Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン 感想(ネタバレあり)

今回は、ゲーム作りから離れて、FGOソロモンを観てきたので感想を……。

公開から一ヶ月ちょっと、もうすぐ二か月になろうとしているので、ネタバレも含めて書いていきます。

公開初日になんとなくの話の流れで後輩と観てきました。

90分での構成の中で、アレをどう作り上げるのか……という不安と期待を抱きながら鑑賞。

結論から言うと……

最高でした


劇場版ではぐだ、マシュ、ロマニ、ダヴィンチの関係に焦点を当てて……となっていましたが、基本的なものはゲームと全くと言っていいほど同じ。いい意味で。

さらにアニメーションならではの細かい動きや表情の変化といったものがゲーム版を想起させながらも、繊細な表現になっており、より感情に訴えかけてくるものになっていた。

そして、何よりボイスがつくことで、キャラクタに生命が吹き込まれ、重ねて突き刺さる。

ここからは内容を出しながらいろいろ書いていく。正直、まとまりはないが、とりあえず、抱えているものを吐き出すつもりで……。

序盤、冒頭でマシュとソロモン(ゲーティア)のやり取り。正直、既に展開が分かっており、マシュとソロモン(ゲーティア)の出す答えの違いが分かっているからこそ、ボイスやアニメーション表現になることで、重みが増し、特にマシュのセリフが突き刺さる。

僕はこのシーンで既に泣きそうだった。

そして、決戦前夜で新礼装。『七天礼装』というもので、ダヴィンチちゃん曰く、「生き残るためではなく、戦うための礼装」とのこと。
マシュの助力なしに、七騎まで英霊を簡易召喚できる。
だが、装備者の神経を魔術回路とする為、七騎召喚には相当の負荷がかかるとのこと。一応、安全装置はあるので、死に瀕することはないらしい。
これ、ゲームでも実装されてたら、どうなったんでしょうね……。

いよいよ、突入。

まずはみんな大好き総力戦。
あの伝説の「1秒間に44体討伐」や数々の名言が生まれたリアルタイムイベントのシーン。


ゲーム版を知らない方に向けて書くと、2016年の12月下旬に、全プレイヤーが協力して魔神柱を討伐するリアルタイムイベント(メインシナリオ)が開催されました。
しかし、この魔神柱が落とす素材が不足しやすいもので、手に入りにくいこともあって、特にバルバトスという魔神柱がものすごい勢いで狩られました。これが上記の「1秒間に44体討伐」です。

体力を消費しながらも英霊を召喚し、戦っていくぐだたち。
劇場の大スクリーンだからこその迫力が良かった。

そして、今までの特異点で縁を結んできた英霊たちが集結。
……こんなに多かったか?と思いつつも、見返すと意外と多い。
そして、喋るのも、ゲーム版と同じ英霊のみ。
全員喋ると、キャスト抑えるだけで費用がね……。
そんな援軍もありつつ、マシュとぐだは先へ……。

カルデアと最後に通信をするシーン。
ここからは、本当にアニメーションになってよかったと思えるシーンの連続。
立ち絵、じゃなくて、セリフに合わせてしっかりと細かく表情が変わることで、マシュの決意、ぐだの戸惑い……そういったものが明確になっていてグッときた。

そして、いよいよ玉座へ。

ソロモンと対面し、彼の魔術王の正体をとこの場所の真実を知る。
それは、ソロモンが組み上げた魔術式であり、憐憫の人類悪・ビーストⅠ。
その名を人理焼却式・ゲーティア。
ソロモンと同じ視点を得たことで、苦しみながら死に向かっていく人間の生に憐憫を抱き、これを否定するもの。
特異点を造り出し、あらゆる人類史からエネルギーを集め、光帯を造り出すことで、それを燃料に地球誕生の瞬間に還り、自らを星とするこで、死の概念を失くそうとした。
その功績故に、ビーストⅠとなるわけだが、それはカルデアによって修復されることになる。

そして、今立っている場所こそ、ソロモンの第二宝具『戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの』による固有結界である。

非情にも、第三宝具『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの』は装填され、放たれる。
だが、マシュはそれを自らの宝具『いまは遙か理想の城』で防ぐ。
第三宝具は世界の全てを焼き尽くす熱量を持っており、物理法則の上では、世界のどこにもそれを防ぐものはない。
しかし、マシュのそれは『精神の護り』であるが故に、彼女の心が折れなければ、それはどんなものをも防ぐ盾となる。

