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特急天空で行かない高野山ツアー

2015年4月26日、高野山へ行ってきました。
計画段階では高野山までは『特急天空』に乗って行く予定でしたが、残念なことに予約が取れませんでした。

なので、このイベントの名前も『天空で行く高野山ツアー』から『天空で行かない高野山ツアー』へと変更になりました。

そんな出発前からズッコケたツアーですが、幸い天気には恵まれて、快晴。お出かけ日和です。

今回は電車を使っての移動なので基本的に車内合流。乗車列車、乗り継ぎは下の通り。

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なのですが、今回は泉北倶楽部初参加のエムさんが居たので、団長の私は一足先に泉ヶ丘へお出迎に行ってエムさんと合流。

それから中百舌鳥へと向かいました。

今回の高野山ツアーの参加者は七名。そのうちの六名、泉北からの参加者が中百舌鳥で集合しました。

まずは、中百舌鳥の駅で世界遺産切符を買います。

(けっこうみんな中百舌鳥への定期券を持ってた。)

この切符、高野山までの往復切符に高野山のバス乗り放題や色々な割引チケットが付いているお得な切符です。

高野山に行かれる方にはオススメの切符ですよ。

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残りの一人、ドキリコさんは三国ヶ丘から電車に乗るって打ち合わせしていたので、そのドキリコの乗った電車に私たちも乗り込んで無事全員集合。

 いよいよ高野山に向けて出発進行です。
高野山までは乗り換え一回。
運良く北野田で急行極楽橋行きへ乗り換えできました。
その急行に乗り込んだとき、なんと車内は混雑。意外と人が乗っている!?
本当に予想外でした。

満員というほどではないものの、座席は全部埋まっていて、立ってるお客さんもたくさん。
幸い話しもできないほど混雑ではありませんでしたが。
さて、ここから極楽橋まではおよそ一時間。
このまま立って行くのかな?なんて不安を感じていましたが、山手に行くほど乗る人より降りる人が増えて、段々車内が空いていきます。

これはもしかしたら座れるかもしれない。
と、そんな淡い期待は橋本駅で打ち砕かれました。

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待ち構えていたのはJR和歌山線からの乗換のお客さん。
見れば外人の観光客がたくさんいました。
恐らく関西国際空港から和歌山経由で橋本へ来てるのでしょう。
それにしても世界遺産の金看板は伊達ではないですね。
そのうえ、難波から八両編成で走ってきた列車はここから四両編成になります。
ようやく空き始めた車内は瞬く間にコミコミになってしまいました。
これは極楽橋まで座れないなぁ。

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なんて覚悟を決めたらいよいよ電車は山線へと入っていきました。
そして、意外なことにここからお客さんがバラバラと降りていきます。
そして九度山では一気にお客さんが降りて、無事みんな座ることができました。
それも座れた座席はボックス席。
これぞ旅。ですよね。

 眼下に流れる玉川を見下ろして高野下を出れば、いよいよ山線は峻険さを増してきます。
苔の生えたホーム、軋む電車の車輪の音。電車は僅か30km/hというノロノロ運転で山肌を撫でるように走っていきます。
ここは、西の高野、東の箱根と言わせるほどに有名な山岳鉄道。
パーミル(‰)という言葉が分かる鉄チンはワクワク胸踊らせる区間なのです。

そんな電車の旅ももう終点。
ゆっくり電車が極楽橋のホームに着くと開かれた扉からお客さんが足早に乗換のケーブルカーへと向かいます。
でも、ケーブルカーはおよそ10分15分間隔で運行しているので、慌てず写真タイム。日頃見れない山間の景色をカメラへと納めていきます。

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この線路があの難波まで続いていると思えば、なんだか感慨深いものがありますよね。

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ケーブルカーを一本遅らせて思う存分写真を撮るといよいよケーブルカーに乗車。

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私たちを天空都市高野山へと連れて行ってくれます。
高野山からバスに乗って目指すは奥の院、の近くの赤松寺。
精進料理を予約していた宿坊です。

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ここかな?なんて少し恐る恐る中に入ると、宿坊のお坊さんの方から「七名の野口様ですか?」と声を掛けて下さいました。

やはりお坊さんだけあって、落ち着いた丁寧な物腰にこちらも、「はい。野口です。今日はよろしくお願いします。」と深くお辞儀をしました。
そして案内された赤松院さん。歴史の感じる木造の宿坊へと入ると、なんだか懐かしい記憶が蘇ります。

