【ネタバレ注意】ゲームオブスローンズ シーズン8はなぜこうも駄作になったのか?

世界的大ヒットドラマ「ゲームオブスローンズ」シーズン8、全6エピソードのうちエピソード5までが配信されました。

最終回の配信は来週まで待たないといけませんが、もう今作の評価は決まったので、感想をつらつらと書いていこうかなと思います。

端的に感想を言えば、「これまでのシーズンで描いてきたキャラクターの成長や軌跡を無視して無理やりオチにつなげた史上最大の駄作」でしょうか。、、、って端的に言えてないね。笑

これまでのシーズンが非常に面白かっただけに、この最終章での落ちっぷりが余計に際立ちました。

正直、脚本の質の低下はシーズン7で顕在化しつつありました。しかし、シーズン7はこれまでバラバラに行動していた主要キャラクター達が大集合するいわばアベンジャーズ的な楽しさがあり、その脚本の質の低下に目をつむっていたのですが、シーズン8ではその擁護もできませんでした。

これまでの5エピソードのうち、特に問題視されているのは3,4,5でしょう。

アメリカの映画・ドラマレビューサイトRotten Tomatoesでもそのような評価になっています。

ここから先はエピソード3,4,5で稚拙な脚本ゆえに、これまでの成長や軌跡を無視されてしまったキャラクターを順番に解説していきます。ネタバレを含んでいるので、未見の方はご注意を。

稚拙な脚本の被害者のみなさん

1. ジェイミー・ラニスター

シーズン7で、こんな暴君サーセイにはついていけんわ。ということで決別しウィンターフェルに到着。かつてブランを突き落とした罪もあり、処刑も覚悟していました。しかし、ブライエニーに助けてもらい、その後ブライエニーを騎士にしたり、ベットを共にしたりとこの2人が結ばれるルートでしたが、8-4で突如「サーセイは卑劣だ。そして俺も卑劣だ。」と急に自分をディスり始め、ブライエニーの元を去りました。8-5では、どう考えても勝てるわけがないユーロンを、サーセイへの愛の力で倒し、無事サーセイの下に辿り着き、二人仲良く崩れゆくレッド・キープの下敷きになりました。

ジェイミーはシーズン1ではクズキャラ筆頭でしたが、右手を切り落とされたり、ブライエニーとの交流を通じたりして、善い人に成長してきてからのこの結末ですからね。これだとシーズン8のジェイミーはブライエニーをその気にさせておいて、最後どん底に突き落としたという、シーズン1のシンプルなクズよりよりタチの悪いクズになっていました。

2. ティリオン・ラニスター

それまでは劇中の知性代表みたいな人だったのに、シーズン7から急にアホの子になり始める。キングス・ランディングを焼かないでくれ。の一点張りで、戦力を分散させて、ドーン滅亡の理由を作ったり、GoTアベンジャーズの面々に壁の向こうに行かせた結果ドラゴンを一頭失ったり、サーセイに直談判して何の結果も出せなかったりとほぼ活躍無し。シーズン8でも同様の過ちを犯した他、盟友ヴァリスをも裏切りました。

それでも、ティリオンとジェイミーの最後の会話はシーズン8における数少ない名シーンだったね。本当の兄弟かと思ったよ。

3. ジョン・スノウ

デナーリスに対し、"My Queen"を連発するただのイエスマン。挙句デナーリスに恐怖しか感じなくなった小心者。そのくせ玉座は求めないくせに、よりによってサンサに秘密をばらすおバカさん。(まぁバカは元々か。。。)

もはやドラゴンたちの前でデナーリスとイチャイチャして、ドラゴンたちに睨まれていたころ(8-1)が懐かしくもある。

お前が行動を起こせばあの大惨事は起こらなかっただろう。なにボケっと突っ立ってるんだよ。かつて身を挺して野人のキャンプに行った行動力はどこに行ったんだよ。

デナーリスに嫌な予感を感じていそうだっただけに、"You know nothing"なジョン・スノウよりタチが悪い。あの世でイグリッドが泣いてるぞ。

4. その他のみなさん

ヴァリス:あっさりと処刑されました。これまでの経緯を見るにもっと上手く立ち回る人だと思ってただけに残念。ただ単にデナーリスが狂気に堕ちるコマの一つとして使われた印象。

ブラン:夜の王に対する切り札でも持っているのかと思ったら、最後まで何もせず座っていただけの男。

アリア:殺しリストとはなんだったのか。結局リスト筆頭のサーセイではなく夜の王とかリトルフィンガー(シーズン7)とかリストとは無関係の奴ばかり殺してたね。最終回ではやっぱりリストにないデナーリス殺しそうだし。

サーセイ:シーズン8では出番少なかったね。2,3話では登場すらしない。笑
最期はもっとSAW並みに派手に処刑されることを期待していたのに、ジェイミーと仲良く逝ったので、なんか勝ち逃げ感があるよ!

