映画やアニメのワンシーンのような幸せときっと僕らは出会えるんだ

一緒にコインランドリーに行ってさ。
君の洗濯物と僕の洗濯物と。
 
洗濯機が終わるまでなんか話してさ。
話題なんてなくてもいいの。
 
ただ話してさ。
馬鹿げたことでも重たいことでも。
 
洗濯が終わったら乾燥機に入れてさ。
乾燥機が終わるまでまた待ってさ。
 
アイスなんか食べながら。
あっちーねなんて言いながら。
 
 
 
君が作るご飯は特別豪華じゃないけど。
でも他では食べられないご飯で。
 
とりわけ取り上げるわけじゃないさ。
毎回毎回写真なんて撮ってたら疲れるさ。
 
写真なんかよりも日常として体に染み込ませて。
そっちの方が僕には何倍も何倍も価値があって。
 
お肉でもお魚でも。和食でも中華でも。
イタリアンでも。無国籍でも。何でもいいんだ。
 
ただそこに何処にでもある時間が流れていればいい。
とりとめもなくて始まりも終わりもないような。
 
 
 
夏だからって言って特別に何かがあるわけじゃない。
何処に行っても混んでるし、並ぶのは疲れるし。
 
花火大会だって少し離れた場所ぐらいがいい。
本当に花火に触れたくなったら線香花火をしよう。
 
海もプールもいいけどさ。遊園地もナイトなんとかもいいけどさ。
空いてる居酒屋でぼけーっとしてるのも幸せさ。
 
君といる時間は特別だけど特別じゃない。
ずっとずっと続く時間だから下手に思い出なんて作りたくない。
 
「何処」に行ったかよりも誰とどんな感じで行ったか。
「何」を食べたかよりも誰とどういう雰囲気で食べたか。
 
そっちの方がずっと大事さ。
それが僕にとっては幸せの定義なのさ。
 
 
 
愛し合う時間だって大事。
10分で終わるようなセックスに意味はない。
 
触るとか舐めるとか挿れるとか出すとか。
重要なのはそういうことじゃない。
 
君と向き合って。裸のままで触れ合って。
ひとつひとつの行為で気持ちを伝えあえて。
 
子供を作る行為だなんて割りきっちゃダメさ。
最も愛を伝えられる方法だって思いたい。
 
 
 
いつまでも。いつまでもさ。
お互いに元気で支えあえて。
 
手を繋いで。同じ歩幅で。
一緒に一緒に歩いていくの。
 
腐りきった社会の中で。
心は腐らせずに暮らしていくの。
 
お金ももちろん必要だけど。
お金に振り回されたら人間失格。
 
君という存在と僕という個体。
ふたつ並んでいることに意味がある。
 
 
 
夏を目の前にしてウダウダしはじめた心。
梅雨が明けたって夏らしい予定は何もない。
 
毎日毎日およげたいやきくん状態。
進化もしなきゃお金も貯まらん。
 
別に俺じゃなくても良いことだらけ。
愛にだってまったくまったく満たされん。
 
誰かや何かのせいじゃない。
きっと自分が選んだ現在地。
 
どこで間違ったのかなぁ。
生きていること自体が間違いなのかなぁ。
 
 
そんな風に思うからさ。
己に可能性や未来を感じられないからさ。
 
せめて。
せーめて。せめーて。せめてー。
 
文の中でだけでも幸せにならせてよ。
文の中でたゆたって、ほわーんとしたいのさ。
 
しあわせ。幸せ。仕合わせ。倖せ。
縦の糸も横の糸もございませんですわい。