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イーサリアムにおけるスケーラビリティ問題解決その2 -PlasmaとRaiden-

前回、イーサリアムにおけるスケーラビリティ問題解決において、ブロックチェーンにおけるトリレンマとスケーラビリティ問題における最大の障害はイーサリアムに参加する全てのノードが全てのトランザクションをブロックチェーンに乗せる(= オンチェーンにする)ために逐一承認しなければならないという点が問題だと書きました。

そのため、解決方法としては

A. 全てのノードが承認するのではなく、一部のノードの承認でオッケーにする

B. 全てのトランザクションをオンチェーンにしない

の2つの方向性があり、今回はBの全てのトランザクションをオンチェーンにしないやり方であるPlasmaとRaidenについて解説したいと思います。

Plasma

オンチェーンはオンチェーンなんだけど、全てのトランザクションをイーサリアムの親チェーン(以降ルートチェーン)に記載しなくていいじゃんという考え方です。

ちなみにこのPlasmaに関してはvoicyでも配信しましたので、良かったら聞いてくださいませ。

要するに今のイーサリアムブロックチェーンだけではトランザクションを処理できないのなら、子供や孫のブロックチェーンを生んでそいつらに処理を任せればいいじゃないか。ということです。↓こんな感じになります。(Plasmaのホワイトペーパーより抜粋)

会社で言えば、社長が一人で全ての意思決定を行うのは事実上不可能(よっぽどワンマンじゃない限りw)なので、事業部長とか執行役員に権限移譲するのと似ていますね。
社長が下から上がってきた情報のみ承認するのと同様、イーサリアムでも、ルートチェーンは子チェーンのブロック情報の内容を含んだブロックヘッダー情報のみを書き込みます。

子チェーンから上がってきた情報に怪しいところや誤りがあった場合にはルートチェーンが修正する必要があります。

Raiden

RaidenもPlasmaと同様に、全てのトランザクションをルートチェーンで処理する必要はない(=オフチェーン)の考え方に基づいています。Bのやり方です。
Raidenでは、2つのノード間で通貨をデポジットした上で、「State Channel」と呼ばれるものを開きます。
このState Channelを開いている間は、トランザクションはブロックではなく、これら2つのノードに記載されるので、ルートチェーンは膨大な量のトランザクションから解放されます。同時にノードが支払う必要がある手数料も大幅に削減できます。(State Channelの開閉時のみブロックにその情報を書き込むため。)
State Channelは2つのノードどちらかが閉じることができ、閉じた段階でこれまでのトランザクション記録がブロックに格納されます。

要するにビットコインのLightening Networkと仕組みは一緒です。

基本的には2者間で行うものなので、継続的な関係性のある会社間での支払いやサブスクリプションなんかで需要がありそうですね。

また、machine to machineのやり取りにおいても、逐一手数料を支払う必要がないため利用できるのではないかと期待されています。

ただし、これにも欠点があります。
例えばAさんとBさんがState Channelを開いています。さらにBさんとCさんもState Channelを開いているとします。この時AさんとCさんは直接資金をやり取りすることができません。AさんはBさんを仲介にしてCさんに送金することになります。(この時、もちろんBさんが送金資金を盗むことはできません。)

仲介となるハブノードはある程度ETHトークンを持っている必要があるので、ハブになれるノードが限られるという問題点があります。そういえばこの問題点もvoicyのLightening Networkの回で説明しましたね。

今日はこんなところで。

では良い仮想通貨ライフを!

書いた人

参考資料


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