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獣になれない私たち倉庫

獣になれない私たち
2018年10月期、NTV水10ドラマにて放送したオリジナルドラマ。獣のように生きられない大人たちがクラフトビールバーを舞台に繰り広げる、ラブかもしれないストーリー。全10話。第56回ギャラクシー奨励賞、第37回 向田邦子賞受賞。
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脚本
▪️獣になれない私たち シナリオブック(河出書房)
カットになったシーンも含んだ脚本を掲載。作品内に登場したビールリストや、5tapほかセット図面も付録として掲載しています。あとがきでは、作品の成り立ちから、登場人物やキャストのこと、水田演出の唸りポイント、撮影裏話などなど結構な長さで書きました。また、月刊ドラマ2018年12月号 の野木亜紀子シナリオ特集のインタビューでも本作についていろいろ答えてますので興味がある方はどうぞ。

DVD&Blu-ray BOX
オンエアの最終話は、尺の都合でとあるシーンがまるっとカットされていました。晶と恒星それぞれが爆弾を投げた後、二人で5tapで飲むシーンがそれで、あの日の後悔についての結論も語られていたりします。円盤はそのシーンを戻したディレクターズカット版で収録しています。映像特典の、新垣さんと龍平さんのゆるいインタビューが楽しいです。

■配信
Huluや各種配信サイトで時期によって配信したりしなかったりしています。日テレですが続きはHuluで!なスピンオフはありません。

ビールのこと
キャストやスタッフ、作品全体のことはシナリオブックで散々語っているので、ここではビールのことなど。放送時のモーメントを置いておきます。

学生時代、ビールが苦手だった。卒業後に番組制作会社で、ドキュメンタリーのAD兼APとして働くことになった。担当した二作目の仕事が『人間国宝 吉田簑助の人形芝居紀行』という4夜連続番組で、日本全国津々浦々の祭りに、ロケハンと前乗り準備と当日撮影というように幾度も訪れることになった。祭りの取材となれば町内会の皆様との親交は不可欠だ。どこでも必ず宴席に誘われ、必ず「飲んで飲んで!」と瓶からビールを注がれてしまう。酒が飲めないのなら無理して飲むことはないが、ビールが苦手なだけなので好き嫌いの我儘をいう場面でもなく、心の中で「不味い」と思いながらも注がれるビールを飲み続けた。するといつの間にか「喉が渇いているときのビールは美味しい」になり、気づけば「ビール美味しい」になり、今では「ビールって本当に美味しいですね!!!!!」になっている。ビールは慣れです。苦くない飲みやすいものからチャレンジしてみてください。前述のモーメントにそのあたりのことも書いてあります。

向田邦子賞の授賞式でもビールにちなんだネタがいくつか。

アップルホップも大三Gのバーレーワインも美味しいので機会があればぜひ。ベストアロマグラスは使い勝手がよく自宅でも使っています。あげた人からも好評です。サイズ感は『重版出来!』の松田先生のツイートをお借りして。入れようと思えば350mlまるまる入ります。キッカちゃん可愛い。

余談ですが。ドラマの中に出てきたナインテイルドキャッツの元ネタ、ナインテイルドフォックスは、10年以上前、頻繁にビールイベントに顔を出していた頃に会場で知り合ったビール大好きご夫婦たちに教えてもらったビール。一緒に町田のビールイベントへ行ったり洞窟探検したりした。ヤンシナ受賞の時にいただいたナインテイルドフォックス2010はまだ飲んでいない。あの頃の皆さんお元気ですか。私は元気です。突然の私信。しかし最近は酒を飲む暇がなく、イベントにもまったくいけてない。若い頃はお金がなくて自由に酒が飲めず、今は仕事に追われ時間がなく加齢も手伝って大して飲めない。人生とはそういうものだ。

雑記
シナリオブックのあとがきを書く書く言いながらも、罪の声の脚本執筆に追われてまったく進まず、予定より大幅に出版が遅れてしまった。ようやく校了にこぎつけた4月の終わり、向田邦子賞の受賞が決まり、本の帯を急遽受賞バージョンに差し替え。帯の下版前日というミラクル。河出書房さんがその日のうちに新しくデザインしてくださった帯はこちら。

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シナリオブックのお話は、放送中の11月末頃にいただいたものの、出すとなれば仕事も増えるので正直めんどくさいなあと悩みましたが、出しておいてよかった。向田邦子賞についてはまた別の機会にヤンシナの話と併せて書こうと思ってます。とりあえず関連記事を置いておきます。

本作は新垣さんと組んだ4作目で、一人の俳優さんとそれだけの仕事をしたということは、ありがたいことです。私は新垣さんのいろいろな顔が見たいので、ほかの優れた脚本家さんや監督さんが描く役も見たいなあと思います。任天堂の新垣さんも好きだし、NYLONGMOの新垣さんも好き。ちなみに、けもなれの企画書にイメージでつけたのはNYLONのこの表紙。憂いがあって良い。

龍平さんには、この時のビジュアルがいいなあとお願いしました。

龍平さんも、作品やファッションによってまったくイメージ違うんですよね。

先日、とある若手女優さんの舞台を『清純派から卒業』と評した記事を目にしました。ところがその女優さんは、何年も前に有名監督のメジャー映画で体を張った演技をしている。そもそも清純派ってなんだ。昭和か。勝手なイメージで貼ったレッテルを元に、今更「脱した」と評されてしまうのか。清純か否か/脱ぐか脱がないか/若いか若くないかという二元論は、一体いつまで続くのか。この手の話は女優に限ったことではなく、私たちの日常にも溢れています。本作は、あらゆる“獣になれない”人たちの話でしたが、女性が背負わされる「従順であれ」「可愛くあれ」「女性らしくあれ」という言外の圧力に牙を剝く話でもありました。私たちは女性ですが、その前に人間です。

本作を応援してくれた皆様、ありがとうございました。未だかつてなく大量に長文DMをいただいたドラマでした。晶のように仕事を辞められた、彼氏と別れた、あるいは朱里のようにバイトを始めた、などなど。初回放送から早くも一年が経ちましたが、いかがお過ごしですか。人生いろいろあるけれど、ビール飲んで飯食って、ドラマ見てお洒落して、時に吠えながら、共に生きましょう。