「女だから」は波打ち際の砂の表情のように消えていくのか

西武・そごうの元旦広告が話題になっているようだ。

パイ投げのパイを顔面にぶつけられた後であろう女性のイメージに3つのコピーが重なる。女性の右の余白には大きな文字で縦書きの、「女の時代、なんていらない?」(①)そして左下にはそれより小さな文字で、以下の文言(②)。

「女だから、強要される。
女だから、無視される。
女だから、減点される。
女であることの生きづらさが報道され、
そのたびに、「女の時

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21世紀のロゴマニア(II) - ロゴにとってREALとは何か

(✳︎ 非常に分量が多く読みづらいと思われるので、前書きとして要旨をまとめておく:本稿は、現代ファッションにおけるロゴの使用を考察する論考『21世紀のロゴマニア』の一部として書かれた。Iでは新たなロゴの美学を象徴する例としてシュプリームを取り上げたが、IIではロゴ使用の意味と意義をその歴史を振り返って掘り下げ、現代におけるロゴ使用を代表する例としてグッチを取り上げる。そこでは、現代におけるロゴが、

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21世紀のロゴマニア(I)

1974年生まれのケイト・モスは、アンチ・スーパーモデル・スーパーモデルであった。彼女がモデルとしての仕事を始めたのは1988年のことである。クロイドンに育った少女は、すきっぱで、幾分斜視であり、80年代的な美のスタンダードに比べるとファニーフェイスといえたし、グラマラスであることが美しいという価値観が支配的であった時代に、その肢体は少年のようにほっそりとしていた。しかしこの透き通ったヘーゼルの眼

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Vaporwaveと革命の A E S T H E T I C

Vaporwaveという音楽の存在について少し調べていた。音楽的には、1980-90年代の大量消費社会から生まれた耳馴染みの良い音楽を、ピッチを変え、スローにするなどした(こうした変形の様式をスクリュウと呼ぶ)形でサンプリングし、ループさせるといったていのものである。聴いているとノスタルジックな気持ちになると同時に、なにか不安をかきたてるところがある。
 サンプリングソースは害のないポップス、企業

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『オーセンティシティについて』について

ファッション批評誌Vestojの第8号特集は『オーセンティシティについて(On Authenticity)』であった。「オーセンティシティ」は「オーセンティック」であることであり、「オーセンティック」というのは「起源のはっきりとした」「真正な」という意味を表す(OED)。ファッションをこの言葉で分析しようというのは面白い試みに思える。実際に、現代ファッションにおいて「オーセンティック」であることは

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翻訳 :「オーセンティシティについて」 « On Authenticity » (Vestoj)

この記事は公開を終了しましたが、個人的なアーカイブとして置いてあります。理不尽な値付けはそのためです(設定できる最高額にしてあります)。万が一にも無いとは思いますが、購入はご遠慮ください。

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