ここのシーンは本当に良かった。

動きが付くだけで、こんなにも情に訴えかけてくるのかと。
最期にぐだの方に向いて、微笑むところは号泣。
ここの「ただの、ごく普通の女の子だったんだよ、と――――」の所に杉田智和の声が付いたのが個人的にはめちゃくちゃよかった。

さらにここで、『色彩~雪華の盾~』が流れたのがよかったな、と。
このシーンはこの曲以外考えられなかったので、本当にうれしかった。

遺された盾を引きずってゲーティアを殴ろうとするところでロマニ登場。
レイシフト適正がないと、そもそもここには来れないと思っていたが、ゲーティアは彼が本当のソロモンであることに気付く。

聖杯への願いを破棄して、魔術王ソロモンとして対峙する。

真の第一宝具『訣別の時きたれり、其は世界を手放すもの』はゲーム版より描写が追加されており、彼が天へと放り投げた十の指輪を両手で受け止める、という具合で、解放されたその指輪はゲーティアごと玉座に飛んで行った。

結局、この第三宝具はソロモン王がかつて神に全能の力を返したという逸話を再現するもので、攻撃的要素はゼロ。ラストの玉座に指輪が残っていた描写の為の布石として描いたと思われる。
これにより、ソロモン王の痕跡は抹消――――つまり、ソロモン王自身が英霊の座から降りて完全消滅する。以降、ソロモン王の偉業が現れることはなく、誰も、彼の魔術王の力を借りたり使ったりすることが出来ない。

ここでゲーム版ではぐだとの会話の際に、一度、ロマニの姿に戻っているが、劇場版ではそのままだった。ただ、喋り方などはロマニだった為、ソロモン=ロマニ がより明確になった……という事だろう。
「僕の事は気にせず、完膚なきまでに完全な勝利を」が無かったのはちょっと残念……(聞き逃したか?)
ただ、ぐだの「いってきます……ドクター……」は良い選択だった。

ここで、ぐだが本気をだして、羽が生えてくる(?)嘘だと思うが、本当の事だ。さらに、安全装置を自ら壊して残り全ての『七天礼装』を使って英霊を召喚。
なんと最後に召喚したのはあの巌窟王。

いや、お前が戦うんかい!

より

巌窟王来るんかい!

の方が大きかった(笑)
最終決戦テーマはもちろん『色彩~訣別の時きたれり~』である。
もう、何か、感動のシーン連続で、スクリーンがよく見えなかった気がするが、ぐだというかカルデアが勝利を収める。

英霊を使役するとマスターへの負担が云々とあったが、今回は『七天礼装』があることで、その辺りが分かりやすく描写されており、満身創痍であるということが分かりやすくなっている。

あと、書き忘れたが、ビーストは『ネガ・○○』というスキルを所持しており、それぞれが何を否定したかによって異なる。
ゲーティアが持つのは『ネガ・サモン』であり、ゲーム内では描かれなかったが、召喚した英霊をそのスキルによって消し去るシーンがあったのもよかったと思う。

その後は、人王となったゲーティアと殴りあったり、崩壊に巻き込まれかけた時にマシュに助けられたりして、エピローグへ。

ここからの流れもゲーム版と同じ。

エンディングもゲーム版と同じ愛弓さんの『Eternity Blue』で、エンドカードの後に、マシュが蘇った理由が描かれる。
結論から書くと、フォウ君に助けられたわけだが、彼はプライミッツ・マーダーと呼ばれるものであり、死徒二十七祖の第一位である。この辺の設定は月姫の話であり、リメイクでは外されている。
FGOにおいては、人類悪の一つ「比較」の理を司るビーストⅣである。
人類に対し絶対的な殺害権を持つ。
本来は、憎しみなどの負の感情によって成長し、獣となるのだが、出会ったのがマシュとぐだであり、人間の心の清さや正の感情に触れたため、発現することなく全ての力を以てマシュを救う。
これにより第四の獣は倒され、フォウ君はただの動物になった。

という経緯だが、これはゲーム版の方が分かりやすかったかな?と思う。

そしてED後に、ロマニとダヴィンチちゃんのやり取りの様子まで描かれているのもゲーム版と同じ。


という感じで書きたいことを書いたが、再三書いたように動きやボイスによって、感動に深みが増し、より物語へ入り込みやすかったと思う。
また、上手くあの話を縮小しており、90分という時間で必要な個所が漏れなく描かれていた。

奈須きのこ氏のシナリオは映像にしにくい、とまで言われるが、非常に満足できるクオリティだった。

久々に映画館まで行ってみたのだが、かけたお金も時間も全く無駄ではなかった。

では、また次回。


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