見出し画像

PR会社の苦い体験

今、PR会社が仕切った記者会見が話題ですが、ボクもいくつかのPR会社と仕事をしてきました。そして残念ながら悪い印象しかなかったなと、昔の記憶が呼び起こされました。

ワンショットで360度撮影できる新しいジャンルの新製品発表会を某PR会社に頼んだのですが、ゲストに当時よくテレビに出てた女子サッカー選手を招待するという提案がありました。

PR会社は、発表会にいくつのメディアがきて、記事をどれだけ書いてもらって、広告換算でいくらの効果があった、というところまでが仕事だと考えている人が多いです。そこには、これからブランドと育てていく世界観と、そのタレントの世界観が合っているかとか、そのタレントがお仕事で来るにしてもリアルでその商品を好きになってくれて長くお付き合いしていけるか、など、先を見据えたコミュニケーション作りの思考はないことが多いです。極端な話、人寄せしてくれるなら誰でもいい。だからいっときダチョウ倶楽部ばかり出てましたよね(笑)

でも、これはPR会社がいけないのではなく、PR会社というのはそういう仕事をする会社だと理解した上で提案をどう判断するかという、クライアント側の問題です。パートナーではなくタスクの委託先と考えた方がいい。上記では担当者が提案に飛びついてそのまま実行、そして今があるわけです。

もう一つ、別のPR会社と翌年のイベント企画で仕事してた時の話。打ち合わせした日の夕方、事業譲渡という大きな発表がありました。実は、我々当事者には発表するまで知らせないというM&A部門の考えで、直前まで知らされていなかったのですが(それも酷い話)、その発表会を仕切っていたのが、さっきまで一緒に来年のイベントの打ち合わせをしていたPR会社だったんです。

数時間前に話してた人が、テレビのニュースにチラッと映っているのを見た時、この人どんな気持ちでオレらとさっきまで打ち合わせしてたんだろうと思いました。広告業界には一業種一社の原則がありますが、一社一部門なんてルールはないですから、仕事だから受けますということなのでしょうけど、なんというか、そこに矜持みたいなものはないのかな、と哀しくなりました。外資系になると、仕切りのプロ意識だけはさらに強くなります。

そんなこんなで、PR会社は優劣ではなく、良い思い出がないわけです。(たまたまそういう会社ばかりだったのかもしれませんけどね)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?