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「いだてん」前半を見終えた

「いだてん」あいかわらず見ている。

見ている理由の一つは、現代に近い時代を扱っているからだ。

大河は、戦国の世を扱ったものが多い。
私は、どうせ歴史を知るならば、今、自分が生きている世の直接の原因となったことを知りたい。戦国の世より、幕末・明治に興味があるし、昭和のあれこれに興味がある。

ただ今ひとつ、おもしろさを感じていない。

つくりが丁寧だと感じることもある。十分、涙腺を刺激する話もある。
いらぬ構成と感じて見ていたが、古今亭志ん生と金栗四三さんが、同時代の中ですれ違うとき、時代のあやを感じ、その時代の空気を知った気にさせる。
(ここまで話すと、十分楽しそうだぞ)

個人の人生にフィーチャーしたものが、いまひとつ、おもしろさを感じにくくしている原因じゃないかと考えている。戦国武将が主人公の場合、もちろん個人ではあるが、それが即、組織を動かし、やがて、国を動かすきっかけになる。
私は、ここにおもしろみを感じているように思う。

だから、戦国武将といえど、ドラマ序盤の幼少の話はおもしろみが薄い。
しかし、幼年期やその前時代を丁寧につくっておかないと、大事な局面での振る舞いの理由がわからず、見ている側が迷子になってしまう。無くせばいいというものではない。個人が大きな組織を動かすきっかけになることにおもしろさを感じていると、どうしても、「いだてん」は十分楽しめないのかもしれない。


大河ドラマでいうと「武蔵 MUSASHI」も割と早めに、脱落した。当時、新之助だった市川海老蔵さんが主役だった。組織に属さない個人が主役であるとき、場面を切り取って絵になる人、歌舞伎役者を起用するという判断もありそうだ。歌舞伎は、動画というより、どこで切り取っても絵になる静止画の連続なので、活かしたい絵コンテがあると、歌舞伎役者を使おうと思うのかも。
評判を検索すると、おもしろくなかったとの声も多かったようなので、個人にフィーチャーした以外の部分で失敗が多かった可能性もある。

で、金栗四三さんだ。

金栗四三さんが走っても、第一次大戦は止められず、メダル間違いなしといったベルリンオリンピックは開催されず。ぼろぼろの体で走った、アントワープオリンピックではメダルに届かなかった(実際には、その後のパリでも走ったようだ)。

人生はいかんともしがたい。それはわかる。
金栗四三さんは、時代のうねりを作り、組織を動かしただろうか?

なぜ、金栗四三さんを「いだてん」前期の主人公にしたのか理解はできない。

何年も、妻子を置き去りにして、全国を飛び回ってた人だ。
あまりお茶の間の共感は得られそうにない。

前半を見終わって思うのは、走りに走ったから、誰かが反応し、次の人につながる。時代を通じて、バトンを渡すことができたということだ。同じ時代に生きた志ん生、特に、若い頃の志ん生(森山未來)もよかったしね。志ん生にもいい話がちょいちょいあったし。

後半は、人や組織を動かしまくったであろう、田畑政治(阿部サダヲ)が主人公だ。ほぼ現代を使って、私が感じる組織を動かすおもしろさが感じれる話になるんじゃないかと思う。すでに前半を見て、オリンピック開催なんて夢のような話、絵空事とすら感じていることを実現しよういうのだ。物語でいうと私が嫌いな幼年期の話、それも割とおもしろい話を丁寧につくってきたわけだから、後半がおもしろくないはずはない!

明日の晩が楽しみだ(実際には、録画で数日後に見るんだけどね)。

ところで、田畑政治(阿部サダヲ)さんが、オープニングで泳いでるのは、厩橋と駒形橋の間だよね?


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