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「ユーザー」という言い方、やめませんか?

「マーケティング」(ここでは、集客、宣伝、という意味で使っています)、とくに「デジタル」の領域で、よく(内部で)使われる用語に、
ユーザー
という言葉があります。
”中の人”なら、何気なく使っていると思いますが、”中の人”ではなくなって、消費者に近い感覚を持っている今の私からみると、違和感、もっと言えば、よくないイメージを持つ言葉に思えちゃうんです。この「ユーザー」について、考えてみます。

ツールの影響、それと...

ホームページ、ECに関わるひとなら使ったことがあると思いますが、そのページの訪問数、クリック数、成約数などが見られる、所謂「分析・解析ツール」が存在します。そこで使われる用語が、「ユーザー」です。ホームページへの訪問者、購入・申込などをしたいただいたお客さま、その対象となるWEBサイトに接した人を「ユーザー」という言葉で表現します。

デジタルツールの言葉≒専門用語≒使っている自分、かっこいい。イケてる。
このような流れでしょうか。例によって「カタカナのマジック」でもありますよね。なんだか「スマート」な感じがしてくるのでしょう。

そのツールを使いこなし、慣れてくるとさほど違和感を持たないかもしれません。
でも、よく考えてみれば...
ユーザー、ではなくて、おきゃくさま、ですよね。
言葉だけで考えてみると、おきゃくさまに対して、「ユーザー」という呼び方はどうなのかと思ってしまう...

ケースによっては、
・購入・申込いただいた場合は「おきゃくさま」または「顧客」(←これは、あたりまえ)
・WEBサイトに来たけど、帰っちゃったら「ユーザー」
と使い分けている人もいます。

でも...
ECサイトを「お店」と考えてみれば、入り口から店舗内に入ってきた時点で「おきゃくさま」ではないでしょうか?たとえその場で買わなくたって。「内部」用語では、「来店者」と呼ぶかのかもしれませんが...

「ユーザー」と「おきゃくさま」の間に

※ここからは(特に)、「個人の感想」です。
ユーザー、つまり利用者、というと、「開発者」とか「提供者」に対する言葉であるようなイメージがあります。話の主体は「ツール」であって、提供されたツールを使う人、これ以上のイメージは膨らみません。
そこには「おきゃくさま」、あるいは、「将来おきゃくさま=購入していただく=になる可能性がある訪問者」に繋がる感覚がないんですよね...開発・提供されたツールを検証のために「使う」専門家、そのツールをメンテナンスするために「使ってみる」技術者とあまり大差ないようにも思えちゃいます。
仮に、ECサイトに来て買わなかった方であっても、
数多あるWEBサイトから選んでこのサイトに、わざわざ、きていただいた、大切な「おきゃくさま」
という感覚を持っておくことは、商売・ビジネスに携わるものとして、大事なんじゃないかなあ、と思います。

せめて「カスタマー」

「今」買ってもらう人、だけじゃなくて、「未来」のおきゃくさまへの「接客」って、とても大切だと思っています。(私には経験がありませんが)実店舗をされている方は、よくわかってらっしゃる(あるいは、当然だと思われている)ところかと思います。

同様の場面で使われる「カタカナ」として、
カスタマー
があります。ユーザーとカスタマー、これを比べてみると、
・提供側の設定、思惑通りに使ってもらう場合=「ユーザー」
・おきゃくさま側の使いやすい通りに、思い通りに使っていただく場合=「カスタマー」
という違いがありそうです(※これも「個人の~」です)。

「カスタマー」も、専門用語っぽさは少し残るものの、「ゲスト」要素も感じられ、「ユーザー」よりは、よいと思います。”ヒト”を感じることができます。

…さて、自分はどうだろう。「ユーザー」を不用意に使っていないか...
「私は、(お気に入りの場所、食べ物など)の”ヘビーユーザー”なんですよね」
使っている、けど、少し自嘲気味に、コトバアソビ的に使うことが多いかもしれない。

でも、他人から「君は、○○ユーザーなんだからさー」って言われると、いい気はしないですね。うん、「ユーザー」はやめましょう。「内部」で意思疎通に使う場合だけで。


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