寝付けぬ夜に見た夢

知っている道だと思っていたら、手前で曲がり損ねていたようで、ずいぶん遠くまで来てしまったようだ。
家から遠い、としか認識していなかった高校の制服を着た少女たちが大勢歩いているので間違いない。

来た道を戻る途中で中学校の同級生の三人組に会った。そのうちの一人は苗字が変わっていた。どうやらお婿さんになったらしい。

さらに道を戻ると気になる小道があった。そこには、こじんまりして風情のあるお寺があった。そしてその裏にはお墓があった。
そうだ、こういった気になる小道の先にはお墓があるのだ。

そしてこの三人と私は、このあと赤と黒の二匹の大きな狛犬が棲みつく異次元に迷い込むことになる。

一方パリでは母とルーブル美術館に行った。
エジプトの猫の彫刻を見たくてそちらの方向に行くと、途中にレストランがあった。
レストランは、ロートレックのムーランルージュのポスターに出てくるような紳士淑女で賑わっている。

生ハムがぎっしりと詰まったタルトが美味しそうだ。生ハムではなくローストビーフだったかもしれない。
母と私はそこでデザートのバイキングを頼んだ。デザートバイキングの最初のプレートでは、しょっぱい系のタルトも食べられそうだったからだ。

最初のプレートには、生ハムのタルトや焼き鯛がついてきた。焼き鯛の骨の部分は揚げてあってサクサクしていた。

その鯛の残りの身を食べているところへ、知り合いの寿司屋がやってきて、鯛の身に醤油につけて食べてごらんよ、と言った。
彼は残りの身に醤油をつけて適当に食べてしまうと、ウェイターに皿を渡して下げさせてしまった。
まだ食べられる身があったのに、新しいものを頼もうとしたらしい。

しかし次にウェイターが持ってきたのは、甘いお菓子の盛り合わせだった。
しょっぱい系のプレートは最初だけだったのだから当然である。寿司屋はそのことを知らなかったのだ。

私と母はまだ口がしょっぱいものを欲していたが、甘いお菓子を堪能した。

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