見出し画像

「声なき声問題」調査報告会に参加した話

11月1日(木)、
「声なき声」に支援を届ける
ー新たなアウトリーチ展開のための調査ー

調査報告会イベントに、聴講者として参加しました。

「OVA」さんの活動

主催の「OVA」さんは、インターネットゲートキーパー事業をされています。


「死にたい」など自殺リスクが高い検索をした人に、相談窓口の広告を表示して、メールなどオンラインを入り口に相談者の支援につなげます。

「声なき声」とは?

現在、若年層の死因の第一位が自殺。
年間自殺者数は、全国で21,000人。

ここまでは目に見える。しかし、いろんな調査報告を見ると、

・過去1年以内の自殺未遂経験者、推定53万5千人
(日本財団, 2016)
・成人の4人に1人「本気で自殺したいと思ったことがある」
(厚生労働省, 2017)(日本財団, 2017)
・Google検索「死にたい」の検索。24万回/月

「助けて」と言えない人は確かに存在する。声が届けば、手を差し伸べることができるが、見えない当事者にどう手を差し伸べるか?
ここに着目した話が「声なき声」問題です。

報告会の概要

援助を求める側の調査・研究は割とあるものの、支援者側から見た調査はあまりない。ということで、支援者団体へのインタビュー、アンケート調査を行なった結果報告でした。

前半の調査報告では、
・支援者が考える支援を求められない理由
・支援につなげるために団体で行なっている工夫
といった話がありました。

そこで感じた問題点について、後半、ゲストトークとなります。

ゲストトーク

この後半のゲストトークがおもしろかった!

「援助希求能力が足りないって、そりゃ、足りない個人の問題か?違うだろ!」
いきなり、問題提起から始まります。

そして、支援者に助けを求めにくい「支援者臭(しえんしゃしゅう)」の話につながります。(すごい言葉だ、支援者臭)

声を上げれない理由を支援する側に求めた話です。
この話が参加者の方からの意見を巻き込んで大いに盛り上がりました。

支援者臭。あえて、この表現を使いますが、
例えば、社会的に優位な立場、自分より安全な立場から、手を差し伸べる。
(こんな表現はなかったけど→)生活レベルで見下せる要素がある?
と、支援者臭を感じされるのかな?と感じました。


ゲストの荒井さんは、NPO法人PIECESで、周りに問題を抱える子どもたちの支援をされています。

子どもや若者は、支援の手が届く場所に自らやってくることはない。必然的に、子どもたちの場所に近づかないといけない。例えば、支援者ではない、ちょっとお兄さん的な態度になる。そのときに、支援者臭は気にすることがあるそう。支援者がどういうものか、どう映るか?すごく気にする。その支援者としての要素を外し、当事者の元に近づく。(わかりやすい部分だと、カチッとした服装はしない、とか)


ゲストの一人、精神科医の熊倉先生からは、もう一方の話も出ました。
熊倉先生は、ドヤ街での診療をされています。ドヤ街の診療では、ボランティアではやらない、とおっしゃっいました。


同じように診療をされる方が、熱心にやって(無力感から)燃え尽きて、ある日いなくなる。という場面を見た。それが、結局、当事者に喪失の悲しみを与えることになる。また、支援を受ける側も、人に頼っちゃいけない、と頑なに拒む人がいる。そのときに「お金をもらってやってるので、遠慮なく頼ってください」と言える。ちゃんと支援を届けることができる。自分を守るため、そして、ちゃんと救うために、あえて支援者(であり専門家)の立場を強調することもある。


OVA代表の伊藤さんも、支援者という態度が多いそうです。いざ、今にも死にたい人が目の前にいて、安心して頼れない態度では、打ち明けてくれないという事情があります。

専門家、支援者は必要。だけど、今回のように声なき声を拾うという場面では、やはり意識して、なくす場面も考えないといけない。

支援者臭なくすべき、という話でもなく、それぞれの立場からの意見、感想が聞け、有意義でした。


私は、いま、支援者でも専門家でもありません。

荒井さんのように生活の場に近づくわけでもない。
助けたい人は、自分の生活の周りにいます。

今回の参考にしたいこと、できそうなことは、
・コミュニティづくり
(助けたい人と1対1にならない。緩やかなつながりをつくる)
・こちらも弱さを出して、安心感をつくる
・専門家ではない同じ立ち位置にいるピアサポート

今後、世に溢れるサービス、生活上不可分なサービスで、
(例えば、わかりやすいところでは、SNSをつかって)
声なき声を拾う。その場で意識せず、助かってしまう。
いい方向転換する人を増やしていこう、と改めて考えました。

OVAの活動

いまは心底、OVAの活動を応援しています。OVAがこれをやるなら、これはOVAに任せておいて、OVAにできないことをしようと思っています。

ただ、やりたいことをすでにOVAで始めようとしてたり、悔しいけど、ただ応援する側に回ることも多い。なので、素直に、今後とも応援したいし、目が離せない。

同じように応援したくなった方がいたら、寄付はこちらから。

一回の寄付、毎月少額の寄付、もので寄付など、いろんな寄付の形が用意されています。

もう一つ、今回OVAの活動で気になった、取り組もうとされている大きな問題の一つ、申請主義の活動についての記事があります。

特に行政サービスは、申請しないと支援が得られない。これを解消することで、よりたくさんの人が助かるんではないか?という事象ですね。
(もちろん、行政の手が回らない、必要を感じて助けを求めない人をどこまで救うべきか?などの意見も踏まえて)

こちらについても目が離せません。
(私もどう絡もうか悩んでいます)

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。