Binanceの投資先Mobilecoinって何者?
先週、世界最大の仮想通貨取引所であるBinanceが投資ファンドを設立し、ブロックチェーン関連のスタートアップに投資していくというニュースがあり、我々もvoicyで配信しました。
既に4社に投資済みとのことなので、今回はそのうちの一つMobilecoinについて調べてみましたよ。(と言っても、ほとんどホワイトペーパーの要約だけどね。)
背景
モバイル環境でのブロックチェーン適用はトランザクション能力や秘密鍵の管理、さらにはモバイル特有の制約があったりすることから難しいのが現状。
当然自分のスマホにブロックチェーン情報を全て同期させることも現実的ではありません。(実際今の仮想通貨ウォレットも同期させてない。)
また、秘密鍵の管理を信頼できる第3者に依存しているという結局中央集権に頼るんかい!という問題もあります。
そのため、Mobilecoinでは、速くて、プライベートが保護されていて、使いやすく、鍵をちゃんと管理できなくても大丈夫な仮想通貨を創ろうとしています。
UXとデザイン
MobilecoinはWhatsAppやSignalのようなメッセージアプリと仮想通貨を統合することを目的としています。
具体的には4桁のPINコード入力のみで送金を可能にするとのこと。また、アプリを再インストールしたり、機種変更した時もやはり4桁のPINコード入力のみで自分のウォレットを復元できるようにするそうです。
そして、Mobilecoinは「全てのノードがネットワークに参加しなくてもいい」という点を特徴としています。
一般ユーザーはいちいちブロックチェーンの情報を同期させる必要もなければ、取引の承認に参加する必要もありません。
ちなみに、各ノード同士でどのウォレットにいくら入ってる。とか他のウォレットにいくら送った。みたいな情報も見れないようにするようです。これがプライバシー保護につながるわけですね。
SGXを使用
一般ユーザーは取引の承認に参加する必要はないとのことでしたが、じゃあ誰がそれやるのよ?という疑問が出てきます。
その回答が、SGX(Software Guard Extensions)になります。SGXはOSなどからは切り離されて特定のソフトウェアのみ動かすので、Mobilecoinの開発者自身も中身をいじくったり見ることはできないですし、安全性も高いです。
また、MobilecoinではCryptonoteが提供するワンタイムアドレスとワンタイムリング署名を利用することで、取引のプライバシーを保つようです。このCryptonoteについてはちゃんと調べたいと思います。。。
ユーザーのアカウント復旧用のPINコードもこのSGXに保存しておくようです。これにより秘密鍵やアカウント復旧用の長いパスフレーズのようなものをユーザーが自分で管理する必要はなくなります。
ウォレット
MobilecoinのウォレットはWhatsApp、facebook messenger、Signalのようなメッセージアプリと統合されます。これらのメッセージアプリを介してセキュアな送金を実現するそうです。Wechat Payみたいなものなのかしら。
まとめ的なもの
ちなみにMobilecoinのTwitterなんですが、全然呟いてません。やる気あるのかって感じですね。
GithubもないのでWalletの開発状況等も全くわかりません。
正直こんなんBinanceが投資してなかったらただの詐欺案件やろって思うレベル。
Binance的にはやはり日常的な決済で使われない限り、自分たちの事業も持続可能なものではないという認識があるからこその投資でしょうね。こういう日常的に使われることを目指す系は多分ICOもしないし、取引所への上場もしないかもなぁ。Binanceに上場してほしいけどどうなんだろ。
今日はこんなところで。
それでは、良い仮想通貨ライフを!
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