そうだ、昔キャンプで行った田舎のお家の雰囲気だ。
宿坊のお坊さんの案内で部屋に通されて、畳敷きのお部屋にはもう人数分のお膳が用意されていました。

女性陣がご飯をよそい、お吸い物を用意してくれると、いよいよお食事の時間です。

「それでは、団長から挨拶を…」と言われたので、
「本日はお日柄も良く…」と続けると、「どこの結婚式や!!」と直ぐさまツッコミが入りました。

いいね、この間。そんな笑い声一杯で食事はスタート。

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目の前に並んだお膳には、本日のメインランチ『精進料理』右のお椀の中には鮭の刺身のようなお品がありますが、これも蒟蒻。
お坊さんのお食事になまぐさ物はありません。
それが精進料理。
けれども、その見た目とは裏腹にお腹にはしっかりと入る。
長年の先人達の智恵が詰まっています。

食事の途中、次はどこに行こうか?なんて話になって。
「行ってみたいけど、一人では行きづらい。そんなところに行くのが泉北倶楽部だからね。」
なんて話をしていると、いつしか話は「じゃあ、一人で行ける行けないの境界線はどこだろう?」って事になりました。

美術館?博物館?映画館?

「美術館、博物館は一人で行けるけど、映画館は一人じゃ無理かな?」
「え~、大丈夫でしょ!?」
「ラーメン、うどん屋、ファミレスは大丈夫だけど、焼き肉はキツイよね。」
「いや、焼き肉も大丈夫だよ。」
「いやいや、ワンカルビとかさ。」
「ああ、ああいう食べ放題系はキツイよね。一人で入店してるのに『何名様ですか?』とか聞かれるとか、公開処刑?
逆に『お一人様ですか?』って言われても、トドメ差されるみたいでキツイけどさ。」 なんて、お部屋は大爆笑。

なにせ話をしていると、男性陣のボッチレベルが高い。
青春18切符で一人旅をしているような人ばかりですからね。
「まさに『はぐれボッチがあらわれた』状態ですね。」
なんて言うと「ボッチの上にはぐれ。最高のボッチじゃないですか!!!」とみんな大爆笑。

会食の1時間はあっという間に過ぎていきました。
食事が終わって横丸さんがお手洗いから帰ってきて一言。
「お手洗いの前にお手洗いがありましたよ。」と一言。
「いや、どう考えても意味が分からん。」と一同これまた大爆笑。
もう、箸が転げても笑いが出る状態ですね。
そのあと俺もお手洗いに行くと、ありました、お手洗いの前にお手洗いが。
洗面台ですけどね。
でも、確かに洗面台というよりお手洗いといくほうがしっくりと来ます。
三つ並んだ蛇口に水色のタイル張りの洗面台。流水溝はセメントで排水溝の塩ビパイプが顔を覗かせていました。
ああ、なんかキャンプに来た時みたいだ。
なんて、なんだかノストラジーに浸ってしまいました。

部屋に戻ると皆さん中庭散策。

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お部屋の前の縁側前から下履きに履き替えて庭に降りると、高野山の清々しい日差しの中、みどりの苔が可愛らしいお庭へと下りていきました。
そして、中庭から縁側へ戻ってきた横丸さんが一言。「拙者、怪しい者ではございませね。」
「今日のMVPはあんたや!!」とホタルさんが舌を巻くと、一同再び大爆笑。

赤松院さんで美味しい精進料理と大爆笑の時間を過ごして、次に向ったのは奥の院。

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この高野山は宗派を問わず故人をお偲びするということもあり、実に多くのお墓があって、なかには歴史的有名人のお墓もありました。
武田信玄、上杉謙信、豊臣秀吉、伊達政宗などなどから、『しろあり』の供養塔までありました。

人数募って高野山を訪れた時にはガイドさんに付いてきてもらうのも良いかも知れませんね。
以前高野山に来た事のあるメンバーは別ルートと途中で分かれて奥の院のお墓の合間を散策。
奥の院の前で集合して、いよいよ弘法大師がいらっしゃる奥の院へと参ります。
流石にここは人人人で一杯。
今回は真剣に参拝に来た訳ではないので、簡単にお堂をグルリと巡ると奥の院参りも終了。

弘法大師様。ありがとうございました。

奥の院前のバスターミナルからバスに乗ると、次の目的地はお豆腐デザートのお店。
ここは行きしがら、横丸さんが調べてくれた高野山のスイートスポット。
これは楽しみですね。
いただいたのはお豆腐のケーキ。
けれど言われなければ分からないくらい普通に甘くて美味しいケーキでした。

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奥の院で歩き通して疲れた足をここで休めて珈琲タイム。
楽しい雑談を交えながら休憩です。
そして、帰り道。途中のお店でお土産物探索。
見つけたのは可愛い可愛い『こうやくん』のヌイグルミ。
7800円。。。お値段が可愛くない。。。

めっちゃ残念だけど、お迎えするのは諦めて、ではと数珠を見てみる事に。
って、数珠ってこんなにするんだよね。
お店の奥の陳列にならんでいた数珠は、よく見かける3000円くらいの数珠から5万円6万円する数珠までずらり。

一体何が違うんだろう。

「まぁ高野山やからね。ここで揃わんかったらどこで買えるねんってくらい仏具はあるよ。」と、ホタルさんのお言葉。
そうだ、ここは仏の街、高野山。
お坊さんが使うような仏具が並んでいて当たり前なんだよね。
さてさて、とても手の出ない数珠はおいておいて、お目当てのゴマ豆腐をいただきます。

って、今、この文章を書いてて気がついたけど、このゴマ豆腐って、『胡麻』と『護摩』を掛けているのかな?

