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それではまた次の記事、あるいは配信でお目にかかれたらと思います。
ありがとうございました。
おやすみなさいませ。

2023/8/5 雲雀 信龍

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