5. デナーリス・ターガリエン

みんな大好きデナーリスたん。彼女の魅力はドラゴンによる恐怖だけではなく、狂王の血を引いていること、奴隷解放者、カリーシとしての慈悲、ドラゴンの母、ジョンスノウ大好き、カリスマなど様々な特性が混在していることでした。子供とワインを溺愛するだけのサーセイとは違うんだよ!

それをジョラーさんが逝ってしまった後、8-4で北の人たちからスルーされ、いくら弱っていたとはいえレイガルがいとも簡単に撃墜され、親友ミッサンディが殺され、8-5ではジョン・スノウ、ティリオン、ヴァリスに裏切られるという雑な展開により、7シーズンかけて築いてきた彼女のキャラのうち、ドラゴンによる恐怖と狂王の素質があること以外のものはわずか2エピソードで全て剥ぎ取られてしまいました。

いや、まぁシーズン7からやたら"bend the knee(跪け)"を連発してたからその兆候がゼロだったわけではないんだけどね。。。

それでもさすがにサノスばりの大虐殺はしないだろう、理性は残っているだろうと期待していました。が、結果としてはレッド・キープだけでなくキングス・ランディングを全て焼き払ってしまいました。

ファンの予想の斜め上を行きたかったのか、ドラゴンのような超パワー(恐らく核兵器の暗喩)を持った人間の本性を描きたかったのか、いずれにせよこの強引な展開に世界中がデナーリス並みに発狂しました。

change.orgというサイトではシーズン8を作り直せという署名運動が開始され、このブログを書いている現在、48万もの署名が集まっています。これだけでも世界の発狂っぷりがわかるかと思います。

また、デナーリス役のエミリア・クラークは脚本を読んだ後、茫然として3時間外に出たが、それでも信じられなかった。と述べています。自分としては、これはあまりの脚本の出来の悪さに茫然としたのではないかと邪推しています。笑

【おまけ】稚拙な脚本の中でも報われた人たち

ジョラー・モーモント:一度デナーリスから拒絶され、病気にもなって何とか治癒して戻ってきたという非常に辛い役回りだったけど、最後デナーリスを守って死ぬことができてよかったね。本望だったと思います。

リアナ・モーモント:子どもながら立派な君主として描かれてきた彼女は死に際も立派でした。まぁ2人とも死んじゃって、モーモント家は滅亡したけどね!

ハウンド:最後マウンテンと直接対決して死ぬんだろうなぁという大方の予想を裏切らなかったことに加え、苦手な炎に飛び込んで死ぬという勇敢な最期でした。また、アリアに対して「生きろ!」という力強いメッセージを伝え、アリアもそれに「サンダー、ありがとう」と答えるという映画レオンばりの絆を見させていただきました。これも数少ないシーズン8の名場面の一つ。

クァイバーン:自分が作ったゾンビ・マウンテンにあっさり殺されるというフランケンシュタインみたいなお話でした。爆笑。

ゴールデン・カンパニー:これ以上ないほどの素晴らしい出オチ

どうしてこうなった

さて、ではなぜこうもこれまでのキャラクターの成長や軌跡を無視したストーリー展開になってしまったのか。

それは、「結末ありきでドラマを描いてこなかったから」ではないかと考えています。このゲームオブスローンズは原作がありますが、未完です。そのため、シーズン5,6あたりまではほとんど原作に沿って展開してきましたが、シーズン7,8は原作者の考えを聞きつつ、自分たちでストーリーを練る必要がありました。

実際、シーズン6終了の時点でほとんどのキャラが生き残っており問題は山積みという中で、短い話数で完結させるというのは難しいチャレンジだったと思います。それでもアベンジャーズエンドゲームのようにあれもこれもをちゃんと描き切って終わらせた例もあります。

結末不在のままシーズン6まで進めてきて、原作不在の中強引にシーズン8までに終わらせなければならなかった。予め結末が決まっていたのならシーズン7,8の展開も変わったと思います。

もしくはシーズン7,8の話数をこれまで通り10話でキャラクターの心情の変化を丁寧に描くこともできたはず。8-3のLong Nightまでをシーズン7で描いて、ホワイトウォーカーとの戦いをここで終わらせ、シーズン8でデナーリス対サーセイを丁寧に描く。デナーリスを闇堕ちさせるならそれも丁寧に描く。
なんでシーズン7,8の話数がめっちゃ少なくなったのかは謎ですが。。。

これはビジネスの場でも同様で、このプロジェクトの目的は何か?この会議の目的は何か?このプレゼンの目的は何か?ということをはっきりさせなければ、たとえ途中いい感じの議論をしたとしてもいいアウトプットにはつながりません。

もっと目標や目的から物事を組み立てていこう。

ゲームオブスローンズはそんなことを教えてくれたドラマでした。笑

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nogacchi

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