ある時、イエスが弟子たちを連れて街中を闊歩していると一人の都知事が民衆から石を投げつけられていた。

なぜこんなことをしているのかと、弟子が民衆の一人に問うと、
｢この都知事は罪人だからだ。違法ではないが、一部不適切な会計処理をした｣と答えた。

それを聞いたイエスは民衆にこう言った。
｢ならばしかたがない。続けなさい｣

そしてこう続けた。
｢ただし、この中で、一度も自分のための領収書を会社宛に切ったことがなく、オフィスの文房具をペンの一本も持ち帰ったことがなく、私用で使った電車賃もタクシー代も立替精算をせず、業務に関係のないコピーの1枚すら取ったことのない正しき者のみが、この都知事に石をぶつけなさい｣

民衆は、とまどい、石を投げるのをやめ、やがて一人また一人とその場を離れた。