野田映美+高寺あずま

のほほん派イラストレーターの野田映美と、ぼんやり系ライターの高寺あずまが、新宿界隈をふらふら歩いて、気になる街角をちんたら記録します。ふたりの共著『ネコと読む『方丈記』に学ぶ〝人生を受けとめる力〟』も文響社から好評発売中。

プレイスポットデイトライン、または新宿二丁目盛衰記(その1)

紀伊國屋書店新宿本店1階には「新宿の棚」というコーナーが設けられており、『ノルウェイの森』や『ゴールデン街コーリング』のような小説、『台湾人の歌舞伎町』や『新宿駅大解剖』といったノンフィクションなど、新宿にまつわる多種多様な本が並んでいます。

脇にいるのは創業者である田辺茂一さん(を模した人型のパネル)。往時の新宿を豊富なエピソードとともに活写した名著『わが町・新宿』も、数年前、当の紀伊國屋書店

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紀伊國屋書店の文庫売場、またはケッチャム王子の異常な愛情

本を買うとき、7割方は紀伊國屋書店新宿本店で済ませます。近場にあること、品ぞろえが充実していること、このふたつが主な理由です。

本といっても新刊と既刊の両方があるわけで、とくに後者にかんして、紀伊國屋は頼りがいがある。数年前に出た本が当然のように棚に並んでいるので、わざわざ取り寄せる必要がありません。その場で買って、すぐ読める。このシンプルさがよいのです。

「Amazonつかえばもっと楽じゃん

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紀伊國屋ビルディング、または前川國男の打込みタイル

NHKの連続テレビ小説『なつぞら』の主人公なつは、新宿の路地裏にある「風車」の二階で暮らしているという設定ですが、ときおりこのおでん屋でビールをかたむけ、ほろ酔い加減でたのしそうにしているのが「角筈屋」の茂木社長。

新宿の地誌を愛するみなさんなら先刻ご承知でしょう、角筈屋のモデルは紀伊國屋書店、茂木のモデルは創業者の田辺茂一で、経営者としてはもちろん、新宿を盛り上げた文化人として(そして希代の遊

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