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カーボローディングって?

トライアスリートやウルトラマラソンランナーならよく耳にする「カーボローディング」という栄養摂取テクニックですが…殆どの人は目的や効果をよく知らないまま「レース前は糖質どか食いだー!」とやっていたりします…

・そもそも何目的でやるものなのか?
 人間の身体は糖代謝に必要なグルコースを肝臓と筋肉に蓄えておくことが出来ますが、貯蔵量は通常、肝臓に100g程度、筋肉には総筋肉量の1〜2%程度(成人男性で250g程度)
 血糖値が半分以下になると、大脳は正常なエネルギー代謝が出来なくなって精神障害を引き起こすし、その前に身体は自由がきかなくなります(低血糖症)。この身体のガス欠状態(ハンガーノック)を避けるために、グルコースを通常の貯蔵量よりも大量に体内に貯蔵させるために行う栄養摂取方法のことをカーボローディングと呼んでいるのですが...実は万人に効果のあるセオリーが確立されているわけではないのです…

・代表的なやり方は?
 カーボローディングが初めて公表された1970年代後半頃のやり方
決戦日7日〜4日前:食事制限(高タンパク&低糖質)500kcal程度の運動
決戦日   3日前:高糖質食材摂取、運動は体をほぐす程度
決戦日      :通常の朝食以降レース中は糖質と水分を適時摂取

 最近では10日かけて糖質摂取量をギリギリまで下げて、決戦前日のみ炭水化物を中心に平常時の2.5倍程度の栄養摂取を行なう方法が用いられることが多いようです。

しかし…実際には糖質の摂取量が多くなろうと少なくなろうと、経口摂取する糖質はインシュリンの働きによって適時脂肪酸化され、体内のグルコース総量はほとんど変わらないという見解も示されており、瞬間的に特殊な食事方法を実施したところで決戦用の糖質貯蔵庫が出来るかどうかは定かではないのです。

決戦前日にはストレスを感じない程度に好きなものを食べて、精神的な安定を図り、決戦日の朝食は胃腸の負担を最低限に止めるようにしておいて決戦に臨む。実際にはこれで十分なはず。
 少なくとも、運動量の観点から言えば連続4時間以下の運動なら、体内に普通に貯蔵されているグルコースだけでも十分にまかない切れるので、それ以上の長時間運動するときは補給しながら運動を続ければ良いだけとも言えます。

「私の体にはしっかりと糖質が貯蔵されている」という精神的作用の方が強いのではないでしょうか?

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