そうしていよいよ家路に着くかとバス停に向うと、もの凄い行列が出来上がっていました。
はー、世界遺産高野山開創1200年だもんね。
通り過ぎていくバスも超満員です。
そうしてやって来たバス。これも超満員。
ところが、長い時間待たされていたお客さんがそこに無理矢理乗り込もうと、押し合いへし合い。
終いには前の扉から乗るお客さんも…。
そして遂には怒号の飛び交う始末に。

ああ、運転手さん可哀相。。。

とういうか、この御仏の街高野山でそんな欲に塗れた事していると仏罰がくだりますよ。
私達は心穏やかにして次のバスを待つ事にすると、そのバスの後にすぐ臨時のバスが来ました。
まぁ、そのバスも沢山人が乗ってましたが、さっきよりマシ。
順番に中の方へと乗っていくと私達は一番前、運転士さんの横に立つ事に。
いやいや、いつも以上に無線が飛び交っていますよ。
どの停留所が一杯で、臨時のバスがドコを走っているのか。
おそらく運行ダイヤなんて無視してのピストン輸送状態。
そうでないと捌けないくらいの観光客ですから、バス会社もハッピー悲鳴ですね。

そうしてバスに揺られる事20分。
南海高野線高野山駅に帰ってきました。
私はここで少し休憩するつもりでしたが、すぐにケーブルが出る事のことでホタルさんの号令の元、みんな足早に改札を抜けてケーブルカーに乗り込みます。

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ケーブルカーの定員はそんなに多くはありません。
ギュウギュウ詰めのケーブルカーになんとか乗り込んで、すぐにケーブルカーは動き出しました。
いや、以前に来た時は立ち乗りどころか、座席なんてガラガラだったのに、凄い変わりようです。
そして電車への乗換駅の極楽橋に着くと、ケーブルカーから乗り換えたお客さんを乗せて、すぐに特急なんば行きが出発していきます。

私達が乗るのはその後の各停橋本行き。
先に特急がお客さんを乗せて走っていったから、後の急行の座席にはまだ空きがありました。
そうか、ホタルさんはコレを狙っていたのですね。
私達はその中でもみんなが座れる席を探して、一番前の席に陣取りました。空いている座席は5つ。2人が立つ事になります。

「俺たちが立っておくよ。」なんて格好付けてつり革を握る俺と横丸さん。「無理しなくても交代で座りましょ?」と優しく声を掛けてくれる女性陣に「ありがとう」とだけ声を返します。

《ここは、『西の高野、東の箱根』と称される日本有数の山岳鉄道の運転席の真後ろの特等席。誰にも譲りませんよ!!》

 待つ事20分。
流石に「動き出すまでは…」とよこまるさんと交代で座席に座っていましたが、運転席に運転士さんが到着すると俺たちも起立。

 いよいよ電車は高野山を下っていきます。

「やまとさん、あの標識は速度標識ですよね。」「そうそう、33ってあるから、時速33キロの速度制限ですね。」
なんて話しながら右へ左へ曲がりくねった線路に夢中の2人。
到着する駅一つ一つ懐古的な駅で、その物悲しさがなんだか胸を締め付けます。
窓の外には雄大な高野の山々が迫っています。

徐々に徐々に高度を下げていく列車。窓の下には道路が走り、家見え始め、学校があり、段々と人里に近付いてきます。
夕陽に照らされた九度山の田畑。電車と併走する自動車の影。
電車は段々と速度を上げて、紀ノ川を渡り、遂に橋本に到着。
ここからなんばへは乗り慣れた通勤車両です。

 3人4人と左右に分かれて座席につけば、いよいよ旅も終盤。
旅の疲れがみんな口数も少なくなり、各々居眠りをしたり新聞を読んだり携帯をいじったり。。。って、
アレ、向かいの4人組は楽しくお喋りの真っ最中。

《おう、向こうはリア充組ですね。
コッチはボッチマスター組でございます。》
北野田で各停に乗り換え、中百舌鳥に到着するとここで解散。
日根野から参加してくれたドキリコさんはそのまま三国ヶ丘へ。
エムさんともここでお別れになりました。

今回の高野山ツアー。

天空に乗れなかったのは残念だったけど、参加者の皆さんからは『とっても楽しかったです。』と言って貰えたので、私もとっても嬉しかったです。
また、みなさんとどこかに行きましょう!!!
次はどんな人とどこに行くのか。

今から楽しみです。

それでは、みなさん、お疲れ様でした。

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