死とはなにか

今朝起きると
父親から電話があった。

寝ぼけながら出ると、
祖父の具合が悪いとのこと。

夏頃から食べ物を受け付けなくなり、
痩せていった祖父。
もう90を超えている。

2週間後に私は祖父の元に遊びに行くことになっていた。

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私は昨日、
なぜだか家系図を眺めていて、
祖父の家系をたどって
自分のルーツ、先祖について考えていた。

昨晩の夢に祖父は出てきた。
「会いに行くね」と私が言うと、
「いいや、来んで良い。
 その代わり、nocoroは美味しいものを食べなさい」
と言ってきた。
厳しく優しい祖父。
言ったら聞かない。
スパっと言い放ったら、さっさと私を背にして行ってしまった。

今朝の電話を受けた時点で、
祖父の意識は途切れ途切れになっている。
今すぐ発てば、半日で祖父の元に行ける。
意識があるうちに
間に合うかも知れない。

でも昨晩の夢を考えてやめた。
祖父は意識が無くなりそうなところに来てもらうより
私が美味しいものを食べて喜ぶことの方を求めている。

素直に私はお気に入りの店でランチを食べることにした。
ランチを食べていると
父からLINEが届いた。

「危篤になった」

祖父に残された時間はわずかだ。

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祖父は過酷な人生を送ってきた。
仕事で満州に行った両親と別れ
小学生の時から両親と離れ一人暮らし
ようやく帰ってきた父はすでに重い病にかかっており
その父を看取ったのも祖父。
その後に戦争、原爆。
波乱万丈な戦後を過ごした。

苦労しながらも子どもに恵まれ、孫も9人。ひ孫は14人。
皆定期的に祖父母の家を訪ねる
孫の私からみても素敵な家族が出来た。

祖父の家に遊びに行くと、
剣道の稽古をしていたり、友達と囲碁をうっていたり。
あまり口数は多くなかったけれど、
とても可愛がってくれた。

そうか。
そんな祖父とお別れするのか・・・

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たった今
訃報が入ってきた。

肉体から、祖父の魂が抜けた。

私はまだ実感が湧かない。

父から、また母からも電話が入った。
葬儀の準備やもろもろの手配を淡々とこなしているよう。

祖父の葬儀により
久々に
全国に散っている親族、家族が集まる

悲しいけれど、
久しぶりに皆に会えるのは嬉しい

いろんな感情が混ざり合う

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じいちゃん

じいちゃんは幸せだった?
私が最後に会った時のじいちゃんは、
数か月前に私が持って行った日本酒を
私の父と
機嫌良く嬉しそうに飲むじいちゃん

うまいなぁ。うまいなぁ。

そして、
さっと寝床に入るじいちゃん。

帰る時も
「気を付けて帰りんさい」
と言い残し、さっと立ち去るじいちゃん

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ちょっと調子が悪くなってきた
そう聞いてから
一瞬で行ってしまった

いつもさっと軽やかなじいちゃん。
さすがだね。
格好良いです。

だいすきだよ

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