産経新聞 朝の詩 ―星―

2017年5月15日の産経新聞の一面、朝の詩に掲載された詩。

赤ちゃんの手は、天から落ちてきた星だと思う。
ずっと太陽の近くにいたから、あたたかいんだ。
空気の綺麗なところにいたから、すべすべなんだ。

そしてだんだん、老いるにつれてしわしわになって
木の皮や土に近づいて
土に帰っていくのでしょう。



幼い頃
手を伸ばせば
夜空の星にも
届くと思っていた
やがて背は伸びたが
夜空の星は遠くなった
そんな私を求める
赤ん坊の小さな手
ああ私がずっと
探し求めていた星は
ここにあったのですね
私の手のひらも
誰かの小さな星に
なれるかしら

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