電話なんて大嫌いなんだ

電話が嫌いだ。
 
恋人だろうが何だろうが
だーらだら話す電話が嫌いだ。
 
そもそもそんなにポンポンと
話題が浮かぶわけなかろうが。
 
沈黙してる気まずさったらありゃしない。
 
 
目と目が合わないコミュニケーションは
相手の真意が分かりづらい。
 
舌先三寸なんて言葉もあるけど、
口ではいくらでも言えても
目や雰囲気までは誤魔化せない。
 
相手が何を言いたいのかなんて、
むしろ言葉じゃなくて
態度や表情から悟れるものだ。
 
言葉なんて嘘っぱちだ。
 
 
そしてまた、だーらだら相手が話してるもんだから、
こっちもだーらだらモードになって
適当なことを言うとしくじる恐れもある。
 
ちょっと口を滑らせて言ったこと、
例えば誰かの悪口とか相手をおちょくることとか。
 
そういうのを言っちゃったら最後。
 
鬼の首を取ったかのように持ち上げて
人の揚げ足を取るかのような態度で
「そんなこと言うの信じられない」とか何とか。
 
あのな、こっちもだーらだらモードで
適当に話してるんだから
それは真意でも何でもなくて
いわゆる冗談の部類に入ることなの。
 
そういう恐れも勃発するから電話なんか嫌いだ。
 
 
それでいて、そんな生産性のない、
むしろ危険性しかない会話に
自分の時間を奪われるのも腹が立つ。
 
何もしてない時間なんてのはなくて。
絶対に自分のためのことを何かしらやってて。
それは寝てるでもぼーっとしてるでも
他人に侵されない自分だけの時間であって。
 
そこにぐいぐい入ってきて
我が物顔で俺の時間を占拠して、
謝罪のひとつもない上に
ぷんぷんしながら去っていく。
 
そんなのジャイアン以上に理不尽だ。
 
 
そりゃ女が「言葉を発することでストレス発散」になるのは
バカでもないから俺も知ってるよ。
 
話の内容なんてどうでもいいから、
とにかく口を動かすことで
誰かとおしゃべりすることで気が紛れるんだって。
 
でもな、俺は女じゃねーんだ。
今はやりのLGBTでもねーんだ。
 
たしかに姉妹に囲まれて育ったから
多少は女っぽいところはあるけど、
残念ながら俺はやっぱり男なんだ。
 
だからな、結論のない会話は嫌い。
生産性のない会話は嫌い。
危険性のある会話は嫌い。
 
 
だのにだ。だのにだのにだ。
 
「電話もしないなんてありえない」とか。
「ちょっとでいいの。声聞きたいの」とか。
 
ちょっとでいいとか言って、
10分ぐらいで切ろうとすると
「えー。もう切っちゃうの??」。
 
うるせーーーーー。
お前、ちょっとでいいって言ったじゃないか!!
こんな不毛な会話など俺は嫌いなんだ!!
 
「なんかしゃべってー」。
 
はぁぁぁぁっっっっっ?????
 
お前、ふざけんな!!
こっちは一刻も早く電話を切って
自分の時間に没頭したいのに。
話題がないなら「ない」でいいじゃないか。
無理して作る必要なんてひとつもない!!
 
さりとて、そんな本音はおくびにも出さず、
とりとめない会話を注意しながら続ける自分にさえも
嫌気がさしてしまう。
 
 
というわけで電話が嫌いだ。
 
なんて本音は誰にも直接言わないけど。
言ったら言ったで揉めごとを生むだけだし。
 
 
現状の自分を取り巻く状況がどうってわけじゃない。
ただこれまでの自分を取り巻いてきた状況を振り返って書いただけ。
 
妙にイライラした気分に襲われたから書いただけ。
 
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 
愛されたいぜ。