見出し画像

果たして我々は、宇宙膨張の謎を解くことができるのだろうか?

COBRAの2023年6月8日の記事「Situation Update」で紹介された記事「Will we ever know exactly how the universe ballooned into existence?」を翻訳しました。

※翻訳がお気に召しましたら、記事下部からサポートをお願い致します。

”亜量子異常も除去される過程にありますが、予想以上に濃密で困難なことが判明しています。この異常はネガティブな体験や感情の主な原因であり、イベントを妨げる主な要因です。というのも、この異常は依然としてブディック層から地上への光の流れを大きく妨げているからです。光の勢力の計画は、この異常を除去して今後いかなる状況下でも宇宙のどこにも闇が二度と現れないようにすることであり、この問題を最終決着することです。主流の科学では、亜量子異常をある程度おぼろげながら認識しています。”

元記事

By Paul Sutter

publishedApril 26, 2021

全ての始まり、宇宙へ飛び出した「はじまりの種」の謎を解き明かそうという試みが続いています。ある天文物理学者は、インフレーションという宇宙開闢が物理的に説明できない理由として「宇宙が自分を観測してほしくないから」と述べました。

どういうことか?文字通り、昔の姿を構造的に解析されないように、「宇宙が観測者を拒んでいる」と推測されているのです。

ということは、これまで通りのインフレーションの考え方自体に、この先明るい未来は期待できないということです。何か、他に新しい観測方法を探さねばならないのです。

そもそも、なぜこれまで通りのやり方では観測は実質不可能なのでしょう?

こちらの新しい推測は、これまでの不完全な情報しか提供しない旧インフレーション・モデルを非難する「私見」にすぎません。これまでのインフレーションモデルにおいては、時空間の非常に微かな「揺らぎ」を拡大視するという試みに基づいています。しかしながら、そんな極小の揺らぎを扱えるだけの物理理論を、誰も持ち合わせていないのです。したがって、欠陥のあるモデルを使い続けるわけにはいかないのです。

そんな折、インフレーションの秘密を解明し得る「超ひも理論」が登場します。

膨張し続ける宇宙

ビッグバンの残り火を観測するうち、この宇宙は初期の段階でものすごい急速に膨張したことが明らかになりました。これがいわゆるインフレーション現象です。一瞬で何兆倍、いえ何十兆倍の大きさに膨れ上がったのです。

急速に膨張したことで、中身は結構な揺れを経験しました。その結果、はじめはごく小さくランダムに発生していた量子揺らぎ(時空間に取り込まれた量子泡)も非常に大きく膨らみ、宇宙の中にムラができたのです。つまり、地域によって物質の密度が異なるということです。ミクロの違いはマクロの違いになり、場合によっては宇宙の端から端まで広がっていることがあります。しかし、何十億年もかけて大きくなったそのムラが、星々や銀河系などの宇宙構造物を生む「種」になったということです。

天文学者たちはこの1秒にも満たない間に起きたインフレーションの謎を解こうと、これまで幾重も思考を張り巡らせてきました。「何が膨張のきっかけだったのか?何に後押しされているのか?いつまで続くのか?いつ止まるのか?」もちろん、それは誰にもわかりません。なぜなら、物理的に「何がどうなっているのかわからない」からです。

さらに、今までのインフレーションの考え方、つまりそれだけ急激に膨張したとなると、最初は非常に小さかった揺らぎが、巨視的な差異として現れてしまうのです。どの程度小さかったのかというと、プランク長よりも小さい規模の話だったのです。1.6×10^マイナス35メートル(16の前に34のゼロと小数点がついた数字)のレベルの揺らぎです。自然界に存在しているという4つの力を隅々まで語れるぐらいの物理学的知識が必要になります。いえ、ここまで小さいと「大統一理論」が必要になります。

当然、そんな知識は誰も持ち合わせていません。

そこで実質的に、行き詰まってしまったのです。インフレーションが事実だとすると、プランク長以下の変化が、最終的に巨視的な違いになって現れるということになります。プランク長以下の世界を解析できるレベルの物理学もないのに、インフレーションの理論モデルを維持することなど不可能というわけです。

プランク長を超えて

よって、認めざるを得なくなります。「我々に観測は不可能」これを「超プランキアン検閲推測(TCC)」と言います。プランク長以下は観測できない世界ということです。

スイス系カナダ人の理論宇宙学者で、カナダのモントリオールにあるマギル大学の教授であるロバート・ブランデンベルガーは、TCCを「新しい宇宙論の発生を制限する縛りになっている原理だ」と否定的に捉えています。つまり、我々の世界からは極小の世界のことは一生わからないと言っているようなものだからです。たとえ量子重力理論を新しく持ち込んだとしても、TCCの世界は我々の世界と決して交わることはないと断定しているわけです。というわけで、TCCは科学者にとって、残念なお知らせとなっているのです。

有効場の理論に頼る科学者も多くいますが、これもTCCの前では無意味になってしまいます。結局はプランク長以下の変化が巨視化されるのがインフレーション理論だから、TCCが立ち塞がるのです。

そこで、別のアプローチをかけようとする物理学者も出てきました。

泥沼から脱出へ

「ストリングガス理論」という、古典物理学と量子物理学を併せ持った新しいストリング理論が、将来の統一物理学になるのではと注目を浴びています。その理論では、急激なインフレーションが想定されず、その代わりに膨張期間が一定のゆっくりした速度で進みます。よって、プランク長以下の出来事が巨視化するわけではないので、TCCに触れずに済みます。しかし、だからと言ってストリングガス理論が、急激なインフレーションが本当は起きていなかったという証明にはなりません。

TCCはまた、インフレーション理論と大統一理論の間に立ち塞がる泥沼にもなっています。超ひも理論では膨大な数の「潜在宇宙」を想定します。我々が認識している宇宙は、その中の一つの可能性に過ぎないという考え方です。つまり、インフレーションのような我々にとって不可能に近い宇宙の可能性についても理解できるようにならないと、統一理論には程遠いということです。

もしかしたら、TCCは我々がインフレーション理論に対して
持っている嫌悪感を、飛び越えるべき「泥沼」として表しているのかもしれません。

逆に言えば、TCCを認めれば、構築できる理論を絞れるということになります。急激なインフレーションがあったこと、それから極小の種が極大の構造物に成長した謎を解き明かすことができれば、インフレーション理論は完成するということです。

それにTCCも証明されたわけではありません。現時点での憶測に過ぎないのです。TCCはストリング理論(弦理論)に一致していると言っても、ストリング理論も未証明の「仮説」なのです。とりあえず、なんでもまず考えてみるのはいいことではないでしょうか。今はインフレーションを理解できていないことを認め、思考をさらに研ぎ澄ますために、役立ちそうな知識はなんでも取り入れてみることです。

Originally published on Live Science.
















サポートいただき、誠にありがとうございます!真実の島の共創に使わせていただきます💚